私の中の彼へー青き騎士ー第9回★
青き騎士(1992年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
Manga Agency山田企画事務所
★漫画通信教育「マンガ家になる塾」★
★you tube★


第9回●シーン8

 この後、私、沙織は移動略奪隊「ローズグループ」の民となった。
既存するコロニーや残存する地球連邦軍戦略基地を略奪し、人を殺す。
テクニックは「ローズバット」で教わった通リだった。逆に体が反応していた。

 1シーズンがすぎた頃、あるコロニーを襲っていた。
そして、見覚えのある老夫婦が、私の前にひきずりだされてきた。
「ごいつらか、ボスを育てたって言ってます。いちおう、殺さずにおいたのですが」
 驚いた事に、そう、養父母だった。
私のゆがんだ性格の最大原因。「ローズバット」に私を売り払った張本人だった。

「ああ、沙織様、私です、あなたの命の恩人を覚えていてくださいますよね」
「そうです。私たちはあなた様の育ての父と母です。幼ない頃、世話をしてさしあげた。
まさか、それをお忘れれではないしょう」
まだまだ大様な態度。あの頃とはほとんど変わっていない。
が、私は、あの頃の私ではなくなっている。
「こんなやつらは知らない。家と一緒に焼き殺してしまいな」
私の声は冷たい

「なんて奴なんだ」
2人は驚きの表情だ。態度か豹変する。
「お願いだ、助けておくれよー」
二人は私の足元にひざまづき、今にもにも足の裏までなめそうだった。
「おまち」
私は仲間に言った。
「そいつらを助けておやり」
「ここから逃がしておやリ」
「しかし沙織、こいつから」チェリー花咲が言った。彼女は事情をよく知っている。
「ローズバット」訓練時代に話をしていた。

「いいんだよ、私が決めたんだ」
「沙織。お前はやはり優しい子だよ」
「そうさ、昔から良い子だよ」
「いいから、早く私の目の前から消えて」

二人は、私の足にキスし、それこそ、少なくなった動物資源「ねずみ」のように逃げ去っていった。

「たまには、いい事をするね、沙織」
チェリーが言った。

「いいかい、あまったれるんじやないよ。ここから逃げたって、どうやって生活できる。外は冷たいよ。もうすく雪のシーズンだ。どうせ助かりっこないさ」

 か、その考えはあまかった。
彼ら二人は通信機を持ち逃げした。
私連の居所を知らせると、政府から賞金がでる。私たちの首には賞金がかかっていた。
居場所が知れると、残存する政府軍か捕縛の手を伸ばしてくる。

おまけに小型のビーグルまで盗んでいた。

 私達は父母を追跡するはめになった。
「だから、沙織、いわないこっちゃなぃよ」
チェリーがうめいた。
「今のあんたには、「慈悲」なんて言葉が、似合わないのさ」

 私達は、彼らをようやく追跡し、今度こそ、息の根をとめようと思った。
 が、二人は、政府軍遊撃部隊「狼部隊」の1台の人工頭脳装甲機に保護されていた。

それが、彼との出会った、はじめの時だった。

そして、その貴重な時も、私は、まだ、
彼が、、私にとっての「青き騎士」だ、、とは気づいていなかった。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
Manga Agency山田企画事務所
★漫画通信教育「マンガ家になる塾」★
★you tube★