2020年1月に書いた記事を見返してみて、その頃には現在の2024年2月1日の名古屋高校を取り巻く状況を想像した人はいなかったのと同時に、自分自身がまさにその1人だと感じます。


その後新型コロナウイルスが蔓延し、学校や部活動が休止状態になったタイミングで、チーム内の環境整備を敢行し、現在の指導体制に至りました。


まずは、外部指導者を招聘し、指導面を充実させました。当時約100人の選手を指導するのに、コーチングスタッフだけでなく、ケアトレーナーの人数も必要です。そのためには資金が必要となる中で、まずは保護者会での資金管理を辞めて、一般社団法人を設立し、資金を社会通念上問題なく管理することとしました。


会費の値上げもしましたが、それと同時に、法人同士でのスポンサー探しも始まりました。少しでも家庭の負担を抑えながらも、環境を充実させるかの目標に向けてです。


しかしスポンサーと言っても、プロチームの様にメディアに露出してというよりはむしろ、名古屋高校サッカー部の活動自体に賛同してもらえる企業に話をしています。


それはあくまでも、人材育成であり、将来の日本の宝を作るプロセスに賛同してもらうということです。


サッカー部ですので、サッカーを通じた人材育成と共に、我々は様々な刺激を選手に入れています。例えば講演会を数多く行っています。国際協力をしている方、金融商品を扱っている方、スーツの着こなしを教えてくれる方、地球に優しい洗剤を作っている方など、話題は多岐に渡り、どれも刺激的なものです。



そんな様々な箇所で刺激を受けた若者が将来どの様な大人になっていくかの言わば社会実験に参加してもらっている感じです。


逆に言えば、大学に行き、就職をして、定年を迎える定型の日本は終わりを迎えました。その時代が長すぎたため、アジアでのプレゼンスはすでに真ん中程度に落ちています。


それを理解させて、どの様に日本だけでなく、世界で活躍するかに焦点に当て、常に話をしています。


例えばタイ遠征では、東南アジアの活気に触れます。アメリカの大学説明会では、アメリカの大学スポーツの規模に驚きます。



それを知って、日本を見てみると、違った風景が名古屋高校サッカー部員には見えているのが理想です。


そんな中、サッカーに於ける一つの成果である、高校サッカー選手権大会に初出場を果たしました。3度目の決勝で初めて勝利し、全国の舞台へ。



まさに夢の様な時間が、年末年始に訪れました。

全国大会の舞台は、想像以上に華やかであり、一つの勝利がここまで見ている方に影響を及ぼす高校サッカーの力を恐ろしい程感じました。


OBで大病と戦っている青年たちに少しでも勇気を与えられたら幸いです。



結果として3試合に勝利し、合計4試合も全国の舞台で経験できた事が、名古屋高校サッカー部の財産になりました。



何が必要かをある程度スタッフで共有できたことで、日常が変わりました。新人戦一つとっても、明らかに準備が異なってきました。


次の目標は、県内連覇と、国立競技場という明確な目標ができましたが、選手は至って冷静です。


彼らの目標は、『一戦必勝』です。さすが名古屋高校サッカー部です。


そして、その成果の評価をして頂き、原康介が北海道コンサドーレ札幌への入団が決まりました。



もちろんキャンプに呼ばれた事だけでも凄い事ですが、彼はその中でも自分を見失うことなく、自分の良さを出してプレーをしていました。


ここで大切なことは、コンサドーレ札幌の監督、ミシャさんの考え方です。



あくまでも個人的な考えですが、日本であれば、原康介の良さを評価するのと同時に、マイナスを積算していき、差し引きマイナスとなり獲得には至らないのではないかと思います。一方外国人指導者は、できる所を評価していき、足りない事は後から足せると考えてくれるような気がします。


以前も、名古屋高校サッカー部からスペインへ移籍した選手がいましたが、まさにその時も、できることを高く評価して頂いての、移籍となりましま。


話は戻りますが、評価のポイントを、原康介のアジリティや、突破はもちろんの事、インテリジェンスと言ってもらえたことは、名古屋高校の特徴とも合致するので、大変嬉しい限りです。


外から見ていても、戦術理解やトレーニングのオーガナイズを理解するのは、正直他の選手よりも早そうでした。


もちろん彼にとって、これからが勝負の始まりです。スタートラインに立った彼を応援していきたいと思います。



そんな原康介に続く選手がこの後どんどん出てくるようなチームでもあり、別な顔としては、同じく選手権大会で年始まで戦った3年生が、共通テストで高得点を取っています。こちらも同じく大切な事です。

彼らが受験でも成果を出して、次のステージに行く事も応援しています。旧帝大にでも合格したら、まさにゲームチェンジです。


サッカーは、子供を大人にし、大人を紳士にすると、クラマーさんは言いました。


名古屋高校サッカー部へ入部を目指して、updateスクール生、そしてJr.ユースのSV名古屋選手も、今回の選手権大会出場と原康介選手の入団に刺激をもらっています。


この一貫教育組織図もまだまだ完成形ではありません。

是非こちらからも、名古屋高校に入学せずに、海外挑戦するような強者が出てくることを願っていますし、そのためのチームです。


名古屋高校から見た、トップチームも動き始めています。OBを中心に、SD88が、県リーグ2部までストレートで上がって来ています。こちらの目標は、名古屋にJリーグチームを作るという事です。


愛知県という大都市に、チームが一つは規模的に見ても、寂しいものがあります。それほど、トヨタの力は絶大ですが、名古屋市には多くの企業、そして名古屋高校OBの持つ法人がたくさん存在します。その方々の力を結集させて、スポーツで名古屋を活性化させるチームができることを願っています。


街づくり、人づくりをすることで、名古屋が健康になっていくための、『歩み』が始まったという所です。


多くの方々からの、選手権大会に対するご寄付、本当にありがとうございました。

それにより、大会で成果を上げる事ができましたことを感謝申し上げます。