青空の宇宙人 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 おかしな夢を見た。青々しい空に一匹の宇宙人が浮かんでいた。その外見は子供の頃に観た映画の中に登場した悪役の宇宙人にそっくりだった。彼等は宇宙船に乗って来襲したはずだったが、夢の中に現れた宇宙人は裸体のまま空に浮かんでいた。しかも、途轍もなく大きかった。かなりの高度を飛んでいるように見えるのだが、その姿が青空を半分程も隠していた。

 宇宙人の口が世話しなく動いていた。地上に向けて話し掛けてきているようだった。しかし、その声は私の耳には届いてきていなかった。ひょっとすると宇宙人は大気圏内に入ってきていないのかもしれなかった。だとすると声が響いてくるわけがなかった。私は重要な情報を聞き逃しているかもしれないと思い、焦燥を覚えた。宇宙人に対して腹が立ってきた。


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