9/17-18 幕張メッセ 私は全身で愛を浴びた

有難うハイローくん。


私はクローズもWORSTもハイローも村山良樹も山田裕貴さんもLDHも好きなので、この1年思い入れが強過ぎて爆発しそうだったし、この完成披露試写会を最高潮に楽しむために1年かけて、スケジュールの自由が効く職についたり、履修前だったランペさんのCD買ってライブ行ったり、漫画を読み返したり、ネタバレ爆弾を喰らいつつ全部のインタビュー雑誌に目を通したり、といった準備をしてきたので、もう人生の絶頂を経験した。死んでもいいって正直思った。我が生涯に一片の悔い無しと叫んで拳を突き上げて昇天しそうでした。ラオウになりそうなくらいテンパってるから感想もまとまらないので思い出した都度書き足していこうと思う。


今回何が喜ばしいって、村山良樹が「出発」と言って卒業したこと、彼の前途が孤独ではなく光に満ちていること、まずはそこに尽きるのですが、そこに関連して、今回、ハイローは大きな転換を迎えたと思う。


かつてのハイローは汚い大人に立ち向かう子供の話だった。そして子供がモラトリアムを脱して大人になる話。喧嘩小僧が居場所を出てやりたいことを見つけること、拳で解決できない問題に対処すること、次世代に継承していくこと。それを子供の目線で描いていた。

では、モラトリアムを出た先、「汚くない」大人はどう描かれていたか。顕著なのはDTCのサウナシーンのモブおじさんである。「結婚したら残りの人生は消化試合」というあれ。心躍らせるものもなく、家族を養うために黙々と自分をすり減らしながら、働いて働いて定年まで働き続ける存在。楽しみはビールだけ。その会話を聞いたDTCがぞーっとして、モラトリアムの重要性を痛感して旅に出るわけですよね、今しかできないことをしたいと。

彼らは旅先でステキな家族愛に出会って応援するわけですが、あの話って、結婚や家庭を良いものだと肯定はしても、根本的に大人を固くつまらないものと描いてる。だからDTCの若く突拍子のない衝動的な情熱が功を奏して大人を動かした、という構図。

つまり、大人ってのは不自由で、色んな責任に雁字搦めになって、色々失くしてしまう存在。我慢ばかりでつまらない奴ら。もしくは道を踏み外して汚い存在。というオトナ観を我々は見せられてきたわけです。

(テッツ父なんかは精神的に偉大な存在として描かれていましたが、彼もまた、経済的に困窮し銭湯を奪われようとしている不自由な存在でした)


だから、映画に先んじてザワ0 を観ていた時も、村山さんの成長が、それを目撃できたことが震えるほど嬉しくて、けれども同時に言いようもない切なさで苦しかった。村山良樹は大人の側に足を踏み入れてしまった。自らを律し、広げた翼の下で雛を護り育てる、親になってしまった。責務を果たそうとする彼は不自由に見えた。大人になることはやっぱりどこか寂しいことだと思った。卒業して表舞台から去る、というのは、つまらない大人になったからもう物語の主役ではいられないということなのかと思った。突然ふらりと旅に出てもおかしくないような、何をするかわからない、自由気ままで奔放な村山良樹はもういないと思ったから。


そこからの劇的な転換が、ザワであんなに鮮やかな言葉で出てくるとは思いませんでした。有難う小沢仁志〜〜〜!!!本物のほうね!関ちゃんのパパ!!「仕事は楽しいか?」「早くガキなんかやめて大人になれ」「大人は夢を叶えることができる」という圧倒的な「勤労する大人」の肯定。つまんなくないんだよ!大人!あの台詞はまるでスクリーンの此方側に居る私たちすら肯定しているかのようでした。

これは確かにハイローが次に行き着く先としての文脈だったと思うし、とても髙橋先生らしい人間賛歌でもある。最高の、考えうる限りのというか私の頭なんかでは夢にも想像できないミラクルなコラボレーションだった。


そして、村山良樹はパルコの存在を見て、関ちゃんパパと焼肉サシ飲みして、閉店まで独り残り考えを巡らせ、それからコブラに電話しました。焼肉屋の閉店時間23時くらい?仲良いな。私はこの電話も嬉しかった。単にコブラちゃんが好きだからとかではなくて、村山良樹がSWORD外の世界から刺激を受けてそのまま変わってしまうのは、SWORDを通さずに変化してしまうなら、それもまた少しだけ寂しいことだと思ったから。だから、考え込んだ彼が、SWORDの世界の住人であるコブラを頼り話を聴いてもらいそこからの決断に至っているというのは、本当に嬉しいことだった。ちゃんとハイローの文脈に一旦戻している。最高過ぎる形のコラボ。

(おそらくコブラにはSWORDOには頭が居なくなるけどよろしく、的なことも話を通したんじゃないかと思うんですけど、どうだろ)


私は冬からずっと言っていた。ハイロー×クローズで一番擦り合わせが心配なのは経済観念だと。ハイローのファンタジーな金遣いが、クローズ寄りにスケールダウンしてしまうのは、物語をつまらなくして人物を現実に引き戻し矮小化するのではないか、と。


でも、これが答えだった。大人になるって楽しい!大人ってカッコイイ!!真面目にコツコツ働いて稼ぐって凄ぇ良い!!!という最高に輝かしいメッセージを、神推しが体現して去って行きました。つまらない大人、諦めることの方が多い凡夫の私の人生すら肯定するかのように。


村山良樹が「ありがとね」と書いた退学届を提出し、鬼邪高を出て行く時、その先には光しかない。お金稼いで、好きなことをして、夢を見て、叶えよう。3人なら何でもできるよ。何処だって行けるよ。


ありがとうハイローくん。

村山良樹を、大人を、人間を愛してくれてありがとう。