第一話「怪奇」②

「私はアムスと、申します。貴方は?」



「不知火…蒼龍だ。」



アムスは首を傾げ、



「日本人なのですか?」



「そっちの血の方が強かったんだな。」



「で…本日ですが、お見逃しということは…」



「無理だな。」



 俺は、こいつらを帰す気などなかった。



「おっと、皆さん申し訳ない…場所は変える、申し訳なかったな。」



 俺は、周りの人々に謝罪し、アムスに手を掲げる。



「また、後でな。」



 僕は念じ、上空にアムスを吹き飛ばした。



「さて…」



 そして、隠していたキューブを展開させ、槍を選択した。



俺のキューブ、無限の武器庫。



 能力は武器を召喚するくらいだ。それ以外の変わった技などはない。



 しかし、攻撃ができる武器は、ありとあらゆる物を召喚できる。



「久しぶりの実践か…まぁいいだろう!」

  
天へと飛び上がり、瞬時にアムスの眼の前に現れた。



「死にたくないならいくつか答えろ…お前らのアジトはどこだ?」



「知りませんねぇ…」



「そうか。」



 形状が、槍から、ハンマーに変化した。



 そして、風を集め、振り回す。アムスは防御をしてみせたが、即座に背後に回り込み、無効化させた。



「貴様は、結界で攻撃が当たらないと思っているが、残念だ。」



「なんだと?」



「悪いが、これは、対魔術の術をかけてあるから、防御は不可能だ。」



「な…!」



「人類は天を駆けることなどできない。俺も、お前もな…



 だが、落ちるのは、お前

からだ…じゃあな。」



打!



全力で背中に強烈な一撃を打ち込む。



あまりの衝撃で、すぐに落下せずに、一時停止し、少しすると物凄い速度で落下を開始した。

 
人がいない荒野の果てに飛ばし、そして、爆発させた。



何度も、何度も。



「死んだか…さて、次は…」