結婚のときに

義祖母が編んで贈ってくれた

赤いカーディガン

ボタンは赤ん坊に引っ張られ

そのあとは小犬たちにかじられて

ひとつふたつと減っていった


それでもだましだまし使っていたのは

義祖母がひとつひとつつけてくれた

ボタンを外したくなかったから


きっとボタン替えよしって

やさしい義祖母ならそう言うだろうと

外れたボタンポケットに入れ

今日手芸屋さんへ出かけた


ほらここ、ここにあるで

義祖母が手招きしてるみたいに

ボタンは簡単に見つかった

小豆色の足つきボタン