身近な自然観察 小牧山

 今住んでいるところから歩いて行ける範囲に小牧山があり、子供の頃を除くと、30年くらい前と数年前に山頂まで登っています(麓の公園だけなら近年はもっと頻繁に通過し歩いてはいますが)。
 数年前からこのブログの自然観察のシリーズの記事を書いてきたので、観察しないわけにもいかないだろうと思い、6月に入り1回登りました(と言っても、写真を撮りながらでも30分ほどで登頂できてしまう程度です)。これまであまり気が進まなかったのは、山を下から見ればいかにも常緑広葉樹の極相林に近い林だとわかり、あまり豊かな林内の植生はないだろうと思っているからです。私が子供の頃はもう少し二次林に近く、多様で多層の植物群や昆虫が好むような朽ちた木や倒木、また鬱蒼とした場所も開けた場所もある状況だったのではと(違うかもしれませんが)思っています。また、今は悪い意味で公園として綺麗にされてしまっている印象があります。今はたぶんカブトムシやクワガタなどの昆虫はいないだろうと思いますが、私が子供の頃はそういうものも求めて山に入りました(当時少なくともコクワガタくらいはいました)。印象に残るのは遊歩道沿いの開けた明るい場所の1本の木の林冠を見上げるとその周りをタマムシが大量に飛んでいた光景です(今の同じ場所は当時のように開けておらず暗い感じがします)。ただ、残丘のように古くからある山なので海が近かった時期もあったとすれば、植生にその名残りはないだろうかとも想像します(人間によって何度もはげ山にされていたらわかりませんが)。渥美半島の海沿いで見た山の景色と似ているように思うからです。

 小牧山は、中生代までに海底の堆積物がプレートに乗って移動し大陸の端に形成された付加体(たぶん「美濃帯」)のチャート(放散虫などが海底に堆積した化石からなる二酸化ケイ素を主成分とする硬い岩。マグマ由来の火成岩の主成分と同じ成分の骨格を持つ生物という点がとても興味深いです。二酸化ケイ素が多い石英などと同じですから硬いです。チャートと同じく生物由来の場合もあって炭酸カルシウムからなる石灰岩がチャートと対比されますが、いずれにせよ生き物は地球の一部という感じがします。)などからなる古くて硬い岩の山で、浸食されきれずに残り、木曽三川による新しい沖積平野(濃尾平野)の覆いからとび出て、尾張丘陵からは離れた平野にポツンと孤立した丘です(標高84m)。小牧山の西に少し行けば、南北に長く連なるはっきりした河岸段丘があり西側が低くなっています。段丘近隣の字名(地名)には、崎、島、渕の字がついたものや舟津という名もあり、地形に因んでいるか、実際近隣まで水がきていたことも想像させます。
 ところで、判で押したように「小牧山は秩父古生層」とよく書かれていますが、中部地方での「秩父帯」はもっと海の側、中央構造線の外帯がある渥美半島のほうなので、このへんのところがよくわかりません(小牧山は尾張北部です。もしかしてアップデートされてない?)。美濃帯も秩父帯も(海中での)堆積年代が同じような古生代後期からジュラ紀(中世代)とされ、ジュラ紀に付加体(プレートが沈み込む大陸の端で海底の生物の死骸などの堆積物が剥がされ陸に乗り上げたもの)ができ、その頃にはまだ日本列島の元はユーラシア大陸の一部で、ジュラ紀の末からようやく中央構造線の元になる断層の横ずれ運動があったとされるので、もとはつながった付加体だったとしても、外帯の側に切り取られたほうを「秩父帯」としているのだから、違うのではないかと思ったりします。近年は放散虫化石の研究で時代区分がよく分かるようなので、そのへんのところからわからないのでしょうか。
 もう少し北の犬山市の木曽川でも岸の近くには赤茶色い岩が顔を出していますし、犬山城のある場所やその近隣でも切り立った岩の山があり、これらは美濃帯のチャートでしょう。岐阜の金華山もです。小牧山はこの延長にあるように思うのですが「美濃帯」ではないのでしょうか。小牧山の北東3kmほどのところにはもっと低い岩崎山という丘があり、こちらのほうが特殊で花崗岩の丘です(子供の頃、この山の中の崖のようなところでよく水晶を見つけました。虫を取りに入り、クワガタやカブトムシやカナブン、タテハチョウ、オオスズメバチ、マイマイカブリのようなゴミムシの仲間などをよく見かけ、1回だけオオクワガタを見たこともありますし、ホタルもいました。マイマイカブリが皮膚炎も起こす刺激性の液を噴射することなど知りませんでしたが、生得的に人は察知するものなのでしょうか、見ると気持ちが悪くてマイマイカブリを触った記憶がありません。アカマツ、コナラやクヌギなどがある二次林で、良い意味で朽ち木なども放置された自然がありました。南側の林内には大きな岩がいくつか横たわっていて、そこで遊び、岩に刻まれた幾何学模様から古代の遺物ではないかと子供なりに想像していましたが、現在の知識では、それは名古屋城築城時の石垣普請で各大名がつけた印だと分かっています。近年のローカルのテレビ番組でそこが映って説明されました。)。なお、今はこの近くには住んでいません。

