「センスは知識からはじまる」
著者は「くまもん」を作った水野学さんです。
センスという生まれもってのものではなく、
後から保管できるというイメージをもたせてくれた
この本のタイトルに惹かれ購入しました。
中身は想定どおりに「知識」を集めて、
その中心にあるものが「普通」という感覚です。
その「普通」の感覚をもつことで、
ありとあらゆるものがつくれます。
多角的・多面的にものごとを測った上で「普通」を見つけ出し設定する能力が必要です。
知識がなければ「普通」がどの位置にくるかもわからない。
だからこそ、知識って重要。そんなことが書かれている本でした。
自分が刺さったポイントを記載していきます。
◯よく出てくる言葉「シズル」
肉が焼ける際の「ジュージュー」と音をたてる意味の英語で、
そこから転じて、消費者の感覚を刺激して食欲や購買意欲を喚起する手法を意味する語になりました。
また、最近では瑞々しさや新鮮さ、その商品の魅力やセールスポイントなど幅広い意味で使われています。
→本の中でのシズルは、みんなが想起する「それっぽいもの」として表現されている。
◯美術への向き合い方
美術となると学校ではなんの練習も知識もなくいきなり実技をやらされます。
美術にも学科があり、歴史、見方、技法がどのように成り立っているか、
そうした知識を学びながら実践することでセンスを育てることができる。
知識も大切。
◯未来の予測
未来の予測は過去の延長線上にある。
過去の知識を蓄えることは、知識にもとづいて未来を予測するセンスを磨ける
◯センスの最大の敵
センスの最大の敵は思い込みであり、主観性です。
思い込みと主観による情報をいくら集めても、センスはよくならない。
思い込みを捨て客観情報をあつめることこそ、センスをよくする大切な方法。
◯センスが多い人の情報料
ぱっと見ただけでセンスのいい家具を選べる人は、
インテリア雑誌の100冊や200冊には軽く目を通しています。
あるいはお店に通ったり、詳しい人に話を聞いて、それに匹敵するような情報をえているはずです。
センスはその人の感覚ではなく、膨大な知識の集積なのです。
◯商品づくりについて
「共通項」「一定のルール」がないかを考えてみる。
例えばインテリアデザインを考えるとき、知識がない状態からはじめるには、
和風洋風を問わず、長く愛される老舗の内装をとにかくたくさんみて回った。
「ショップインテリアにおける王道・定番はなにか」という知識を蓄えるためです。
第二にしたのは、流行のお店にたくさん足を運ぶこと
第三にしたのは、王道と流行以外にもいろいろなお店に注意してみながら「共通項はなんだろ?」
と考えてみること
そこで見つかった発見を商品づくりに活かしている。
◯デザインを構成する要素
1:色→知識にやる確認作業がしやすい。同系色か補色にある関係かなど。
2:文字→知識にやる確認作業がしやすい。ヨーロッパ書体なのか、アメリカ書体なのかなど。
3:写真や絵
4:形状
上記の構成要素から知識を得て分析をしていく。
◯チョコレートの開発担当者になったら?
・王道のチョコレートに関する知識を紐解いている。
ベルギーやフランスなどの高級チョコレートの雰囲気、
長くから愛されているロングセラーの板チョコなどの雰囲気。
まずは売れている商品の歴史や、雰囲気、構成要素を分析してみる・。
・流行りのチョコレートに関する知識を紐解いてみる
話題のショコラティエ(チョコレートの専門職人)の挑戦的なショコラ(チョコレート)を入手してみる
観察して味わい、パッケージにどのような特徴があるか確認する
・いろいろなチョコレートを知った上で、共通項がないか考える。
パッケージってだいたい茶色か赤が多い。
暖色系の相性が良いのは、チョコレートにはあったかいイメージがあるからだろうか?
とろけるチョコレートというイメージが喚起されおいしそうと感じるからだろうか?
・疑問から仮説を導き出す
パッケージは暖色系、茶色や赤やオレンジがいいのかな
・最後に仮説を検証し結論に結びつける
それじゃありがちだ。茶色の補色にあたる青も併せて使ってみるのはどうだろう。
今回の製品はベルギーチョコレートのイメージだから、
ベルギーあたりで生まれた書体を選んでみよう。
上記プロセスをふむだけである程度のラインにまで到達することが可能になります。
◯知識とは不思議で、集めれば集めるほど、いい情報が速く集まってくるようになる。
◯商品をつくりだすためには。
好き嫌いをはずして「誰が、どんなときに、どんな場所で使うのか」
を設定する必要があり、それを掘り下げていく。
そのための掘り下げには、知識として、あらゆる層の雑誌が有効になる。
男性なら女性用の雑誌、女性なら男性、興味がないものほど触れていくと良い。