ちょっといろいろな事が一段落しましたので、映画、オッペンハイマーを一人で観てきました。
久々の映画館
日曜日ということもあり、駐車場もいっぱいで、混みあっていましたが、
オッペンハイマーのような映画は家族連れもなく、看板もない。ほとんどのカップルや家族が、ドラえもん、コナン、他のスクリーンの部屋に入っていく中、地味にマニアックそうなカップルや一人鑑賞しようとする人に混ざって鑑賞しました。
お決まりのこれを持って。こういう映画は一人で観るに限る。
オッペンハイマーは世界で初めて原爆を作ったチームの責任者です。
ある程度の予備知識はNHKなどの番組で知っていたつもりですが、映画の作りそのものが複雑で難解だった。
シーンが時系列でなく、カラーとモノクロのこまめな切り分けで、時代が行ったり来たりする。最初はそれについていけませんでした。
ある程度の時代背景の予備知識があると整理できます。
〇当時の原爆開発国際的状況
〇ヒトラーの動きとドイツとの開発競争
〇研究所の情報漏洩管理とソ連の動き
〇アメリカ国内での戦後の赤狩りの状況
〇研究者間での欲望と罠
〇開発者の手を離れた後の原爆使用の権限
〇原爆開発と並行して水爆の構想も理論的に確立していたこと
〇戦後の諮問委員会と水爆開発に反対するオッペンハイマーおろし
そのあたりを整理してみると、今からなら理解して見られそうです。
これを読んでから、もう一度観ると見方と理解が変わるかな↓
オッペンハイマー 特集: 【ネタバレ解説・考察】尋問の目的は?あのキャラは誰?これを読めば物語がもっと“わかる” (3) - 映画.com (eiga.com)
思ったより、技術的背景や研究者たちの開発の苦悩が中心ではなく、社会的背景や人間関係模様が中心でした。
理論上、大気連鎖引火で全世界の空気が燃焼し地球滅亡の可能性がゼロではないとされる段階での、第一回の爆発試験を行ったことは知らなかった。
「日本人は見なくても良い」
などという評価もネットで見られますが。開発当時から戦後のオッペンハイマーの扱いまでよく描かれていたと思います。
オッペンハイマーとアインシュタインが要所で顔を合わせるシーンは作り事かとも思ったが、かつての同僚で周知の中だったようです。
光の当たる部分だけでなく、アメリカにとって影の公開されたくない部分まで丁寧にあぶり出している点で、アメリカ映画のすごさを感じました。主観を持って脚本されているでしょうが、膨大な客観データーの元に作られた感があります。
何にしても、長編大作で、特に後半は引き込まれっぱなしでした。
初回爆発試験の様子はリアル。日本の広島、長崎の惨状の映像はあえて触れられていませんでした。
ある程度整理できた今、もう一度見に行ってもいいかな