ミヒャエル・エンデの「モモ」、夏休みの宿題で読もうとしているのか、テーブルの上に置いてありました。パラパラとページめくってみたら、私の生まれた年、生まれた月に邦訳されたことを知りました。そんな偶然もあるんですね、何気なく手にした書籍は気になる同級生でした。

少し前に息子の通う小学校の便りに、先生のおすすめ本の紹介がありました。この「モモ」を推している先生が何人もいらっしゃったので気になっていました。私も遠い昔に読んだ筈ですが、私の記憶には残らなかったようです。

コロナ陽性で自宅療養中に手にしたこともあり、改めて児童文学の名作「モモ」を読んでみました。文庫版で400頁。小学校の高学年向きで、2、3日あれば読み切れる私にはちょうど良い分量です。

へー、そうだったのかと改めて感心しました。時代が変わっても、普遍的な主題がちゃんとあって、色褪せていない物語でした。いやいや、現代にこそ、しっくりくるとさえ思ってしまいました。私たちの毎日の過ごし方や暮らし方について「時間」をめぐる灰色の男たちとの攻防を通じて、問いかけられます。

私たちはなぜ時間に縛られて生きているのか。

モモという少女は、大好きな人や友達と過ごすこと、話を聞くことを生きがいにします。対照的に世間の人々は、「今」の過ごし方が間抜けでちぐはぐな者として描かれています。現代社会を生きる私達自身の滑稽さや不条理さでもあります。豊かに暮らすために、豊かではない「今」を過ごしてしまう。

軽い気持ちで読み始めた割には、まじめに「モモ」を読了し、紹介させて頂きました。まだまだ落ち着かない夏休みですが、ゲームやスマホの誘惑に負けずに、たくさんの児童文学との出会いもありますように! ✌️😊

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