 小牧山に話を戻しますが、歴史的には戦国時代に織田信長が清州から美濃に移るまでの間、山に築城し城下町も作ったとされ(すぐ美濃に移ったため4年で廃城に)、また小牧・長久手の戦いでは徳川家康が小牧山に陣を構えて勝利しました。本稿では戦国時代の歴史の話は割愛します。これらの戦国時代の遺構ばかりが近年着目されて公園整備がなされ、自然を観察する場所としては魅力が減っている気がします。

まず、麓の公園にあった案内図です。
↓小牧山案内図 2022/6/9撮影  



遠景として綺麗に見えるポイントを探して撮影するまでは今回できませんでした。
↓小牧山 2022/6/9   1



 さて、ようやく植物観察です。あまり期待はしていませんでしたが、市街地の道端にはなく林内ならではのものはありました。それから、エゾエノキと思われる木があり、これまでケヤキ、ムクノキ、エノキの3つが葉の比較による識別の格好の組み合わせでしたが、これに1つ追加することになり収穫でした。

 コースは、上の案内図にある大手口から大手道を登って左に折れ、山の西側中腹を回りタブノキを通って山頂へ行くものでした。

↓ヒカゲノイノコズチ(APGⅢでヒユ科イノコズチ属Achyranthes bidentata Blume var. japonica Miq.)か
 自信はありません。以前、川沿いで見ましたが、これはピンときませんでした。川沿いで見たものは葉のシワがあったからです。何かわからず写真を撮りました。Googleレンズではミズヒキ(タデ科イヌタデ属Persicaria filiformis (Thunb.) Nakai ex W.T.Lee)が出ましたが、ミズヒキだと葉は互生で、この時期はタデ科に特有の葉の黒っぽい紋があるはずで、また托葉もあるとされ(真上からではあるのかないのかわかりませんが)、葉の雰囲気は似ていますが違うと思います。イノコズチの葉は対生なので、この写真は十字対生※1のようであり合致します。それから、林内に生える※1とあります。これだけでは根拠は不十分かもしれませんが、今のところ有力候補です。もう少しして花期にもう一度確認すればはっきりしますが、また行くことができれば。
 仮にイノコズチだとすると、Wikipediaには、古来から日本にある植物で(それだけでも載せる意味がありそう)、根が漢方薬の「牛膝」になり、第二次世界大戦中の日本では、食糧難により「夏の七草」の一つとして食用を推奨されていたとありました※1。ただ、基本種の命名はカール・ルートヴィヒ・リッター・フォン・ブルーム(Carl Ludwig Ritter von Blume、1796-1862)というオランダの植物学者で、この方はライデン大学で学び、ジャカルタに派遣されインドネシアの植物の採集、分類、記載を行った人です※2。そして、日本の変種として分類したのがフリードリッヒ・アントン・ヴィルヘルム・ミクェル(Friedrich Anton Wilhelm Miquel、1811-1871)というオランダの植物学者で、オランダ領東インドの植物を研究した人です※11。つまり、いずれにせよ、ツンベルクの命名ではないですし、日本固有の種ではないようです。
↓ヒカゲノイノコズチか 2022/6/4撮影  


