ルッキズムという言葉があるそうです。

人や物を、外観や印象、それから来る固定概念で判断してしまう事だそうです。無意識の差別にも繋がってくる。

肌の色、着ているもの、身長、肥満度、髪型、外観上の年齢・・・

そういった物にとらわれ過ぎず、内面の本質で判断するように、とよく言われます。

近年、外観を褒められたことない私としても、行動的に本当にそうありたいと思うのですが、人間95%は見た時の印象ですべてを決めてしまうようで。

ウェブページ検索ページのトップは、半分が、〇〇やばすぎセクシー。目が点に・・・と誰かの服装と容姿の記事ばかりです。

動物は本来、敵か味方か、安全か危険か、食べられるか毒があるかを本能的に判断し、子孫を残す相手にふさわしいかの見極めも最初はそこからの判断でしょうから、しょうがないか。

人間も動物で、自分もそういう見方をしてしまうという意識を持つ事が、スタートかな。

 

話は変わり、光造形3Dプリンターでの部品を手渡されました。

まずは、音の鳴りを確認したい。

歌口との接合部分はすこしゆるすぎた。アルミ箔テープで調整。

他のジョイントは、クリアランスが直径で0.1㎜は少なすぎ。光造形でも0.15㎜位はあったほうがよいようです。

バージョン2からは変更。

すこしづつジョイントをサンドペーパーで削ります。これは想定内。

合体!

いそいそと吹いてみたら、とても良いです。

オリジナル331Dと比較しても、吹奏感は非常に近い。

でもこれでは、いくら高性能でも塩ビ管にしか見られない。ルッキズムの亡霊

歌口内部を削り、さらに自分の理想に近づける。ここの調整は大きいです。

内側を研磨し、滑らかに。

内部全体も均一にすこしだけ内側表面を仕上げます。

2000番のサンドペーパーで軽く仕上げるだけ。柔らかくすぐに粉状になるため削り過ぎは寸法が変わります。

どんどん良くなってきました。外観上いつも抵抗なく舞台で使えるよう、竹風の色で仕上げようか・・とも迷いましたが・・・・

 

ルッキズムの話に戻ります。

今回はエアリードX331Dのデッドコピーを目指しますので、外観も近づけることにしました。

アルミ色にしましょう。

表面は多角形のマシンの動きの跡が残っています。サンドペーパーで根気よく削る。

 

今回はカインズ200円スプレーでなく、600円代の三倍高価なものをおごりました。私としては奮発。

塗っては乾かす。これは垂れにくく塗りやすいスプレーです。アルミ風に変身!

内側に紙をいれておくと、内部に塗料が回り込まない。

五平餅のように乾かしながらMakoさんの店にビートルズ和楽器楽譜を届ける。

うっかり財布をここに置きわすれ、ラーメンを注文してしまった、かえって迷惑かけました。

駐車料金も借りないと車が出せない・・・・トホホ ポンコツな私。頭の中は尺八製作ばかりばだな。

作業場に帰ってからチェック。一度色を塗ると問題点が見えやすい。サポート材の跡や

加工時付けてしまったった傷が無くなるまで研磨修正します。

再度丁寧に塗って完成!

光沢のある方がオリジナル331D 右が今回の複製品

 

メリカットが無いのは最初から7孔想定だから。

今までで一番クオリティーの高い3D尺八となりました。

光沢以外はそっくりだ・・というのはルッキズムの外観だけの話

内容の事です。

改めてオリジナルXの完成度の高さを思い知らされました。吹奏感は全く同じではありませんが

個別に吹くと差は気付かない範囲だと思います。

攻めて吹いた時のアルミ特有の輝きのある倍音は、マイルドになる点で差が出ます。

一番の差は重さ。

横ユリの時、あごで感じる楽器の慣性がまったく違います。

なにより軽くて疲れないのが良いですね。

反面、ジョイント部分は弱いので扱いの覚悟がいります。

 

「定価40万円に近い物ができるならば、作ってもらえないか。」と言われそうですが、ご辞退させていただくつもりです。

あくまでも個人の研究用。クローンはできませんが、仮に同じものができたとしても、それで利益を上げたり、世の中に出回っては、お世話になっているオリジナル開発者の泉州さんに顔向けできませんから。測定データの扱いも私止まりとさせていただきます。

見てみたいという人には、要請があればコンサート後に試奏をどうぞ。

 

次回コンサートは7月7日七夕コンサート、春日井西部ふれあいセンターです。市の主催で無料。