阿☆彡良☆彡す☆彡じ
孤高の剣士、不知火蒼龍は一人旅を続けていた。
そこで、謎の団体と対峙することとなる。
そこの人たちは、奇怪で、奇妙な技を使用するものだった。
第一話「怪奇」
俺は、なんなのだろうか。
なぜ生まれ、なぜ今も生き続けているのか…
名は不知火蒼龍。
あの、謎の新参者とかの…未咲といったか…そいつと出会う五ヶ月ほど前だ。
俺は剣術を学び続けて十年以上だ。あいつよりも勝っているはずだ…
まぁ、そんな愚痴などするために、語りかけているわけではない。
今日、教える話は、あいつ、未咲魔火斗と出会う前から始まり、出会い、二度目の出会いまでのお話だ。もし、気がむいたのなら、話を聞いて欲しい。
五か月前、俺は、科学側本拠地が置かれているアメリカを事由気ままに旅をしていた。軍属だが関係ない。もし、用があるのなら、近くの基地に寄ればいい。
俺所有のモーターバイク、SS/1000ccだ。しっかりとメンテを行なっていたため、新品同然の変わらない速度だ。
荒野を駆ける。
「ち…この辺りには宿屋一つないのか…」
正直、俺にとって、魔術との戦争などどうでもよかった。不知火家と縁がない俺にとっては、何故、調和できないのかが疑問だ。
別に、協調してもいいだろうに。
そうしていると、眼の前に、小さな街が現れた。
「やっと街か…少し早いが、今日はここで休むか…」
近くの宿の前にバイクを置いた。
盗まれないかって?
問題ない。無論として、GPSは付いているし、とったとしてもすぐにわかる。
飯は、先の荒野で調達してきた。品が良いとは言えないが、食べれさえすればいい。
「時間も時間か…まだ、買出しにでも行くか…」
宿の古い木製の扉を開け、外に出た。
小さな町とはいえ、市場はよく、発展している。ある程度のモノは揃う。
住民が互いに行き交い、交流している光景は、悪くない。
突如とし、人々がざわめき出した。楽しそうな物ではない。
何かに怯えた、そのような様子であった。
「なんだ?」
見たことのない兵士たちが道を空けろと叫ぶ。
剣を振り回しながら言うのだ。十分な恐喝だ。
「そこの貴様! お前だ! どけ!」
俺にそう、命令してきた。
「その装備…魔術側でも科学側でもないな…お前ら…自警団か何か?」
「黙れ! 今から我が主がお通りになる! 殺されたくなければそこをどけ!」
「ほぉ…俺を、殺す?」
「何ですか…五月蝿いですね…」
「おお! 我が主!」
さっきまで俺を威嚇していた兵士が、急に駆け寄った。
「見るからに…盗賊団か違法武装隊に見えるが…違うか?」
違法武装団、この国では、ちゃんとした目的と、人数を報告することで、部装団を結成することを許されている。
彼らはきっと、申請などしていない輩だろう。
「そういう貴方は…軍属の方で?」
「まぁ、形だけどな。」
そう言うと、男は懐から、紙を取り出した。
「これが、交通許可証です。もし、私たちがその、野暮な団体ならば、発行してもらえる訳はありませんよね。」
「ま…そういえばそうだが…ちょっと悪いが、最寄りの基地まで同行願いたい。すぐ終わるし、幽閉もしない。」
「何事ですか! スクリッド様!」
市場のどこかから、何やら武装されており、髑髏の面を装着した男が現れた。
「アムスですか…いやはや困りました。少し、お願いできますか?」
「はい…御心のままに…」
スクリッドと呼ばれたその男は、アムスという部下を残し、兵を引き連れ、人ごみに逃げていった。