アルミ尺八 グラスファイバー尺八 他非竹尺八らの持っている宿命として

「竹の尺八以外で本来の尺八の音が出るはずがない。」

と思う人が多いことと、

「伝統的な演奏会では、竹以外の尺八を使う事は場に合わない。」

という見方が根強いのと、

「演奏の依頼者やスポンサーが好まない場合がある。」

こと。

自分では素直な性格と思っている私も、演奏者として、演奏に使う楽器だけは自分で選びたいものです。

金管楽器の演奏者がマウスピースをこれを使えと他から言われることはありえないし、サックスやクラリネットのマウスピースやリードを指定されることも初心者以外では考えられない。

尺八も同様で、いろいろ気軽に持ち替えて演奏しているようでも、曲やホールの大きさや、マイクの有無、お客様の様子で楽器は選びたいのです。

正直、意地を張ったわけではないですが、演奏の機会をそれで失ったこともあります。

自分なりに、古曲は地なし管に近い5孔、本曲は必ず5孔、宮城曲は竹尺八、映画音楽やクラシックは曲に応じて7孔も使い音色が曲に合うもの。ポップスでアクセントとリズムが明確、客が乗っている時は何でもあり・・の判断は持っているつもりですが。

でも、スポンサーの意向と邦楽界のしきたりだけは無視できないことが多いですね。

私は使いませんんが、プラスティック管の悠だけは、例外的に舞台で使うことがあっても、責められないようで不思議です。長期間のベストセラーで、入門用として定着し、そこそこの性能も安定しているのが知られ、「早く竹尺八を買いなさいよ」と励まされる雰囲気を感じます。

エアリードXはそうはいかない。ザックジンガーさんに言わせるとフェラーリだそうで、敵も多くなる。場を考えず鳴らし過ぎると反感も買う。

 

話がそれました。

かなりうまくいった今回の3D尺八の演奏機会を増やすには、外観をできるだけ竹に近づけることを思いつきました。

市販されている3D尺八も遠くからみればわからないように仕上げてありますが、舞台最前列でもわからないものを目標に、いろいろやってみました。

昨夜体調不良で寝込んでいましたが頭の中では、FUSION360で尺八の菅尻がデザインできないか、方法を考える。

知っている機能が少ないので、方法は遠回りでしょうが、深夜に布団からはい出し試していました。

竹の重なり、生える角度、カットの角度、整然とし過ぎないようランダムに乱す・・・・いけるかも。孫の誕生日会前に頑張ってみました。

ではテストが終わり本番。

下駄をはかせた状態で、根二つ分を斜めに配置 これに時間がかかる。

あとはボディーの移動、コピー機能を使い、倍々に配置していく。真上から見て根一つで移動角10度。一周36本。

一周したら下駄の部分はカットして、根っこ部分の出来上がり。

節は雰囲気で曲線を書く。小指孔は節の斜面配置し塞ぎやすいように。

本体が細いのは、オリジナルエアリードと同じにしないと、ピッチと鳴りが変わるからです。

音には関係ないけれど、使用機会を増やすための策でした。似せられるかをやってみたかったです。

竹といいはれるかどうかは、最後の仕上げの着色にかかっているでしょうね。

ところで、菅尻を少し曲げて本物らしくしたかったのですが、FUSION360ではその機能がないようです。

パイプを曲げて変形するスイープ機能は今回のように内径微調整には向きません。

「先生、Solidworkというソフトを使えばできますよ。そこだけやりましょうか・・・」とプーリー君、

「いや、いいんだ」となぜか意地をはる私でした。

 

どうも三半規管が弱いようです。軽いメニエル?明日も無理は避けます。

来週はカナダからの若者、レアム君をいろいろ案内せねばね。