ザワ、だばーーーっと涙を垂れ流しながら観ていたのですが何が泣けるってアクションだよDTCが喧嘩ゼロだったぶん、ハイローのアクションが観たかった、ずっと観たかったんですよねぇえええ。自分でもそんなに意識してなかったけど、観たかった以上の物を見せ付けられて、どれだけ飢えていたかに気がついたというか。もうアクション観ながら「これだよこれがハイロー好き有難う」という拝む気持ちで滂沱の涙を流してしまったのだった。


やっぱりハイローのアクションは凄い。あの河原での鳳仙戦のぐわーっと空中移動する視点は、ドローンじゃなくてワイヤーでカメラ吊ってるっていうから、もうどうなってんの、と。凄いよなぁ。俳優さん個々人のアクションもレベルが高いマジどうなってんのコレ!?の連続だし。味付けも最高でした。


村山VS轟のタイマン戦、鬼邪高らしい軽妙さと泥臭さに溢れていたし、スピードと作画とキャラ解釈極まりすぎててひたすら呻くしかない……尊い……もう「尊い」「しゅき」「死ぬ」しか言葉にならないのでここはいつか言葉になったらまた語りたい。


楓士雄はまあ楽しそうに闘うこと!あの自己紹介代わりのバトルで、カエル跳びぴょんぴょんからのドロップキックなんか、アクションも演技なんだなぁとしみじみ思いました。皆がコイツ強ぇし面白ぇじゃん!て目の色を変えるのがめちゃくちゃに表現されてる。だいたいチビって言われてブチ切れるキャラは最高と相場が決まっておる。好きにならずにいられない男の表現として100万点だよ。アクションも含めて壱馬くん上手いし、初主演の彼の成長ぶりをストーリーとリンクさせてカメラにおさめるために無理して順撮りにしたという久保監督に舌を巻きました。

オロチ兄弟のチャリぶっとばしもあんなの見たことないよ最高に血が滾ったよ


鳳仙戦とキドラ戦は、団体戦が立て続けにあることで飽きさせないよう変化をつけようとしてくれていて面白かった。

鳳仙戦ではキャラクターやその関係性を見せる演出で、中中も辻芝もニコイチで闘ったり、独り鳳仙に負けてない轟だったり。

泰志の魅せ方は良かったですねさすが佐藤流司さん目が吸い寄せられる華がある。「(傷口を)ちゃんと狙えよ?」の言い方とかギュンとくるよなあ。ところで彼がやられた時に清史が助けに来ないの、普段からコンビプレイとかじゃなくて互いに好き勝手暴れる間柄なのかなーと思いました。そのほうが狂犬ぽい。コンビ愛は、泰志が襲撃に遭った時の、あの賑やかな清史が独り黄昏れていたことで充分表現されてますし。(手にしていたのは泰志の血濡れたネックレスか?)

そういえば終わった後に土手で仲良くしてるシーンで、ジャム男が「今日は帰りましょうよ〜」って情けなく言って笑いを取った瞬間、泰志がジャム男のほうに向かって行ったような気がしたんだけど、気のせいかな。ザワ0 のジャム男が泰志に立ち向かったシーン2人とも良くて、そこに関係性生まれてたら良いなあと夢見てしまう。


キドラ戦は、対ゾンビと城攻めでしたね。ゾンビじみてるのはレッドラムをキメてるから痛覚が麻痺しているとか何かそういうことなんだろうけど、言葉で説明されていたら噴飯物だったかもしれないから、燃えてても平気っていう画のインパクトで理解させてもらえて良かったです。あれ耐火ジェルとか塗って実際に燃やしてんだろな。

でもシノギとして製造販売やってんだったらみんなでレッドラムやっちゃダメじゃん?商品に手をつけるのまずいじゃん?薬漬けにされて無理やりプッシャーやらされてる末端構成員て感じじゃなくて、ちゃんと母体メンバーっぽかったし