↓イロハモミジ(ムクロジ科カエデ属Acer palmatum Thunb.)
 完全に景色として撮影しました。
↓イロハモミジ 2022/6/4 撮影 


↓ヤブミョウガ(ツユクサ科ヤブミョウガ属Pollia japonica Thunb.)
 これは本ブログに載せるのは初で、林内ならではです。ミョウガ科のミョウガ(Zingiber mioga (Thunb.) Roscoe)とは無関係で、ヤブミョウガの葉はツヤがあり触るとザラつき(不思議ですが)、ミョウガのほうは葉にツヤがなく触るとツルツルらしく、ヤブミョウガの葉は互生※3なので、上から見るといろんな方向にズレて葉が出ていると言えます。また、ヤブミョウガのほうも食べられるそうです※3。ヤブミョウガもミョウガも共にツンベルク命名で、共に東アジア原産です。
↓ヤブミョウガ 2022/6/4撮影  


↓アオキ(APGⅢでガリア科アオキ属Aucuba japonica Thunb. var. japonica
 これも林内ならではです。低山のスギ林や照葉樹林内でよく見られ、日本原産です※4。山へ行かなくなって久しいので、林内で見るのは久しぶりです(園芸的なものは見ているかもしれないという意味で)。葉には苦味健胃作用があり、配糖体のオークビンなどを含み、膿を出させる排膿作用、消炎作用、抗菌作用があるとされます※4。やはりツンベルクの命名でした。

「ツンベルクが学名を与えたその翌年(1783年)に、イギリスを経由してヨーロッパに紹介されたといわれ、流行してヨーロッパ各地で植えられた」※4

 とあります。また、日本原産と書きましたが、アオキ属には「3種ほどがあり、ヒマラヤ、中国南部から日本(照葉樹林帯)に分布する。」※4とされ、学名にも日本の変種と書かれています。
 ただ、個人的には枝や幹まで緑で全身ツルテカのイメージがあり、あまり好きではありません。
↓アオキ 2022/6/4撮影   


 

↓アオキの左下から中央手前に偶然写り込んだムクノキとエノキ(ロケ番組で別番組のロケ隊が写り込んだような感じです。全く別の場所でもクスノキとエノキがセットの例があり、市中の道端でエノキが圧倒的な中で、たまにこうした事例があるということは、ほかにもセットの場所があり両者の実を区別せず食べる鳥がいるということ。) 2022/6/4撮影


↓ムラサキシキブ(シソ科ムラサキシキブ属Callicarpa japonica Thunb.)
 これも林内ならではのようで、ムラサキシキブと確認したのは私的には初めてかもしれません。近縁種のヤブムラサキ(C. mollis)はかつて低山を歩いた頃時々見かけて好きでした(黄味が強い黄緑の葉や薄紫色の実の控え目な付き方など)。園芸種として「ムラサキシキブ」の名で出回っているのはたいていはコムラサキ(C. dichotoma)で、おそらく鳥が種を運んで道端でも見かけますが、実の色が濃く付き方も節操のない多さで、ヤブムラサキの奥ゆかしさがありません。葉による識別は、葉の先端半分にだけ鋸歯があるコムラサキ、全体に細かい鋸歯があるムラサキシキブやヤブムラサキ、葉の先が鋭く尖るヤブムラサキ、尖るムラサキシキブ、鈍く尖るコムラサキ、ムラサキシキブは幅広のイメージがあります。
↓ムラサキシキブ 2022/6/4撮影  



↓参考 道端のグレーチングから生えているコムラサキ(葉の先端の尖りが鈍い)
↓コムラサキ 2022/6/9撮影



↓タブノキ(クスノキ科クスノキ属Machilus thunbergii Siebold et Zucc.)
 照葉樹林の代表樹種で、小牧山のシンボルのように扱われています。Wikipedia「タブノキ」※5の写真には小牧山のタブノキが載っていました。
 枝葉には粘液が多く、乾かして粉にするとタブ粉が得られる。タブ粉は線香や蚊取線香の材料の1つ(粘結材)として用いる。樹皮や葉は黄八丈の黄色い染料が採れるとされ※5、確かに線香の箱の原材料にタブ粉が書いてあったように思います。シーボルトとツッカリーニの命名で、ツンベルクに因んだ種小名になっています。
↓タブノキ 2022/6/4撮影  



