ふき

 十数年前私は大きなビニールパイプ(直径25㎝長さ50㎝ほど)に四本ほどの山の芋(自然薯ではありませんが)を植えました。正月にとろろ汁にするためです。山の芋はむかごを作ります。それ等は集めてごはんと一緒に炊いてむかごごはんにしますが、取りこぼしがあります。そうした取りこぼしのむかごが地面に落ち芽を出すようになります。地面を掘り返していた頃はそれでも成長した彼等を食べていたのですが、だんだんと掘り返すのが面倒になりました。

 そういう次第で彼は家庭菜園の一角、華北の徐州に根を下ろすようになりました。彼は自らを劉備と名乗り徐州の地に善政を敷きましたが、ワラビこと魏の曹操が華北に覇を唱えるに及んで後退を余儀なくされました。劉備は華中のふきの太守劉表を頼って荊州に落ち延びて行きました。