板橋区医師会と板橋区が主催のシンポジウム「災害と医療」-災害時の医療ネットワーク-で学びました。


午前の部は4名のパネラーにご講演を頂いた後でパネルディスカッションに移りました。

講演内容は

1.「板橋区の災害時医療救護」

  板橋区危機管理室特命担当課長 雨谷氏、


2.「災害拠点病院の役割と地域災害拠点中核病院の課題」

  帝京大学医学部救急医学講座主任教授 坂本氏


3.「地域に密着した災害連携病院の役割」

  板橋区医師会病院医院長 泉氏


4.「板橋区医師会が担う災害対策」

  板橋区医師会副会長 長澤氏


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以下、講演メモ。


新しい東京都の災害医療体制が発表された。


【旧体制】

災害拠点病院と医療救護所(小中学校に設置)が決められている。


救護所に患者を集め、トリアージを行い、重症患者を災害拠点病院へ。


災害拠点病院になるためには要件を満たさなければならない。主な要件は、耐震化されている、ヘリポートで広域搬送ができる。重症患者を受け入れることができる。


3.11の反省、医療救護所は場所が分かりづらく、結果病院に患者が集中した。システム・体制が不十分であった。


災害拠点病院に慢性患者も集中した。連携病院の機能が低下している中、受け入れ能力を上回る患者が押し寄せた。


その他の病院においてもライフラインに欠け、役割を果たせない病院もあった。


【方針】

直下型地震の東京都の想定約1万人(倒壊6000人、火災4000人)の死者、15万人の負傷者。

⇒医療従事者、全ての病院や救護所や診療所を含めた総力戦で対応をする。


【東京都医師会の提言】

2次医療圏と災害コーディネーターの設置


東京都を12の医療圏に分割統括。板橋区・練馬区・北区・豊島区


【災害医療コーディネータの役割】

東京都、2次医療圏統括本部、板橋区にそれぞれに設置され、関係機関との連絡調整にあたる。


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【板橋区への要望】


・医療救護所の分布が悪いところは是正をする、あるいは搬送体制を考えるべき。


・トリアージ・重傷患者の移送が課題である。


・区の備蓄体制 薬と水の復旧を早くしてほしい。医療には水を欠かすことができない。


・病院が災害に備えて薬を3日分ストックしておくことが望ましいが、経営上は苦しい。

 公的な援助は受ける ことができないか。


・救護所への人をどのように確保するか。


・東京都の防災計画が発表された後は、地域の防災計画が重要になる。

 どのように肉づけができるか期待する。


・搬送に電動機付き自転車、バイクを利用する事例がある、検討をしてほしい。


・区の職員の6割が区外、初動体制や夜間、休日の人員体制の整備をしてほしい。



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【感想】


災害と医療という板橋区の所管をまたがる非常事態に区としてどのように対応をするのか、あいまいである印象を受けた。「医療に関しては健康生きがい部で考える」と危機管理室課長の発言があった。議会の中で健康生きがい部が計画を把握して、災害時の体制整備が進んでいるのかをチェックしていきたい。本日、板橋区に要望のあった件は、健康生きがい部の所管(担当)事項もある。併せて確認をしたい。


「総力戦である」という言葉を聞いて、「個人戦」という考えが浮かんだ。総力戦を最小限度のマンパワーで収めるためには、発災時にケガをしない、また日頃からの健康管理に気をつけることが大切であると思ったからだ。家具の転倒防止、常備薬のストックなど日頃から備えることは大切だ。


自分がケガをしなければ、人を助ける側に加われる。自助は共助につながっている。平常時にどれだけ意識して備えができるか。簡単なようで難しい個人戦である。53万区民の1人1人が個人戦で勝ち上がることが、災害との総力戦での善戦には欠かせない。板橋区としては、いまだ決まっていない部分も多い。今後も健康福祉委員会の委員として学んだことを生かして発言をしていきたい。また、地域での意識啓発に貢献をしていきたい。


勉強になりました。ありがとうございました。