三浦友和「とても他人事とは思えない」林真理子が描いた「8050問題」に共感 『小説8050』が文庫版でベストセラ

 

5月8日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『白鳥とコウモリ(上)』が獲得した。  第2位は『白鳥とコウモリ(下)』。第3位は『変な家 文庫版』となった。

 1位から3位は先週と変わらず、東野圭吾さんの長編ミステリ『白鳥とコウモリ』上下巻と映画版も人気の『変な家』がランクイン。4位以下で注目は9位に初登場の『小説8050』。林真理子さんが八十代の親が収入のない五十代の子どもの生活を支える「8050問題」を題材とし、裕福な歯科医の父親と引きこもりを続ける長男の姿を描く。息子と向き合い知った恐ろしい真実とは。2019年に起きた元農水事務次官による長男殺害事件の記憶も新しい2021年に発表され、この4月に文庫化された。単行本と合わせ累計発行部数は15万部を突破している。

 

  俳優の三浦友和さんは同書のレビューで家族のことを理解していなかったと気づいた主人公の恐怖を想像し、《わが身を振り返って「自分は息子と妻のことを本当に理解しているのか」と考えた。恐ろしかった。もしかして、私の家族にもそれぞれに隠している部分や、言えない秘密があるんじゃないか。一方、私自身も、いつも家族に自分をさらけ出して生活しているわけじゃない。誰だってそうだ。》と告白。《描写がリアルでとても他人事とは思えない。これと同じことが自分にも起こったら、いや、起こっていた可能性もあったはずだ――》と想像しながら、自身の子育てや息子たちついても言及している。