このブログを見て郵政カブに興味を持った方。(まずいないか・・でも中にはあるかも)

そして、中華エンジンを自分で乗せ換えパワーアップしたい人(もっといないか・・)のため、経験したことから注意点をまとめておきます。

 

1、郵政カブの入手方法

最近の郵便屋さんでMD50、MD70、MD90に乗っている人は少なくなりました。新聞配達用のプレスカブ(がごの前とハンドルの上の両方にヘッドライトがついているもの)か、スクータータイプにシフトしています。郵便屋さんに言わせれば、「MD50.90は最高で、プレスカブの方が配達しにくい。」と言われる人が大半だそうです。生産中止をしたので、止む負えないことですが、あと3年ほどで、MDに乗る郵便屋さんの姿はなくなることでしょう。

しかし、MDシリーズは40年間改良を加えられ、あらゆる要望を凝縮した乗り物です。日本中で一番たくさん、走り回っていたバイクです。乗って良さの分かるバイクで、ハーレーのように一目はひきませんが、最高の道具であることには、変わりありません。

入手方法は、郵政カブ専門の整備業者(http://suzurin.jp/)ならばOKですが割高です。オークションをこまめにチェックするか、オートバイを専門とする中古業者の中で情報を集めるしかないでしょう。ミスター○○○とかの大手ではなく、郵政省払い下げ品をまとめて引き受けている業者が見つかれば可能性が出てきます。扱っている所は数百台単位で、海外へ中古部品として輸出しています。郵政民営化以前ではありえなかったルートですね。

郵便局としては、5年あるいは4万キロ程度走ると廃棄対象になります。その中で程度の良い物を探すことになります。

○郵便課より貯保課で使用したバイクの方が摩耗が少ない。

郵便課は文字通り配達に酷使されています。貯保課は職員の移動用ですから走行が少ないです。違いは、記載記号と荷台の大きさです。

○黒スプレーで汚れていたら、まだだれの個人所有にもなっていない(中古のバージン?)

郵便局は郵政バイクが見分けのつかない状態で一般に使用されることをきらいます。しかし、郵政民営化に伴い、廃棄備品から利益を得ることは必須です。自衛隊なら、機密保護のためにも、すべての乗り物は切り刻んで原型が分からないよう処理をするのでしょうが、郵政バイクは廃棄前に黒スプレーで丁寧に汚し、海外へ数百台単位で売却するルートをえらんでいるようです。もし黒スプレーで汚れた郵政バイクがオークション等で表われたら、払い下げ直後のバイクと思ってください。探している人は「買い候補です!」

私の場合は、黒スプレー郵政バイクを知り合いの自動車修理工場で見つけました。工場の方が知り合いのバイク屋さんに頼まれ、3台ほど持ち込んでいたのを発見しました。仕事帰りに毎日寄り、シンナーと布で洗浄し、約10日ほどで真っ赤にもどりました。なぜか楽しい作業でした。

○エンジン乗せ換えを考えるならばMD90は避ける

MD90は他のスーパーカブとエンジンの固定部分の寸法がちがいます。エンジンそのままをそっくり乗せ換えるのには適しません。MD50は特殊な郵政バイクでありながら、エンジンマウント部分は他のカブと同様です。中国製の安価で大排気量の新品互換エンジンが乗ります。MD50でもシャーシの強度は全く問題ありません。

 

2、郵政カブの個人使用

○個人使用であることが必ずわかるようにする。

郵便配達業務に携わる方が、迷惑をこうむることを避けるよう配慮します。暑い日、郵便局員が自動販売機で水分補給をしていただけで、お叱りの電話が管轄郵便局に入ることもある時代です。色を変える、個人使用のプレートをどこからもわかるように付ける、バッテリーカバー・レッグシールドの色を変えるだけでも識別しやすくなります。カブマニアの集まりが全国各地で行われている(カブカフェ?)ようですが、オリジナルのままの郵政カブの参加車両の写真が公開された時、郵政省からの指導があったそうです。法律的には問題なくても、ご本家が気持ちよく勤務できる配慮はいりますね。私の場合、現状で問題があれば、すぐに対応するつもりでいます。郵政マークは必ずはがしましょう。

