休日の朝、普段よりも早い時刻に目が醒めた。二度寝しようかと思ったが、窓から入ってくる陽光がやけに眩しくて眠気が消えたので上半身を起こした。
空腹は感じていなかった。喉も渇いていなかった。私はベッドに座ったまま時計の表示を見つめていた。静かな朝だった。秒針は動いていたが、時間の流れを実感できなかった。
虚ろな気分だった。茫漠として頼りなかった。ふと、自分自身がロボットであるように思われた。命令を受けていないので一切の動作を停止して待機している状態だった。行うべき用事はなく、考えるべき課題もなかった。私は命令を待っていたが、一人暮らしなので誰も何も言ってこなかった。明日にならなければ休日が終了しないのだ、と思うと気が遠くなるように感じられた。
目次(超短編小説)