山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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アメーバブログにて超短編小説を発表しています。
「目次(超短編)」から全作品を読んでいただけます。
短い物語ばかりですので、よろしくお願いします。

自作の超短編小説を公開しております。
目次です。※作品数が増えてきたので十作ずつに分けました。
  ↓
目次(超短編小説)

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 「最近、医療分野における人工知能の貢献のおかげで需要が少ない種類の手術さえも短期間で方法論が確立して実施できるようになっていますが、その影響でほとんど類例がないような肉体改造がたくさん行われるようになっているそうですね」


  「私も肉体改造手術を受けて舌が長くなりましたよ。人工知能と機械による手術は失敗確率が低いので安心ですよ」 


  「舌が長くなったのですか。それにしては発音が以前と変わらないようですね」 


  「本当はそれまでにない響きの声を出せるようになっているのですが、そういう発音は既成の言語による日常会話では使う機会がありませんし、使ったとしても自分でもよく聞き取れないのですよ」 


  「味覚はどうですか?変化がありましたか?発音が以前と同じなのですから味覚の変化を楽しみたいと考えて手術を受けたのでしょう?」


  「はい。それまでにない味を感じ取れるようになりました。しかし、その新しい味を適切に表現する言葉がないのです。ですから、私としては舌を長くする手術を受けた仲間が欲しいと思っているのですよ。新しい味を表現する言葉を開発したいのです。一人で勝手に作り出しても誰にも通じなければ虚しいですからね。ただ、同じ手術を受けた人間がなかなか見つかりません。味覚を改造した人々はそれなりに多いようですが、なかなか私と同じ味覚を持っている人間と遭遇できていないのです」