身近な自然観察 道端の植物 6月
6月に撮りためた写真から、道端の植物(川岸を除く)をまとめました。テーマでまとめたところ、かなりのボリュームになりました。分けるべきだったかもしれませんが、写真が中心なのでこれでいきます。
↓ヒメヨモギ?(キク科ヨモギ属)(Artemisia feddei)
いきなり、「?」からになってしまいましたが、この葉が細めのヨモギを道端で頻繁に見かけます。ネット上の写真からこのヒメヨモギかもしれないと思っていますが、どうでしょう。
↓ヒメヨモギ?
↓2021/6/8撮影
↓2021/6/9撮影
↓ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)(Phytolacca americana)
子供の頃、近所の用水路に生えていて、実を潰して路面を赤紫色に汚したりした記憶があります。
以下のとおり有毒でした。道端に普通にあるため要注意です。写真は市街地の国道の歩道のものです。
Wikipedia「ヨウシュヤマゴボウ」(※1)より、
「北アメリカ原産で、日本では明治時代初期以降に各地で繁殖している帰化植物である。」
「全体にわたって毒があり、果実も有毒である。」
「最悪の場合には呼吸障害や心臓麻痺を引き起こして死に至る。」
「果実だけを見てブルーベリーと間違って,収穫したり果実を誤食する事故もあり、注意が必要である。」「山菜の「山ごぼう」は、本種または近縁の在来種ヤマゴボウとは全く異なる、キク科に属するアザミの一種であるモリアザミか野菜のゴボウの根であり、類縁関係は遠い。」
↓ヨウシュヤマゴボウ
2021/6/14撮影
↓ビロードモウズイカ(ゴマノハグサ科)(Verbascum thapsus)
昨年も掲載しましたが、同じ場所のものです。昨年はこんなには大きくなかったように思います。おまけに周囲に実生から生えてきているものがあります。
それにしてもでかいです。市街地(郊外の高速インター付近)の国道ですが放置されています。自分の足を入れて撮った写真も載せました。二年生植物とあり、こんなにでかくなっても枯れてしまうのでしょうか。昨年見たものは下の写真の中で枯れて写っているものなのかもしれません。
Wikipedia「ビロードモウズイカ」(※2)より、
「ビロードモウズイカは、西はアゾレス諸島やカナリア諸島から東は中国西部まで、北はブリテン諸島、スカンジナビア、シベリアから南はヒマラヤまで、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアを含む広範な自然分布域を持つ。北ヨーロッパでは低地から標高1,850mまで、中国では1,400–3,200mまで分布する。」
「高さ2メートル以上にもなる毛深い二年生植物である」
「ビロードモウズイカは、豊富に生産される種子によって広がる普通な雑草であるが、種子の発芽には開けた土地を必要とするため、攻撃的な外来種となることはほとんどない。」
「日本においては、明治時代初期に観賞用として導入された。現在では全国各地に溢出し、市街地から山間部の道端まで広く見られる。」
「ビロードモウズイカは古代から皮膚や喉や呼吸器の病気などの治療に使われてきた。」
「ビロードモウズイカのエキスには、毛母細胞のもとになるCD34蛋白質を含む細胞を増やす効果があることが判明し、育毛剤に応用されている。」
↓手前の枯れたものが昨年のものか?
