世の中、クリスマス一色ですね。街はイルミネーションとクリスマスソング。
若者たちは、意中の人に24日の事を、どう声を掛けようか頭はいっぱいでしょう。
クリスマスパーティーはだれを呼ぼうか・・。
「そもそもクリスマスは誰のための何のお祝い?」
なんて、質問は野暮な話にすらなってしまいましたね。
私が、最もクリスマスを感じる時は、南山大学のスコラ・カントールムという聖歌隊のコンサートのお手伝いをすることです。私にとってはワイワイ騒ぐより、ズーッと本来のクリスマスなのです。
あ、私はクリスチャンではありません。いつかは虚無僧を目指し、尺八の修行?をする私はいくらバロック音楽が好きでも、クリスチャンになれません。
昔、隠れキリシタンの虚無僧がいて、人知れず十字を切り、尺八で忍びの賛美歌を吹く者がいたとしたら・・。本気で後を追いましょう。
クリスチャンの方や神父様に公私共に世話になることが多く、ずいぶん助けられました。そういった方々に対し、自分のできることで力になれればと、本気で考えています。
前日の夜、マイクとレコーダーのチェックをします。
マイクはC38Bの出番です。前日から電圧をかけ、乾燥環境でノイズ対策をします。
大きなファンタム電源で動作確認。何とか行けそうです。大げさな器械が好きで困ったものだ。
当日の多治見の修道院。ベースの棚ちゃんがここで結婚式を挙げましたね。
いつも、神言神学院でコンサートをなさっている南山大学スコラ・カントールム(以下南スコ)は改築工事のため、今年に限りここで定期演奏会です。
午前のミサが終わったところです。
美しい聖堂です。ここでコンサートがあります。
今日は演奏ではなく、レコーディングスタッフとして働きます。
後ろにはパイプオルガン。声とのバランスをうまくとれるか、やってみなければわかりません。
やや目障りですが、ここにマイクをセットしました。昨年よりは、やや演奏者よりです。神学院のコンクリートの残響とちがい、木と漆喰の反射音となります。
結果的には、とても気持ちの良い残響が得られました。後部のドーム状の空間が凹面鏡のような働きをして、気持ちの良いディレイのかかった音がマイクに返ってきます。
最前列で機器セット。ワンポイントに近い録音で、できるだけナチュラルな方法をとります。
不平衡のコードなので、長距離にするとノイズが乗ります。最短で録音。
このゼンハイザーのヘッドホンは好きです。YMOも使っていたかな。以前のスタジオミュージシャン御用達。
最近方CH不調なことがあったので心配です。コードを固定。
リハーサルで、録音レベル設定。ソプラノの女性のパワーが思ったより大きいです。
指揮者の西脇純教授。力が入ります。そう、リベルタのフルートの西脇良教授と双子
どっちも、大学の先生、神父、音楽の専門家、声では判別不能、性格と髪型は違います。
今年の仕上がり、すばらしいです。
マリア様も見守る
二日目の今日も満席
コンサートは、すばらしい演奏でした。私はスタッフなので、そのつもりでノイズチェック、クリップチェック、バランスチェックに気を使っていたのですが・・。後半は聴衆気分になってしまいました。
マイクのC38Bが最高の音で拾ってくれています。ハーモニーが決まると、背筋がゾクッとするくらしい。ノイマンのU87がなくても、これで最高と思える録音でした。
向こう側は、アナウンス担当の女性。2部が終わった時に涙ぐんでみえたような気が・・。でも直後は素晴らしいアナウンスをされていました。OBの方か関係者でしょうか。
第三部途中・・いけません。私も最前列で涙が出てきました。心が揺さぶられます。
アンコールの時、涙だけでなく、私の鼻水をすする音がC38Bはしっかりとらえました。
おじ(い)さんが出演者の女性の真ん前で、顔をグジョグジョにしているのです。(私のこと)。いい演奏でした。プロの演奏では感じない、ひたむきさ、全パワーをワンチャンスに注ぐ若者たちに心をえぐられます。ここ何年も演奏を聴いているのですが、今年は特によかった。
邦楽の演奏会でここまで、揺さぶられたことはないなぁ。吹奏楽でも十年以上体験しいていません。
最後にみんな揃って撮影。
全員、やりきった晴れやかな笑顔です。
良い演奏なだけに、録音トラブルがなくホットしています。この演奏CDは、家で本気で聞きたいなあ。(こんな思いになることはそうありません)
機器を片付け、西脇教授にデーターを渡し帰ろうとすると、学生さんの前で最後の挨拶をということになりました。
「うまく入っていると思います。得意な人でWAVファイルを分割してCD作って、5000円で売ってください」(笑)
「皆さんこれからの人生でつらいことに遭遇したら、このCD聞き、演奏とメンバーを思い出せば乗りきれますよ。」
(笑、影の声・・部外者のあんたに言われなくても・・)
「白状します。最前列で泣いてました」
(知ってるよ・・)
なんで臭い話をしても、笑顔のすばらしいみなさんでした。
ソプラノのソロのあなた、最後に感極まって声が震えているのを乗り切りましたね。わたしもそれを見て、やられました・・。
みんなよい若者でした。本気で、この演奏は歌っている全員が、恋人や、未来の子供に自慢できるCDになると思って、気合をいれて録音しました。
南スコのメンバーは和楽器講座と同じロゴスセンターで練習しています。和楽器のメンバーは、こんな心を打つ演奏はまだまだできません。がんばっていきましょう。
最高のクリスマス前コンサートでした。ありがとう。
CDの完成楽しみです