現代の国際秩序の象徴である国連を構成する常任理事国が核を持たない国に対して侵略戦争を始めて一カ月。
BBCは精力的にウクライナ情勢を発信し世界の世論構成に寄与してきた。やはり、影響力は大きい。

今回は原因が何であれ国連常任理事国が侵略戦争を仕掛けた事実はあまりにも明らかで陰謀論の入る余地がない。
それを糾弾するBBCの力の強さにイギリスの底力を感じざるを得ない。

だからこそ、BBC Newsサイトにウソや過剰な偏重記事を載せることをゆるしてはならない。
しっかりと疑いの目でBBCが書く内容をウオッチし続ける必要がある。
彼らの日本に関する記事は、その対象となっている国民という意味での当事者として、その記事の信憑性が高ければそれを認め受け入れるが、ダメであればBBCのウソを明確に指摘していかなければならない。
その積み重ねが、例えばロシアのウクライナ侵略戦争の記事やウィグルの記事が事実の報道だと認知されることになり、BBCの社会的意義が高まることにつながる。僕のブログもBBCの役に立つのだろう。(いや、BBCの役に立つためにこのサイトを維持しているのではないのだが)

その真逆をいくのが朝日新聞や毎日新聞などで、前提が既に「月刊ムー」なので、読む気が起きない。事実を書いてあるとしても、息をするようにうそを言う彼らに対しては何もかもが信じられない。社名を見るだけで気分が悪くなる。
朝日新聞が特ダネを報道するとしよう。例えば「ロシア軍がウクライナで虐殺してた!」とか載せているのを見たとしたら、最初に思うのが「ウクライナって朝日新聞に金品を供与しているのかな?朝日新聞にとってこの記事はどう得になるのかな?」だ。

 

信頼とはそういうものだ。その意味では、BBCもこと極東に関して朝日新聞並みのクオリティだ。
腐ったミカンがBBC全体に広がる前に対処することを願う。(遅い?)

さて、ではBBC Newsがここ一カ月日本に関して何を伝えてきたかを一部確認しよう。関連記事はあまり多くない。

1. ゼレンスキー大統領の日本国会での演説

ゼレンスキー大統領の日本国会での演説は、文句のつけようのない内容だった。
しかも、国際連盟に替わる新たな枠組みは日本が中心の役割を果たすべきだと絶妙なヨイショ。(間違いなく日本人の琴線に触れるネタだ。)
演説の全体を通して、誰も敵に回さず、その話は違うとも言えない。よく日本人を研究していると驚いた。

BBCのこの件の報道は淡泊なものだった。日本で演説が「あった」という事実だけだった。それでいい。

ゼレンスキー氏の各国での演説は、素人の私から見てもそれぞれの国をうまく刺激するよく練られたものだとわかるすばらしいものばかりだった。それゆえ、アメリカでの演説がなければ、どれほどよかっただろうかと心から思う。そう、アメリカでの演説でパールハーバーの言及さえなければ。

BBCではないが、パールハーバーの言及に対して見当違いな理論を展開するニューズウィーク日本版の哀れな記事が目についた。

ゼレンスキー演説「真珠湾攻撃」言及でウクライナの支持やめる人の勘違い|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

論点外しもいいところで、まじめにこれを書いているとしたらあほではないだろうかと思う。

改めてゼレンスキー大統領が言ったパールハーバーは何が問題か確認しよう。まず、関係するポイントは、三点。

・日本が大東亜戦争を始めるよう、アメリカが仕向けた史実。
・日本軍によるパールハーバの攻撃をアメリカは事前に把握して、あえてやらせた史実。(手玉に取られていたので、悲しい事実なのだが。)
・これにより、アメリカは日本と戦争をする口実ができアメリカ参戦。

今回のロシアの攻撃がパールハーバであれば、上述三点は次のように読み替えられてしまう。

・ロシアの開戦は、ウクライナがそうするよう仕向けた。
・ロシア軍の攻撃をウクライナは事前に把握して、あえてやらせた。
・これにより、ウクライナはロシアと戦争をする口実ができウクライナ参戦。

という事を言っていることになるのだが、それでいいのか?という問題だ。

もしかしたら、本当にそうなのかも。つまり、当初からウクライナの一部を捨て石にロシアの天然資源利権を奪う西側の計画があるのかもしれないと勘ぐってしまう。
ロシアがウクライナに侵略。それを口実に、NATOが参戦。「悪い」ロシアを侵略してプーチン政権を一掃。完全民主化のどさくさにまぎれ天然資源の西側諸国の占有。ウクライナも被害国かつ戦勝国として相応の分け前をもらう・・・損して得取れ的な、そういうことを思い起こさせる。ウクライナは、そう解釈されてもいいのだろうか。

