新チームからの取り組みの一つに、トレーニング方法の変更があります。


変更と言ってもこれまでのやり方に追加しながら、時間を短縮し、効率を上げる、正にやる事の多い名古屋高校生にピッタリの方法だと信じています。


俗に言う加圧トレーニングにも色々な種類があります。一般的に言うと、空気圧を上げて、徹底的に腕や脚を締め上げて、半ば肌の色が紫になるほど圧力を上げて、血流を制限するものが、加圧トレーニングと呼ばれています。







これには、かなり丁寧に圧の数値も確認しながらやらなければなりません。


この度名古屋高校サッカー部で導入するものは、低酸素トレーニングというものです。


理論は同じですが、より安全に実施できるようになっています。


まずは、簡単に理論を説明します。


個人の腕や脚の太さを測り、その太さに合わせた、低酸素トレーニングベルトの圧力を決定します。


その圧力で、表皮近くを走る静脈を圧迫します。奥を流れる動脈はそのまま流れ続けます。


静脈は先端から戻ってくるため、酸素量は少ない血液です。その血液が溜まった状態で、筋肉に負荷をかけることで、筋肉を酸欠状態にします。


その時に、普段以上に筋肉には負担がかかるため、乳酸が分泌されます。乳酸が出るということは、成長ホルモンが分泌されるきっかけとなります。


徐圧(ベルトを緩める)することで、成長ホルモンは全身に流れます。これにより疲労回復や、筋肉の成長に繋がります。


また、この血流が流れる時に、血管の中でスレが生じる際、NO(一酸化窒素)が分泌されます。NOは、血管を柔らかくします。それはひいては筋肉の柔軟性に繋がります。自律神経の調整にも効果があるとされています。交感神経と副交感神経のバランスが整うため、精神的にも安定します。


短時間で、効果があるのはこのような理論が裏にはあります。


筋温が上がるため、ウォーミングアップにも使え、さっと巻いて、少し歩いたら、ジョギングするだけで、成長ホルモンが分泌されるため、クールダウンにも最適です。


負荷のかかった筋肉では、糖が分解されます。そのため、よく空腹を感じます。栄養の吸収もよくなります。また水分補給が必須です。


私個人としては、高齢者が低酸素トレーニングを行うことで、短時間に低負荷で、筋トレができるため、健康年齢が増えるのでは?と思っています。


トレーニングの初期は、本当に全身が疲れます。しかし、それは乳酸耐性が低いためです。

乳酸耐性ができることで、疲労しにくい身体作りができるため、体力も向上します。


この様なトレーニングを取り入れて、チーム全体として更にパワーアップして今シーズンを戦って行きます。


ちなみに、余談ですが、授業中にもトレーニングを行う選手も出て来ました。


自分の身体に興味を持つキッカケにもなる低酸素トレーニングベルト、HYNOGがスポーツ界に広がることは間違いありません。




最後に、このHYNOGベルトを指導に導入するために、我々スタッフも勉強会を実施し、民間資格ではありますが、資格を持って対応しています。安全には配慮してトレーニングを行っています。