3、MD50への中国製エンジン搭載

○ナンバープレートの更新は自己責任で

○搭載に関わる問題は自己責任で

中国製エンジンは驚くほど安いです。これを作っている人は本当に給料をもらっているのか心配になるほどです。純正エンジンの信頼性を求めるのは酷です。とはいえ、最近のエンジンは本当に丈夫になりました。「あたり」「はずれ」も含めて楽しむくらいの余裕があれば問題ないのですが。私の場合は、輸入して、問題になりそうな所をすべて交換、調整し、必要になる他パーツもセットにして販売される業者で頼りになりました。技術的な相談にも乗ってもらえ助かりました。単品買いより割高でしたが、結果的には良かったと思っています。

・事前調整部分

ミッションレバーの調整、テンションローラー等ラバー部分の修正部品への交換

遠心クラッチの調整→これは装着後再調整が必要でした。

・同時に必要となる部品

50CCから110CCへの変更ですから、排気量が倍以上になります。エンジン以外の各所のパーツの変更が必要です。

(セットで購入したのは)

キャブレター→国産の標準品のコピーですが問題ありません。

キャブレター調整用のジェットノズル各種→私の場合は、最初のセットのままで問題なし

マニーホールド→多くの物はゴリラ、モンキー用でカブには付かないので注意

チェーン駆動のスプロケット→トルク増大に伴いコマ数を変更します

チェーン→チェーンの長さもも変わってくるので注意

エアークリーナー

エアークリーナーダクト

(自分で買ったのは)

純正C90カブ用中古マフラー→純正でないと2年ぐらいで錆びだらけになるとのこと

チョークワイヤー→冬場になって必要を感じ追加しました。

・作業の注意点

経験のある業者からの購入でアドバイスもあり、加工する部分は少なかったのでラッキーでした。

問題になるのは

アクセルワイヤーのキャブレター側の接続→MDの場合形式が違うので注意。ここがMDユーザーの悩む所ですね。

チョークワイヤ→MDのキャブはオートチョークなので、チョークワイヤー・レバーを追加します。

・フライホイールと発電機プレートの移植→MD用を移植したほうがよいと思います。配線も悩まなくてすみます。フライホイールを外すには専用工具が必ず必要になります。力まかせでは壊します。それほど高くありません。

・ニュートラ表示用の配線→中国製エンジンは全ギヤポジション表示用の配線が出ていることが多いので、ニュートラ用を探し、結線します。考え方としては、該当ギヤポジションがアースされるようになっていたはず?

・初めに入っているエンジンオイルは国産品に交換します。「サラダオイルのよう」なシャビシャビのものが出てくることが多いです。初期は特にこまめに交換します。

・後期MDは排ガス規制の機器がごちゃごちゃついています。全具取ってすっきりさせました。

○素朴な疑問

中国製と言ってもどのメーカーがよいの?

いろいろなメーカーが出しています。私は比較していないので断言できません。メーカー名すらわからず販売されているのが現状です。単品を販売しっぱなしでなく、関連部品や問題点をアドバイスしてくれる業者のものがよいと思います。私が最初に買ったエンジンは使用せず交換しました。理由は、ミッションがロータリーだったのですが、走行中にトップ→ニュートラ→ローと入ってしまうものだったからです。買い直したものは、走行中にトップ→ニュートラに入らないようになっています。怖いですから。評判の良いメーカー名は私の限られた知識よりネットで情報収集をしてください。この点はあまし詳しくありませんので。

本当にパワーアップするの?

バイクが別物になります。トルクの変化が一番変わります。半面、レーサーのエンジンのようにレッドゾーンまで気持ちよく回ったエンジンが恋しくなることもあります(元のMDのエンジンはよく回る)。最高速度は公道でない所でのテストで、メーターは振り切り読めないので並走してもらった結果、85㎞/hくらいのようです(ドライバー90㎏)。車の走行車線でも余裕をもって流れに乗れる感覚です。バイパスの上り坂では少し苦しいですが。元のバイクは55~60㎞/hがやっと。(公道では試していませんよっ)

耐久力はどうなの?

今のところ1年で5000㎞走行、問題なしです。長距離ドライブ、山岳ドライブも行っています。この調子なら、北海道一周も可能かな?ドライバーの腰痛の方が先にやってきます。オイル交換はこまめに気をつかうようになりました。

 

MD50の郵政カブは「最強カブ」と呼ばれると共に、40年前の設計を引きずる「カブのシーラカンス」とも呼ばれています。やぱっり古いものが好きなのかなぁ。尺八では新しいものに挑戦しているつもりですが・・。私の赤カブ号、リハーサルとレッスンに機動力を発揮し、乗り続けます。気温が30℃以下になれば、爽快な世界が待っています。安全運転してるかって?ええ、まだまだ尺八を吹き続けられるために。