2.アベガーのしりすぼみ

ゼレンスキーの日本演説後に、我らがBBC極東チームのRupert Wingfield-Hayes氏によるアベガー記事が登場。
Will Ukraine invasion push Japan to go nuclear? - BBC News


国連常任理事国たるロシアが侵略戦争を平気でする事実を目の当たりにして、阿部氏が核シェアリングと騒ぎはじめた。日本でも国防をやっとまともに議論の俎上に載せはじめたという内容。
キャッチーな見出しにしたかったのかアベガーで始まるが、思ったより普通の内容だった。インタビューした人の話ばかり載せて結局とりとめのない感じだか、まぁ、明確なウソは書いてないからいいか。

アベガーと連呼する人たちの論陣の張り方を見ていていつも思うのだが、日本人の意識はともすれば、戦争はもう我々の身には起きない他人事もしくは地震や台風のようにのように神様の気まぐれでやってくる避けられないものと決めつけているのではないだろうか。

侵略行為を中国朝鮮ロシアに今まで以上にされたとき、我々はどう動くだろうか。自分はどうするだろうか。
ウクライナと同じ状態になった場合、命をかけて我が国を守ろうと気概が自分を含め日本国民に生じるだろうか。と疑問に思う。

 

我が国を守るという事は、鳩山元総理や一般人の橋下徹氏を守る事を内包する。僕は自らの命を懸けて彼らを守るのか?と問われれば、彼らにその価値はないからしないと答えるだろう。

 

おそらく我先にと逃げるだろう橋下氏(自分がそうするつもりだからウクライナにも自分の考え押し付けるのでしょ?)、9条守れという共産党などの人たち、そして自衛隊を暴力装置という人たちが尖閣諸島や韓国軍が責任を感じて無償で日本の為に守ってくれている竹島などに自ら出向いて肉の盾になるのであれば、仮にそこまでするのであれば、その人たちの信念に流石に感動して、僕も竹槍をもってわが領土を守るため名誉の戦死を遂げようという気になる。。。かな。

3.事実をここまで捻じ曲げセンセーショナルに発信できる厚顔さ ~ソロウエディングが餌食に~

残るBBCの日本関連でのネタは、動画だ。
動画サイトでは日本関連のふざけたネタが以前から多々配信されているのだが、当サイトではBBC Newsサイトで配信されている記事だけを対象にして騒ぎ立てるようにしている。動画まで騒ぐ暇と余裕がないというのが理由だ。

ただ、今回の動画は如何に事実を捻じ曲げて報道しているかがよくわかるサンプルになるので、軽く取り上げたい。


The increasingly popular 'solo weddings' in Japan

<動画の概要>
・ウェディングドレス姿を写真に収める、若い独身女性の話。でも、結婚するわけではない。
・本人は「結婚式じゃなくてもウェディングドレスを気軽に着れて、かわいいスタジオでお姫様みたいな写真を撮れるので」「記念に今の自分を写真に残したいから」と流行を楽しんでいる。
・それを見ているBBCのリポーターは
  働くのが大変で遊び暇がないから結婚できない→写真だけで撮って満足する可哀そうな日本女性
 という構図にし、無理やり自国ステレオタイプな結婚観を前提に、哀れむ。

初めてみたとき「なんだ、これ?」って思う無茶苦茶な内容だ


コスプレの延長的な発想で、かわいいウェディングドレスを着てプロのメイクさんにきれいにしてもらい、プロカメラマンに写真を撮ってもらう。ただ、自分がきれいになるのがうれしいだけで、インスタにも盛った写真が載せられる。
という、日本の女性。

これをBBCのおばさん記者が解釈すると
自立する女性だけど、結婚する気もない・できないのにかわいく着飾って虚勢をはらなければならない。かわいそう。
(キリスト教的にウェディングドレスを相手もいないのに一人だけで着るなんて、ありえない、という視点っぽくも見える。とんだ価値観の押し付けだね。)

それだけだと内容にパンチがないので、フリータとは結婚したくないと無理やり言わせてる。言わされた本人は周りに同意を求めるが、周りにいるスタッフやカメラマンの多くはフリーターだと思うんだけど。


この女性のしていることは、今の日本の流行りとして紹介するものであって、否定的に騒ぎたてるような話ではない。
ウェディングドレスを着ての撮影には大した意味はなく、かわいい服を着てかわいい写真が撮れればいい。
ウェディングドレスもコロナで結婚式ができないから、利用率を上げようと業者がいろいろ施策を考えている。それだけだ。
フリータと結婚したいしたくないは関係ない。

だが、それをなぜが可哀そうだと騒ぎ立て世界に発信する。The BBC。

他の記事がどれだけ事実から歪められているか想像できるのではないだろうか。彼らを鵜呑みにしてはならない。