山口なつおは、2月1日、参院本会議で、安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党代表質問を行った。質問では「日本再建」へ「結果を出す政治」にまい進す る決意を表明。「景気・経済」「東日本大震災からの復興と福島再生」「防災・減災」を柱とする 2012年度補正予算案の早期成立と迅速な執行を訴えたほか、外交の再建や、医療、介護、教育など暮らしの安心に向けた取り組みを提案した。

代表質問の要旨は以下の通り。

【政権運営】山口なつおは、自公連立政権の役割を「政治に安定を取り戻し、確実に施策を進めることだ」と訴え、安倍首相に謙虚で丁寧な政権運営を求める一 方、公明党として生活者や低所得者の目線に立ち、幅広い合意形成に努める考えを強調。まずは12年度補正予算案の早期成立と迅速な執行に全力を挙げる決意 を述べた。

【震災復興と福島再生】目に見える形で復興を進展させるため、縦割り行政の弊害などの洗い出しと根本的解決を要請。福島県で設立準備が進む「ふくしま国際医療科学センター」への十分な支援も求めた。

安倍首相は復興庁を司令塔として「検証を怠らず、現場主義に立つ迅速な対応を進める」と答え、同センターについて「適切に支援していく」と述べた。

【防災・減災】12年度補正予算案で「防災・安全交付金」を創設し、地方自治体が管理するインフラ(社会資本)の総点検や維持・更新を後押しすることを評 価。また、首都直下地震対策と南海トラフ巨大地震対策の具体化を求めたのに対し、太田昭宏国土交通相(公明党)は、法制度や対策の検討を進める与党と連携 しながら「国民の命を守るために万全を期したい」と答えた。

【外交・安全保障】前政権が停滞を招いた外交の再建に向けて「日米同盟をより強固なものとしつつ、これを基盤に中国、韓国など近隣諸国との関係改善に取り 組むことが早急に求められる」と強調。安倍首相は「緊密な日米同盟の復活」「未来志向の日韓関係の構築」に意欲を示した。

さらに、自らの訪中について「政治対話の扉を開く一助になればとの思いからだった」と表明。安倍首相は山口なつおの訪中を「戦略的互恵関係の原点に立ち 戻った対中関係を進める上で有意義だ」と評価し、個別の問題があっても関係全体に影響を及ぼさないよう大局的観点から関係改善を図る考えを示した。

一方、アルジェリア人質事件に関して、テロの温床を断つ取り組みとして、貧困の撲滅や社会的格差の解消などに向けた「人間の安全保障」の推進を主張。安倍首相は「日本外交の柱として積極的に推進する」と応じた。

【暮らしの安心】13年度予算案に子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌の3予防ワクチンの接種や、妊婦健診の公費助成の恒久化が盛り込まれたことに言及。「4月から確実に実施されるよう万全な措置を」と訴えた。

一方、介護サービスの提供体制充実の重要性を指摘し、介護人材の処遇改善へ「次期報酬改定に向け、適切に対処する必要がある」と強調。また、難病対策とし て、治療法の研究開発や就労・教育・相談支援といった総合的な対策を進めるために「立法措置を含めた対策を講じては」と提案した。

がん対策では、(1)がん検診受診率の向上(2)がんと診断された時からの緩和ケア実施(3)がん登録の法制化―などを「がん対策推進基本計画」に基づいて着実に実行すべきと主張。対策のスピードアップを図るため「首相が、がん対策の先頭に立つべき」と訴えた。

安倍首相は「基本計画に基づき、着実に推進していく」と答えた。

【教育】教育に関連して、公立学校施設の耐震化の重要性を強調。「子どもの命を守り地域の防災拠点として重要な役割を担う」として、天井など非構造部材を含む耐震化の早期完了を主張した。

また、「子どもが安心して教育を受けられる体制づくりが政治に求められている」と指摘。いじめや体罰などの問題に懸念を示し、迅速な対策と、教育現場や地域社会、保護者が一体となった中長期対策の検討を求めた。安倍首相は「対策充実や法制化へ迅速に対応する」と述べた。

【政治改革】「政治とカネ」をめぐる事件の再発防止に関して、公明党が政治資金規正法改正案の実現などを重ねて主張してきた経緯に触れ、「今国会での法改正実現へ各党協議の立ち上げを」と提案した。