新作3DプリンターのA管(都山流の2尺3寸管)のUV硬化レジンプリンターのテストプリントが終わりました。

修正を想定していた指穴位置ですが

かなり移動が必要です。初回テストプリント品は作業での孔移動は必要な作業で、正しいデータを探ります。

やみくもに孔移動させるのではなく、今後の確認のため、移動距離の計算式を作ってみました。

 

1、目的の音との差を測定

気温の影響を受けますから、同じ室内に置いておいた、信頼のおける基準楽器と比較も必要です。チューナーの目盛りから、何セント上下どちらに移動させるか、測定します。周波数ではないのでご注意を。

 

2、移動長さ計算

移動させたい指孔の位置計算をします。近似値の計算式を整理しておきました。

考え方は、移動させたい孔の本来の周波数の1/2波長、と、移動させたい半音先の音程周波数の1/2波長、の差をとり、修正セント/100を掛けると移動させたい長さの近似値が計算できます。1/2波長にするのは尺八が1/2波長共鳴管だからです。

私の考えでは

 

孔の移動距離㎜=シフトするセント数×170×(1/調整したい孔の高さの本来周波数ー1/上げ下げしたい半音先の周波数)

 

で計算できると思います。

平均律周波数表を乗せておきます。右端が周波数です

例えば、D=西洋音階のレ=尺八楽譜の乙ロ=壱越 どれも、平均律周波数293.665Hzです

計算例では

 

ツの音を20セント高くしたいときの、第2孔の移動距離は

 

E周波数329.628  半音上のF周波数349.228 シフトするセント数20

の条件で上の式に沿って計算すると

 

移動距離=20×170×(1/164.814 - 1/174.614)

 

結果は約 -5.8 で

歌口方向へ約5.8㎜穴を移動となります。結果の+-は気にせず、音を上げる時は数値分孔を歌口方向へ、下げる時は菅尻方向へと考えてよいです。

 

今日、3Dプリントした試作2尺3寸管(A)管の孔全部をこの計算式結果で孔移動させたところ

ほぼ計算通りだったので、対数計算をしないこの式でも。大きな間違いはないと思います。

経験と勘でやって来たことも計算の裏付けがあれば進めやすいですね。

 

長管の計算用にオクターブ下の周波数表も載せておきます。