↓実生
↓ノイバラ(バラ科バラ属)(Rosa multiflora)
日本を代表する野生のバラ。
Wikipedia「ノイバラ」(※10)より、
「果実は営実(えいじつ)と称し、瀉下薬、利尿薬になり、日本薬局方にも記載され、漢方薬として用いる。」
↓ノイバラ
2021/6/1撮影
↓マメグンバイナズナ(アブラナ科マメグンバイナズナ属)(Lepidium virginicum)
在来種(史前帰化と考えられる)のナズナ属ナズナ(ペンペン草、春の七草の一つ)との違いは明瞭で、ナズナは早春から出ていますし、マメグンバイナズナは花や実が小さく、実の形もナズナの三角形とは違い丸く、集合的に生えているといかにも欧米風な感じがします。今の時期はマメグンバイナズナのほうを頻繁に見ます。
Wikipedia「マメグンバイナズナ」(※3)より、
「北アメリカ原産で、日本では明治時代に確認された帰化植物。」
↓マメグンバイナズナ
2021/6/13撮影
↓(アカバナ科マツヨイグサ属)(Oenothera )
この仲間の道端の花は多いです。
↓ヒルザキツキミソウ(Oenothera speciosa)
北米原産。今の時期、道端でよく見かけます。
↓ヒルザキツキミソウ
↓2021/6/10撮影
↓2021/6/7撮影
↓ユウゲショウ(Oenothera rosea)
南米から北米南部原産。先月(5月)は近隣の畑の水路で花をたくさん咲かせているのを載せましたが、6月には(花が咲くはずの)夕方に見ても1つ2つ半開きの花があるくらいの状況で最盛期は過ぎ、このあたりでは花期がとても短い印象です。
↓ユウゲショウ
↓2021/6/13撮影
↓2021/6/2撮影
↓コマツヨイグサ(Oenothera laciniata)
立ち上がるマツヨイグサに対して這うコマツヨイグサです。マツヨイグサとの共通点は花が萎れると赤くなること。
生態系被害防止外来種。同付加情報によると「北アメリカ東部原産、1910年に渡来」。
↓コマツヨイグサ
↓2021/6/21撮影
↓2021/6/8撮影
↓マツヨイグサ(Oenothera stricta)
南アメリカ原産。同じ立ち上がるオオマツヨイグサと比べ丈が低く、オオマツヨイグサと異なり花は萎れると赤くなる。花期は終わりな感じがします。
2つ目の写真は立ち上がっていますし、以前この場所の花を掲載しましたが、確かにマツヨイグサの花の大きさでした。
↓マツヨイグサ
↓2021/6/22撮影
↓ガウラ(白蝶草)(アカバナ科ガウラ属)(Gaura lindheimeri)
北アメリカ原産。宿根草(耐寒性多年草)ということで、毎年同じ場所で花を咲かせます。この写真の道路のように。
↓ガウラ
↓2021/6/12撮影
↓2021/6/10撮影
↓アメリカフウロ(フウロソウ科)(Geranium carolinianum)
北アメリカ原産。もう実がついているものを少し前に載せましたが、この時期にまだ花をつけていました。
↓アメリカフウロ
↓2021/6/11撮影 (下は少しだけ拡大)
↓ネジバナ(ラン科ネジバナ属)(Spiranthes sinensis var. amoena)
繊細な植物のようです。共生菌のことは初めて知りました。集合住宅の公共スペースにて。
Wikipedia「ネジバナ」(※4)より、
「植え替えて土中の共生菌との関係を攪乱すると、開花結実した時に養分を使いはたして枯死してしまう場合もある。」
「もともと自然状態でも個体寿命は短く、新しくできた裸地に種子がとびこんで生育し短期間で世代更新を続けている。そのため消長が激しく、造成地などに短期間で大群落が形成されることもあれば、それが数年で完全消滅してしまうこともあり自生状況が安定しない。」
↓ネジバナ
↓2021/6/7撮影
↓2021/6/2撮影
↓ウスベニチチコグサ?(キク科チチコグサモドキ属)(Gamochaeta purpurea)
見当がつかないためGoogleLensで見てみると何度やってもこれになります。アメリカ原産。
集合住宅の公共スペースにて。
↓2021/6/21撮影(ヒメコバンソウが少し混じっています)
↓2021/6/22撮影
↓ヒメツルソバ(タデ科イヌタデ属)(Persicaria capitata)
生態系被害防止外来種。同付加情報によると「中国南部~ヒマラヤ原産、明治中期に渡来し、1960年代に野生化、石垣、コンクリートの隙間に生育、河川で分布を拡大しており...」。
近隣でも住宅の日陰の場所で蔓延っています。タデ科特有の葉の黒っぽい斑紋がはっきりわかります。
↓ヒメツルソバ
2021/6/2撮影
↓クサイ(草藺)(単子葉植物イグサ科イグサ属)(Juncus tenuis)
以前も載せましたが、道端の雑草らしい風体です。以前載せましたスズメノヤリもイグサ科で、なるほど似ています。
↓クサイ
2012/6/1撮影
↓メリケンガヤツリ(カヤツリグサ科)(Cyperus eragrostis)
APG体型で、単子葉類ツユクサ類イネ目カヤツリグサ科です(※5)。イネ科もイグサ科も、このカヤツリグサ科も単子葉植物ツユクサ類イネ目に属します(※6)。湿ったところにあるはずですが、こうして乾いた道端にあり、メリケンガヤツリではないのでしょうか。しかし、姿はどう見てもメリケンガヤツリに見えます。
生態系被害防止外来種。同付加情報によると「熱帯アメリカ原産、1959年に渡来」。
↓メリケンガヤツリ
2021/6/10撮影
道端(水田近く)
↓ミゾカクシ(キキョウ科)(Lobelia chinensis)
初めて掲載する植物です。文字通り、水田の水路横に生えていました。
Wikipedia「ミゾカクシ」(※11)より、
「田の畦に筵を敷いたように生える様子からアゼムシロ(畦筵)ともいう。」
「中国医学では漢方薬の基本となる50種の薬種の一つである。」
↓ミゾカクシ
