まずは、大会関係者の皆様、本当にありがとうございました。皆様のご協力が無ければ大会実施すらできませんでした。この場を借りて御礼申し上げます。

 

併せて、今回はクラウドファンディングにて世間様にも応援、支援を頂くという形式になり、一部(特に学校関係者)にはご迷惑とご心配をおかけしたことを申し訳なく思っています。それと同時に本当に多くの支援者に恵まれ、目標金額を遥かに超える金額が集まりましたことも併せて、感謝申し上げます。

 

先にお金の話になりますが、以前の私の記事にも書かせていただいた通り、一円たりとも不明な点がないようにしっかりと会計報告をします。用途に関しては、特に大会運営費(グラウンド代、スタッフ(審判、医療、雑用)交通費、雑費など)と返礼品に関わる費用、運営会社手数料、クラウドファンディング関連手数料、として使用させて頂きます。それでも余剰金が出て参りますが、それは全て寄付をすることを決定しています。寄付の先が決まり次第いずれかの形でご報告させていただきます。

 

高体連が代替試合を行わないという判断を下し、あくまでも有志による大会運営となり、日程上2日間の設定を変えることができない理由でベスト8という限定されたチーム数での試合形式になったことも様々な方面からご指摘をお受けしました。ここに参加できなかった高校生には本当に心苦しい限りです。

 

さて、今、大会を終えて私の率直な感想は、心地よい疲労感が残っているという具合です。2日間の日程の中で選手や保護者の、本当に多くの笑顔、泣き顔を見れたことが私にとっての最大の喜びでした。選手が久しぶりに試合ができることや、ここで勝っても負けても引退を決めている選手にとっては本当に高校サッカーが終わってしまう日でした。その思いがプレーに出ていたと思います。それと同時に今回は3本(4本)といったルールで試合を行いました。選手全員で戦うという言葉が文字通り、ピッチで戦い、たとえ最初の2本で負けていても、その後出てくる選手が点を決め、逆転したり、PKまでもつれたりと、チーム全体でチーム全員を応援する姿が非常に印象的でした。仲間を思いやる気持ちが少しでも今回の大会で実感できたら最高です。

 

保護者にも同じような動きが見られました。普段は試合に出る出ないで少し気持ちがざわつく方もみえると思いますが、今回の大会は全員が試合で活躍し、保護者も一緒に楽しんでくれたように見えました。会場の一体感は本当に手足が震えました。

 

一般の観戦者も本当に多く集まり正直驚いています。今回は7月10日から政府の方針も少し緩やかになり、観客動員もできたことが本当にラッキーでした。高校生のプレーを見ることも最近はほぼできなかったので楽しんでいただけたと確信しています。もちろん、氏名や住所、連絡先まで記入してもらうということにも積極的に行っていただき、慣れない高校生の対応にも不平不満も言わず対応してくれましたことは感謝しかありません。

 

実は、Jリーグの関係者、大学関係者も多数会場には足を運んでくれました。選手は普段見られる環境でサッカーをプレーしていません。自分をアピールする場がこのように提供できたのは、高校生にとっても、そしてチーム関係者にも実は大きな影響があります。ピッチでの言動は見られているというフィルターがかかるだけで全く異なってきます。愛知県の大会に常にスカウトが見にくるような環境に早くしていかなければなりません。そのためには選手だけでなく、我々指導者も研鑽を積まなければなりません。

 

今回は、コロナ渦での大会実施でした。これまでと言ってもつい最近ですが、2019年度新人大会では考えもしなかった対策をしての実施になりました。今後選手権予選や、リーグ戦にも適用しなければならない項目があると感じています。例えば、検温をサーモグラフィーで実施しました。今回はレンタルと言う形ではなく、搬送費用だけで導入ができました。これは関係者の努力の賜物です。しかし大会運営となるとこういった費用もかかる可能性があります。観戦者への対応もしなければなりません。どのようにソーシャルディスタンスをとってもらうのか、マスクの着用は個人任せなのか、そしてそれを誰が対応するのかなど課題はたくさんあります。ピッチレベルでは、同じボトルでの水の回し飲みは推奨されていません。氷の扱いも非常に難しいです。飲水タイムや、クーリングブレイクでの水の確保は誰が行うべきか。そして水筒の水はすぐになくなります。それを誰がどのように行うかは、やってみると非常に難しい問題だと痛感しました。

今回はアミノバイタル様より経口補水液とスクィーズボトルをご提供いただきました。選手にプレゼントすることができましたが、大会では実際目印をつけるなどして、自分のボトルであることを認識させる必要がありました。これもやらないと気がつかない部分でした。

クラウドファンディングに関しては、今回チャレンジをしました。こう言った大会が支援者によって開催される形ができるかどうかの挑戦でした。その挑戦に対して多くの方が支援を表明してくれました。多くのサッカー関係者がSNSでも応援をしてくれました。企業様にも本当に多額の支援をして頂きました。余談ですが、クラウドファンディングの開始も審査がギリギリになり遅れた上に、締め切りも大会直前になり、企業様名を入れたバナーを作るまでの時間が本当にわずかになりました。大会当日にバナーは完成をしました。会場でバナーを写真に撮ってみえる保護者を確認した時には人知れず涙を流していました。ここから支援者への返礼品を準備します。シャツやキャップ、タオルや、記念ボール、映像も作る必要があります。そして何よりも、選手の感謝の言葉を書いたポストカードを準備します。そう言ったものが後世に残されていくことがもう一つに楽しみでもあります。どこかの街でコパ愛知のタオルとTシャツを着た人が偶然出会い、そこでコパの話題になっていったら面白いと思います。ちなみに、中田敦彦さんのYouTube大学でも寄付についての番組がありました。

YouTube大学 寄付をしよう!

 

そこの中で述べられているのが、寄付は「繋がりこそが対価」だと言うことです。世間では浸透しつつあるクラウドファンディングもスポーツ界や学校社会ではまだまだ一般的にはなっていません。その理解をしてもらうにはもう少し時間がかかりそうですが、今回の大会が必ずその一助になると思います。

 

医療スタッフもかなり充実をしていました。それはみんな自主的に動いてくれたからこそ実現しました。愛知県サッカー協会の医学委員会の医師や理学療法士の方が声を上げてサポートをしてくれました。組織から話をすればきっと、私的な大会だからという理由で動きが悪くなったと想像できます。私的でも公的でも選手が動き、そこに例えば怪我のリスクがあるという状況ならば動いてやるよというドクターたちの熱い思いに触れ、世界は人で動いていると実感しました。ここでできた「つながり」は私にとっては宝物以外の何物でもありません。

 

最後に、ゼロからイチを作るつらさと楽しさを味わいました。つらさはゼロでは味わえない物です。みんなイチに対して真剣に評価をしてくれます。もちろん良いも悪いもです。それがあるから楽しいのだと改めて実感しました。イチを作ったのは、大会関係者や、支援者、そして選手と保護者です。みんなのイチが今後ヒャクでもセンでもなります。それはゼロではないからです。本当にありがとうございました。