ベトナムの一弦琴ダンバウの練習をはじめてみました。

ダンバウはベトナムの代表的な民族楽器です。

ハノイ初日の水上人形劇場の伴奏者のレベルの高さには驚いたが、一番前のダンバウ奏者はひときわ目立っていました。

弦は一本しかなく、フレットもないのに、その音程の良さが不思議でした。

奏者のテクニックによるのでしょうが。

いろいろ調べつつ、現物で練習したら、だんだんわかってきました。

この楽器は基本的に開放弦の音を使いません。

ギターや筝のハーモニクス奏法は特殊な奏法と思うのですが、この楽器はすべてハーモニクス奏法が基本のようです。

弦の中央部1/2の所に右手小指の付けねを軽く触れさせて、中指、もしくは薬指、もしくはピックでポイントの左側をはじき上げる。弾いてすぐ小指付け根を外すと開放弦の正確なオクターブ上が出ます。

同じように、1/3ポイントで5度上、1/4ポイントでオクターブ上・・・といった具合に音程的には正確に音を出せます。

※画像はダンバウの説明をされているページより借用しました。

では、簡単かというと、これが難しい。

弦のポイントを指の付け根で軽く触れ

弾き上げてから

手を離すとハーモニクスの持続音が出ます。ピックアップで増幅するのでエレキギターのような持続音が可能です。

しかし、この順番が狂うと、開放弦の音が強烈に出てしまい自分が驚く。

無意識にこの手順が踏めるようかなり練習がいります。

小指のポイント位置は手で隠れて見えなくなるので、ピックで弾く位置に仮の印を付けてみました。

手の大きさは一定なので、ほぼ小指がポイントに行きます。

うまくヒットすると、開放弦をドとするとオクターブ上のド、ソ、ド、ミ、ソまでは、正確な分割振動の音となります。

それ以外の音は

左手を添えた棒をしならせて、一時的に弦のテンションを変え、音を作ることになります。

テンション変更で上下4度くらいは変更できるので、各音がすべてカバーできることになります。

理屈はわかっても、実際に曲を弾こうとすると、とても無理無理。

プロ演奏家の正確な音程感には驚くばかりです。

ある意味他の弦楽器と違い、気中の共鳴の尺八とよく似た所があります。尺八の合間に、少し練習を進めてみましょう。

単音ですから尺八楽譜や五線譜メロディーを慣れれば追うことができるようになると思います。

開放弦の張力チューニングで移調もできますし。

物理の実験でモノコードの共振実験器具がありますが、まさにそれを楽器にしたような物でした。

昨日作った竹のピックバーで今日帰ったら音出してみます。

今日は3か所で演奏や練習や指導があるので、帰宅は遅くなりますが。