身近な自然観察(続き) 繁茂するもの


●「桑の木」は至る所に
 このあたりでは、アカメガシワ、センダン、ナンキンハゼなどと並んで、というよりも私の住む近辺では観察するほどに、これら「木本でありながら雑草のように至る所に生えている」植物として圧倒的に「桑の木」であることに、このブログをやり始めて気がつきました。道端、用水路の土手、小さな水路の脇、たくさん見つけました。桑の実を食べた鳥が運んでいるのでしょう。(財)日本野鳥の会「野鳥により種子散布される樹25種」によれば、ヤマグワの種子散布に貢献する鳥には、ハシブトガラス、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、ツグミなどがあります(※1)。これだけ身近な鳥が関係すれば、至る所に生えてくるのも当然でしょう。クワの次に多いのがアカメガシワですが、針葉樹人工林での研究ではヒタキ類(ジョウビタキなど)、コゲラ、ヤマガラ、メジロなどが種子散布者となるようで(キジバトは消化してしまい種子散布に貢献しない)(※2)、この近辺ではジョウビタキは季節になればたまに見かけますが、私自身がヤマガラやメジロを見かけたのは10年に数回程度と少ないです。

県道の歩道↓
写真2020/7/8


用水路の土手↓
写真2020/7/8


小さな水路脇↓
写真2020/7/8




●やはりセンダン
 センダンも鳥の種子散布で広まります。ネットで「センダン 種子散布」と検索すれば、ヒヨドリがたくさん挙がってきます。やはり、鳥が種子散布する木は広まるということです。ただ、この数十mくらいのところに実をつけるセンダンの木があります。
写真2020/7/8




●オオアレチノギクかヒメムカシヨモギか
 この2種の違いを説明したサイトは沢山ありますが、なかなか難しいです。毛の違いが書いてありましたが、独学で判断は難しそうなのでそれ以外で、オオアレチノギク→葉が厚い、灰緑、ヒメムカシヨモギ→葉が薄い、黄緑、根生葉の主脈が紫を帯びる。ヒメムカシヨモギは北米原産で明治維持の頃渡来し、オオアレチノギクは南米原産で1920年頃から広がっていったらしいです。花はかなり違うので花がつけばわかるかもしれません。前回の「似たもの同士の識別は難しい」の続きです。この草が繁茂する光景は明治以前には無かったということです。




●コマツヨイグサ
 北米原産で、オオマツヨイグサと違い花は萎れると赤く変化します(※3)。
写真2020/7/8




●アレチヌスビトハギ
 北米原産のマメ科植物ですが、草本では「至る所に生えている」植物の一つとして目立ちます。センダングサのように先端が三つ葉になっていますが、葉の形が独特です。
写真2020/7/8




●マツヨイグサ?タコノアシ?とセイタカアワダチソウ?
 左の細いほうが、マツヨイグサかタコノアシか。タコノアシは湿気のある場所で、準絶滅危惧種なのでおそらく違うでしょう。右はセイタカアワダチソウでしょうか。
写真2020/7/8




●オシロイバナ?
 Googleレンズはオシロイバナと言っています。確かに葉の色や若い葉の付き方はそんな感じがします。場所を覚えていられたなら、花がつけば答えがわかります。
写真2020/7/8




●コトネアスターとヒメジョオン?とベニシジミ(春型)
 ベニシジミは色が薄いというか黄色味の橙色っぽいので春型なのでしょうか。白い花はヒメジョオンでしょうか。
写真2020/7/8




※1:公益財団法人日本野鳥の会「野鳥により種子散布される樹25種https://www.wbsj.org/activity/conservation/research-study/greenfund-seed-dispersal/greenfund-20trees/
※2:佐藤 重穂, 酒井 敦「針葉樹人工林におけるアカメガシワの種子散布者としての鳥類」 日本鳥学会誌2005 年 54 巻 1 号 p. 23-28
※3:「コマツヨイグサ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/2/29 16:57 UTC 版)URL: https://ja.wikipedia.org


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