↓フッキソウ(ツゲ科フッキソウ属Pachysandra terminalis
 フッキは漢字で富貴です。初めて確認した種です。これも林内ならではで、東アジアの種のようです。
↓フッキソウ 2022/6/4撮影  


↓ヒノキ(ヒノキ科ヒノキ属Chamaecyparis obtusa (Siebold et Zucc.) Endl.)
 自生か植林かはわかりませんが、湿潤な場所のスギに対して乾燥した場所(尾根近くなど)という条件にはこの写真の場所は合っています。これもシーボルトとツッカリーニによる命名です。
↓ヒノキ 2022/6/4撮影  


↓エゾエノキ(アサ科エノキ属Celtis jessoensis Koidz.)
 いよいよ今回の目玉です。以前、ケヤキ(APGⅢでニレ科ケヤキ属Zelkova serrata (Thunb.) Makino)とエノキ(アサ科エノキ属Celtis sinensis Pers.)の中間的なムクノキ(アサ科ムクノキ属Aphananthe aspera (Thunb.) Planch. 鋸歯がエノキと違い全体にあり、葉脈は3行脈でエノキ的ではありますが末端が葉の基部寄りにしか至らず浅め)を確認していましたが、今回のエゾエノキは、ムクノキに似ていますが、まず3行脈が明瞭な鋭角で末端が葉の半分以上まで達するものも多く(ムクノキに似たものもありますが)、鋸歯はムクノキより粗く深いです。漫然と見ていたらムクノキと間違えるかもしれません。これでケヤキ・ムクノキ・エゾエノキ・エノキというグラデーションができましたが、ケヤキだけは鳥に実を食べさせず風で葉ごと種を飛ばすので異質(科も違う)ですし、まあ、エノキの鳥依存による異様な繁殖力も特異といえば特異です。エゾエノキはエゾを冠していますが全国にあるようです。そして、エゾエノキの命名者Koidz.はもしや「小泉?」と思ったら、小泉源一(1883-1953 日本植物分類学会の創立者)のことでした。ツンベルクの目にもとまらなかったくらいエゾエノキはマイナーということでしょう。なお、ケヤキやムクノキはツンベルク命名ですが、一方、日本や中国に分布するエノキをなぜか、クリスティアーン・ヘンドリク・ペルズーン(Christiaan Hendrik Persoon、1751-1836)という南アフリカ出身でライデン大学とゲッティンゲン大学で医学を学んだ菌類の分類研究の創始者※6が命名しています。
↓エゾエノキ 2022/6/4撮影  1

↓(参考 再掲)
↓エノキ 2022/5/8撮影


↓ムクノキ 2022/5/8撮影

 

 

↓アオギリ(APGⅢでアオイ科アオギリ属Firmiana simplex (L.) W.F.Wight)か
 自信はありませんが、葉の形や大きな葉身と長い葉柄から。ただ、葉が互生とあり、写真のは互生なのかよくわかりません。アオギリだとすると、中国や東南アジア原産で、日本での自然分布は沖縄や奄美大島です。かなり古くに渡来し、日本各地に植えられ、暖地では野生化しているとされます※7。種子は梧桐子(ごどうし)という生薬になります※7。
↓アオギリか 2022/6/4撮影   1


