一般質問のつづきです。板橋区の抱える文化施設等の有効活用について質問を行いました。板橋区の財産でもありますし、維持費、運営費も税金から捻出されている以上、区民に有益な施設であるべきという気持ちがあります。


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4.文化施設・作品・資料の活用促進について

教育科学館で開催された金環日食の観望会は大変盛況でした。朝の多忙な時間帯でしたが日食を楽しむ大勢の方々の様子が印象的でした。科学館横の平和公園にはピーク時には400人ぐらいが集まっていました。準備をされてきた職員やスタッフの皆さん、ご苦労さまでした。



(1)区内文化施設の実務者会議の提案

さらに区民ニーズに向き合う文化施設であるために文化施設双方の連携を推進してはどうかと考えます。文化政策で成果を期待するには、区内文化施設と地域と学校が連携した取り組みが益々重要になります。ハード面での充実が難しい財政状況でもありますのでソフト面での充実を図っていくのが最善とも思います。まずは区内の文化施設同士が相互に情報等の交換を行い、教育事例や問題意識の共有化、横の連携強化、時に研修会や共同研究や勉強会を行い、区民サービスの向上を図るねらいがあります。

また、熱帯館やエコポリスセンターに植村冒険館の写真パネルが展示されたり、教育科学館で美術館のイベントが行われたりと地域にある施設によって偏っていた体験や学習の機会を解消し、離れた地域にある施設を知るきっかけの創出にもつながると考えます。

限られた板橋区の人材、資源、施設を横断的に活用しシナジー効果を期待するもので、施設の垣根を越えた自由な発想を期待します。区内の文化施設活性化のために文化施設の実務者会議の定期的な開催を求めますが、区長の見解をお示しください。




(2)植村冒険館資料の活用について

全国的に見ても「自然史」や「科学系」の博物館で個人がフィーチャーされている施設は珍しく、文化施設・植村冒険館は板橋区の誇る個性であります。昨年の一般質問で資料の有効活用を要望しました。今年の4月から約1ヶ月間にわたり、植村直己さんの母校である明治大学博物館で企画展が開催されたことは、植村さんの功績をより多くの方に知っていただく機会となり、評価をするものです。とくに学生を中心に若い世代に鑑賞された意義は大きいと考えます。植村さんが多くの冒険の記録や資料を意識的に残してきたことを思えば、冒険について伝えていくことは植村さんご本人の思いに沿うものだと考えます。その功績はしっかりと伝えていかなければならないと思いますし、大切な資料を保有する板橋区の責任でもあるはずです。

私は近い将来、上野の国立科学博物館での植村直己企画展を開催することを願っています。同博物館の来場者は年160万人程度、自然科学系の企画展示も行っています。困難な時代を生き抜く「チャレンジスピリット」を学ぶ機会を板橋区の文化財によって叶えてはどうでしょか。良い展示環境により、板橋区の文化財が広く認知されること、国立の施設を利用した企画展によりコストをかけずに実現できること、無料チケットの配布などの工夫によって区民の学習機会の向上にもつながることなど区民にとっても利益があると考えます。また展示を機会に貴重な資料が板橋区にあること、植村冒険館のPRにもなりますが、いかがでしょうか。企画展などを踏まえた今後の資料などの活用方針と区長のご見解を伺います。



(3)美術鑑賞教育の導入について

区立美術館を有する区は23区の中で5区のみであり、区立美術館を有すること自体が23区において板橋区の特徴となっております。区立美術館をさらに有効に活用していくために、美術鑑賞教育を積極的に推進してほしいと考えますがいかがでしょうか、教育長のお考えをお示しください。