2021/6/21撮影
↓ヒメムカシヨモギ(Erigeron canadensis)かオオアレチノギク(Conyza sumatrensis)(いずれもキク科イズハハコ属)
どちらになるのか判別は今のところ諦めています。ヒメムカシヨモギは北アメリカ原産で明治時代に帰化が確認され、オオアレチノギクは南アメリカ原産で昭和初期からの帰化。当たり前のように存在しますが、江戸時代にはありませんでした。
↓ヒメムカシヨモギかオオアレチノギク
2021/6/21撮影
↓アメリカセンダングサ(キク科)(Bidens frondosa)
水田近くに当たり前のように普通にありますが、昔は無かったものです。
生態系被害防止外来種。同付加情報によると「北アメリカ原産、1920年頃渡来。種子の寿命は16年に及ぶこともある。水田雑草として、イネや水辺の希少種と競合する。」。
↓アメリカセンダングサ
2021/6/21撮影
↓ノボロギク(キク科キオン属)(Senecio vulgaris)
「越年生または一年生の広葉雑草」とあり(※7)、越年生は秋に発芽し翌年春に開花結実し枯死(冬型の一年生)、一年生は1年以内に開花結実枯死するものということで、昨年晩秋に見て掲載したものは越年生だったのか。
Wikipedia「ノボロギク」(※7)より、
「世界中の寒冷地 - 亜熱帯に分布する。日本では明治初期にヨーロッパから入り..」
↓ノボロギク
2021/6/2撮影
↓ホトケノザ(三階草)(シソ科オドリコソウ属)(Lamium amplexicaule)
2月のまだ寒い時期から花を見ており、もう時期は終わったと思っていましたが、この時期に再び見かけました。調べると花期は3~6月とあったのでありなのでしょう。春の七草の仏の座(コオニタビラコ)とは別物です。
↓ホトケノザ
2021/6/2撮影
↓ノボロギクとホトケノザ
2021/6/2撮影
↓ウサギアオイ?(アオイ科ゼニアオイ属)(Malva parviflora)
Wikipedia「ウサギアオイ」(※8)より、
「ウサギアオイの葉抽出物は抗炎症性、抗酸化作用を持つ。」
↓ウサギアオイ
2021/6/2撮影
↓ハハコグサ(キク科ハハコグサ属)(Gnaphalium affine)
春の七草の一つ、御形。越年草なので、そろそろ花は見納めなのでしょうか。
Wikipedia「ハハコグサ」(※9)より、
「若芽は食用になり、七草として粥に入れたり、餅に混ぜて草餅にする。また、薬草として咳止めや去痰の薬用にも利用できる。」
↓ハハコグサ
2021/6/2撮影
(おまけ)
↓夕日と水田
2021/6/5撮影
※1:「ヨウシュヤマゴボウ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/6/18 13:33 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※2:「ビロードモウズイカ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/4/24 10:11 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※3:「マメグンバイナズナ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/4/26 10:14 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※4:「ネジバナ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/6/8 12:29 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※5:「メリケンガヤツリ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/2/20 17:43 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※6:「イネ目」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/4/20 06:45 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※7:「ノボロギク」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/4/26 10:17 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※8:「ウサギアオイ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/19 20:50 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※9:「ハハコグサ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/5/10 09:38 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※10:「ノイバラ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/2/5 23:16 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※11:「ミゾカクシ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/3/20 11:47 UTC 版)https://ja.wikipedia.org