↓ハゼノキ(ウルシ科ウルシ属Toxicodendron succedaneum (L.) Kuntze)
 小葉の細い(幅が小さい)ほうから、ハゼノキ、ヤマハゼ、ヤマウルシ、ウルシの順で(学名省略)、ハゼノキは小葉の先の尖った部分が細長く伸びている形が特徴と以前書きましたが、これはハゼノキでしょう。リンネが最初に命名し、カール・エルンスト・オットー・クンツェ(Carl Ernst Otto Kuntze、1843-1907 ドイツの植物学者)が何らかの変更をしていますが、彼は世界各地の植物を自ら集め、日本を含む世界周遊の旅で7,700あまりの植物標本や民族学的資料も集めたとされます※8。彼独自の分類法は大部分の植物学者に否定され国際会議でも否定され※8不遇だったようです。
 ハゼノキは鳥が種子を散布する陽樹で、マツなどの風散布のパイオニア種と違って、とまり木(電線も)さえあれば開けた明るい土地にも生え、極相の林のちょっと開けたギャップでも生えているということがこの写真でもよくわかります。
 ハゼノキの実は言わずと知れた木蝋、和蝋燭の原料。Wikipedia「ハゼノキ」※9によれば、

「坐薬や軟膏の基剤、ポマード、石鹸、クレヨン、化粧品などの原料として利用される。日本では、江戸時代に西日本の諸藩で木蝋をとる目的で盛んに栽培された。また、江戸時代中期以前は時としてアク抜き後焼いて食すほか、すり潰してこね、ハゼ餅(東北地方のゆべしに近いものと考えられる)として加工されるなど、救荒食物としての利用もあった。現在も、食品の表面に光沢をつけるために利用される例がある。」

↓ハゼノキ 2022/6/4撮影  


↓チドメグサ(Hydrocotyle sibthorpioides Lam. (1789))
 初めて確認しました。名前のとおり古くから血止めに使われた草です。林内というより道端にあるものですが、今まで確認していませんでした。普通にあるのかどうかもう少し注意して近所の道端を見てみます。
↓チドメグサ 2022/6/4撮影  


↓山頂からの眺望
 南西方向はそのまま見ることができますが、北側の眺望は山頂の歴史館(入場料100円)に入らないと見ることができません。せっかく来たので眺望を味わうために何十年ぶりかに入りました。土曜日だから何組か入っていました。内装が木質に改装されていましたが、昔のほうが白っぽくて外光も入っていた記憶があり明るく良かったと思います。特に小牧・長久手の戦いのジオラマ模型は薄暗いところに展示され、前に椅子が並べられていて説明を聞きながら離れて見る形になっていて残念でした。北東側は、季節や天候により御嶽山も見えますがこの日は見えませんでした。
↓眺望 2022/6/4撮影 

↓南西 遠方は鈴鹿山脈か 


↓北東


↓北



(以下、後日小牧山の南や東の麓で撮影)

↓アメリカオニアザミ(APGⅢでキク科タンポポ亜科アザミ連アザミ属Cirsium vulgare (Savi) Ten.)か
 1つの茎に1つの花が在来のノアザミ(Cirsium japonicum Fisch. ex DC.)で、複数ついているのがアメリカオニアザミというのが見分けの1つのポイントのようで、だとするなら、これはアメリカオニアザミでしょうか。Wikipedia※10ではノアザミも茎の上部で枝分かれするとあるのでよくわかりません。麓の公園整備された領域の傍にありました。日本で見かけるアザミの仲間は約100種類ほどある※10とされるので難しそうです。アメリカオニアザミだとすると、ヨーロッパ原産で、外来種として問題視されています。
↓アメリカオニアザミか 2022/6/9撮影 



↓不明2種
 1つはマメ科のような感じがします。ヤマハギなのか。もう1つはアオギリっぽいですが、自信がありません。
不明 2022/6/9撮影  


↓ヤツデ(APGⅢでウコギ科ヤツデ属Fatsia japonica (Thunb.) Decne. et Planch.)
↓ヤツデ 2022/6/9撮影  2


↓ナンテン(APGⅢでメギ科ナンテン属Nandina domestica Thunb.)
↓ナンテン 2022/6/9撮影  

↓ハゼノキ(ウルシ科ウルシ属Toxicodendron succedaneum (L.) Kuntze)

 こうして見るとニワウルシ(APGⅢでニガキ科ニワウルシ属Ailanthus altissima (Mill.) Swingle)に似た印象ですが、ニワウルシの場合の奇数羽状複葉の小葉の枚数はもっと多い感じになるのと、葉の基部にほんの微かな鋸歯があります。ですのでこれはハゼノキでしょう。
↓ハゼノキ 2022/6/9撮影  