いやそもそもレッドラムにそんなゾンビ軍団つくるような効能あるの?ただの気持ち良くなるおくすりじゃなかったの?そんな無敵の軍隊が作れる薬みたいな設定…100万回は漫画で読んだなだいたい外国の軍隊とかに売りに行くんだよなはっ琥珀さんの海外行きの目的は九龍の資金源を断ちに?(すぐ妄想が大きくなるオタク)

城攻め要素も面白かった。ハシゴ、スノコ、脚立がこんなに愛おしくなってしまうのヤバい。轟ちゃんの投石は最高でした。相手が石投げ始めた瞬間にこれは轟ちゃんのコントロールの見せ所でしょ!来るでしょ!と思ったので、実際に来た瞬間、会場でガッツポーズしてしまった。


だいぶ脱線したけど、そんなこんなで「私の知っている最高のアクション」が今回確かに更新されたし、アクション以外でもだけど、これまでのハイローを彷彿とさせるものがふんだんに盛り込まれていたのが熱かった!知らなくても楽しめるけれど知っていれば知っているほどエモいことになる仕様が有難い。

絶望団地の希望こと誠司くん、コブラとヤマトにとってのノボルだし。オロチ兄弟のバイクでの登場っぷりは雨宮だし。新太と楓士雄の掴み合いは琥珀さんとコブラだし。闘い後の勝利宣言が黙って拳を突き上げるものだったのもザムのコブラを思い出させる。

そして山田裕貴氏があそこで「鬼邪高の祭りは村山通せや」と言いたくなったのって、もしかして直前のゴロゴロ転がるアクションがザムの日向ちゃんを想起させたからでは?などと思ったり。

過去のハイローをいちいち思い出すから、新作として新しいものを過去を上回るレベルで見せつけられているのに、どこか凄くノスタルジックで。不快じゃなく心地良い感覚で。ここはこうこなくちゃ、というポイントを期待通りにおさえてくれる気持ち良さもあり。まぎれもない「ハイローとして」の「最高」を更新されていることに感激してたまらなくなった。


でもでもでもでも、それと同時に、これは確かにクローズの新作だったとも思うのです!!!クローズファンとしても私は泣いた!!!エモ過ぎて!


まず楓士雄、どこからどうみても髙橋ヒロシ漫画の主人公だった。ザワ0 観てた時は素直なおじいちゃん子だったから、月島花じゃん?と思ってたけど、ザワの蓋を開けたら完全に坊屋春道だった。めっちゃバイクとかパクるし。楓士雄の内面描写が必要以上にないのも良き。これぞ坊屋春道。何処から来たのかわからない奴が突然転校してきて、めちゃくちゃ強いけど性格もなんだかめちゃくちゃなスケールの奴で、仲間想いで、みんな好きになっちゃう。主人公に感情移入して共感できるようなものじゃなくて、周囲に感情移入する形です。うわっ可愛いとか面白いとか素直に、あるいは時にイライラして何考えてんだよこいつ、と思いながら目が離せない自分に気付き、観客も一緒に楓士雄に振り回されるわけです。主人公という石を池に投げ入れて水面の揺らぎがストーリーになる形。多分、「轟がデレるのも仕方ない」と観客に思わせたらこの映画の勝ちだったと思うんですけど、まあまんまとしてやられましたわ。


そして、ほ、鳳仙〜〜〜!鳳仙愛が凄い!鳳仙が鳳仙すぎて〜〜〜!!これはもうずっとクローズを好きだったという志尊くんの功績が大きいのではないかと思う。雑誌インタビューで監督が、鳳仙軍団イキって登場するのを期待してたら静かにやってきたから訊いたら「皆で話し合って殺し屋鳳仙らしくクールに登場することにした」とか。そうなんですよ、黙ってぞろぞろの不気味さが鳳仙!無駄口の無さが統率取れてる証明だから!解釈が完璧!それに加えて、「ここまでされたんだぞ!!」の血染めの制服、あれが志尊くんの発案だというのです。テスト撮影の時に皆に内緒で制服を持って行ったら空気が変わったと。そこから鳳仙の一枚岩感が出たと。

https://hochi.news/articles/20190913-OHT1T50121.html

このエピソードはハイロー名物・キャストによる名提案のひとつとして語り継いでいきたい。あの、グレーと白のクリーンなイメージの制服、血染めにしなくて何の意味があろうと!いうのか!素晴らしすぎる!