 

↓参考 再掲 ニワウルシ 2021/6撮影

 


↓ナツフジ(APGⅢでマメ科フジ属Wisteria japonica Siebold et Zucc.)
 ナツフジだとすると日本固有種です。見たことがあったと思いますが、恥ずかしながら名前を確認したのはこれが初めてです。シーボルトとツッカリーニによる命名です。
↓ナツフジ 2022/6/9撮影  


↓ソメイヨシノ(Cerasus × yedoensis (Matsum.) Masam. et Suzuki ‘Somei-yoshino’)なのか?
 以前載せたようにオオシマザクラなら先が細くなるモジャモジャの不整重鋸歯ですし、ヤマザクラなら単鋸歯なので(学名省略)、この不整重鋸歯はソメイヨシノのようです。先日登った時も林内でちょくちょく見かけましたが、ソメイヨシノなら人が導入したものなのでしょうが、このように稚樹的な枝先だけが見られるのはなぜか。ソメイヨシノどうしでは自家不和合で実はつきません。山の中に別種のサクラがあり実がつくためか、不明です。
↓ソメイヨシノか 2022/6/9撮影


↓アラカシ(APGⅢでブナ科コナラ属Quercus glauca Thunb.)
 照葉樹林の構成種ですが、そのような林でなくても幅広く見られ、植えられてもいます。ツンベルクの命名。今回の記事でツンベルクやシーボルト&ツッカリーニの命名が多いのは(今回のリンネ命名はハゼノキくらい)、やはり山に入ったからかもしれません。というのは、市中や水田などの頻繁に撹乱がある平場の特に草本類は欧米の外来種が圧倒していて、リンネによる命名の植物が多いのに対して、山のようにまとまりのある林では比較的在来のものが保全されているのかもしれないということです。
↓アラカシ 2022/6/9撮影  

 



↓シラカシ(ブナ科コナラ属Quercus myrsinaefolia Blume)
 これも照葉樹林の構成種。葉にはウラジロガシのような結石を溶かす作用があり、私にとっては非常に有用になる木です。
↓シラカシ 2022/6/9撮影  


↓イタドリ(Fallopia japonica (Houtt.) Ronse Decr. (1988))か
 いつも明るい川岸で繁茂しているのを見ており、このような林内の日陰で見ると全く別物に見えるのですが、どうもイタドリのようです。
↓イタドリか 2022/6/9撮影  



↓フユイチゴ(バラ科キイチゴ属Rubus buergeri Miq.)
 林内、林縁ならではの植物です。初めて確認しました。
↓フユイチゴ 2022/6/9撮影 1


↓小牧山南のカラス 2022/6/9撮影 
 10年ほど前まで市役所が建っていた場所(もう10年も経つのか)。場所的にはハシボソガラスでしょう。ポツポツと芝生の中にそれぞれ陣取って動かずにいます。居心地がいいのでしょうか。


↓小牧山東側の麓の公園
 以前は中学校が建っていましたが、移転し公園整備されました。
↓小牧山東側の麓 2022/6/9撮影  


↓小牧山東側の林内の様子 2022/6/9撮影 
 

(参考、引用)
※1:「イノコズチ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/3/19  21:03 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※2:「カール・ルートヴィヒ・リッター・フォン・ブルーム」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/5/19  05:45 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※3:「ヤブミョウガ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/5  22:44 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※4:「アオキ(植物)」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/1/28  14:55 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※5:「タブノキ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25  13:28 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※6:「クリスティアーン・ヘンドリク・ペルズーン」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/3/3  13:32 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※7:「アオギリ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/3/12  22:32 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※8:「オットー・クンツェ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/3/3  13:38 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※9:「ハゼノキ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/3/11  09:04 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※10:「ノアザミ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/3/20  02:09 UTC 版)https://ja.wikipedia.org

※11:「フリードリッヒ・アントン・ヴィルヘルム・ミクェル」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/9/20  10:00 UTC 版)https://ja.wikipedia.org