誠実で器が大きく、強く、皆の心を掴む美しいカリスマ。めちゃくちゃに鳳仙のトップとして解釈合ってるよ〜!志尊くん有難う有難う!絶望団地で血染めの制服羽織ったのも彼のアイデアかな。そうだったら泣いちゃうなほんと。

四天王も、情報屋ポジションのサバカンも、キャラ立ちが良くて最高だった。

小田島有剣は、最初に見た瞬間から月本光政っぽい〜!と思ってて気になってました。いやわざと似せているというより、髙橋先生のキャラ描きわけバリエーションの中で同じ系統にいるだけだと思うんですが。それでも金髪であの縛り方で色眼鏡ってのはどうしたって光政を思い起こさせます。眉毛を吊り上げる雰囲気とかも塩野くんは意識してたのかな、これもたまたまかな。とにかく嫌でも鳳仙ぽくてワクワクしちゃうわけです。そこに、あの「毎度!殺し屋鳳仙だす」!!!四男・月本光法の名台詞キターーー!!!鳥肌が立ちました。有難う有難う


あと、クローズ界では、引退してカタギで働いてる人間はもう一切喧嘩ごとに顔を出さないし、逆に引退済みの奴に手を出すのは最も卑怯なこととして描かれている。そして信頼できるおやっさんのいる土建屋は限りなくクリーンな存在です。不良達の受け皿になり、真っ当な人生を歩ませるかとができる。だから関ちゃんパパも完全にそれ。村山さんがそのまま土建屋で就職したらどうしようとか心配してたけど、前回の感想で書いたように、信じられないほど最高の形で旅立ってくれたので、本当にコラボ有難う有難う


エンドロールのラブラブカップル×2もめっちゃ楽しくて可愛くてハッピーだったんですけど、あれも表現が漫画的で、鳳仙のほうなんか髙橋先生の作画で目に入ってきました。台詞無しでああやって見せるのってハイローでは無かったと思うので、全く何から何まで上手くいった最高のコラボだったなあと。


だから愉しみが2倍になるので、クローズとWORSTを未履修の方には是非是非読んでいただきたい!エモさ倍増ですので!

映画のクロZEROだけ、というのはなんというか、確かに繋がりはあるのですが、レッレだけ見てハイロー履修したというようなものではないかと個人的には思いますあくまで個人の見解ですが。漫画の方を是非。


ハイロー自体がクローズの影響を受けているというのは随所で言われてきたと思うのですが、そのなかでも鬼邪高自体が、おそらくは鈴蘭高校をモデルにした部分が大きいのでしょう。強い奴らが集まってきてしのぎを削る凶悪高校。しかしその歴史の中で統一を成し遂げた者は居ない。そのまま、村山良樹が来る前の鬼邪高です。

そして鳳仙というのは鈴蘭の宿敵として在るわけですので、VS鬼邪高もうまくハマるんだよなあ。


これはWORSTのネタバレが含まれる話ですが。

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初めて鈴蘭統一を成し遂げた月島花は「番長は火消し役だ」と言います。皆が起こした問題を、収めてまわる立場だと。


この視点を村山良樹は持っていた。さて、全日の連中はどうか。まだまだだと思うのです、あのひよっこ達は。単身でトラブルを収めに詫び入れに行った上田左智雄が、「みんなのリーダー」楓士雄より格上なのがわかってしまう。ザワ0 で語られたリーダー論、更にまだ上があるんじゃないかと思うんですよね。TOPに立ったその後に、目指すべき高みの話があるのではないかと。全日ちゃん達はまだそこに行き着いていない。でもその伸び代が愛おしく、もっと彼らを見ていたいという気持ちをひたすらに掻き立てられます。


本当に、こんなに満足させてもらえるなんて夢にも思わなかった。ハイローもクローズも有難う有難う