原子力発電に代わる自然エネルギーとして雨の多い日本に最も適しているのは小水力発電ではと。


お盆休みに鳥取県の山奥 日野町根雨に、今から65年前の1959年に造られた農業協同組合の小水力発電を観に行きました。


日野町はかつて宿場町として栄えたそうです。

古い街並も一部残され、街道の両側にある溝には水が勢いよく流れ、よく観るとヤマメが泳いでいる夢のような山里です。


当時の「日野農協便り」によると根雨発電所は山に降る雨水を集める為に部落総出でツルハシとモッコでトンネルも堀り、水路橋をかけ、50mの落差を利用して発電するものです。


小さな建物で裏山の貯水池からの配管が見えます。


この小さな機械の中にある羽を勢いよく流れ落ちてくる水で回して電気を起こしているのです。


規模としては135kwの発電量で、現在では80戸の民家を賄える小さなものですが、私が子どもの頃五島列島では1日3時間しか電灯がつかなかったことからすれば、当時の新聞による竣工式の模様から町全体の電力を賄っていたのかもしれません。

このような小水力発電所が日野町だけで2ヵ所、隣の伯耆町、江府町、大山町にもあって、この地域ではトータルで電力の100%以上を環境に負荷をかけない自然再生エネルギーで自給できているのです。


私達の祖先は国土の80%が山で降雨にも恵まれる中、大小の河川を巧みに利用して食料とエネルギーを自給してきたのです。


江戸時代には全国至るところの集落で水車が回り、その数は10万を超えていたと言われています。

水車で小麦、蕎麦などを挽いたり、川の水を田んぼに引き入れる等欠かせない動力源 (エネルギー)でした。

その文化は最近まで残され、実際に私は3年前長野県の大滝村で、街の小さな豆腐屋さんが家の側にある水車を回して大豆を粉にして作った豆腐を頂いて、いたく感動したことがありました。


能登半島地震もそうですが特に東日本大震災の時私はつくづく考えました。


災害の多い日本はそれに備えて食料とエネルギーの地域分散型の自給が必要であると。


島根県では農業用ダムを利用した水力発電も動き出しています。

日野町の根雨発電所では設備が老朽化したので、昨年、現在の所有者JAとっとり西部 (日野農協が合併)では 京葉ガスエナジーソリューションに改修工事を依頼、完成したところでした。


JAとっとり西部はいくつかの小水力発電を同社に管理も依頼して今ではデジタル化して、1人でスマホで管理しています。


中西広則組合長にもお会いしましたが、かつて一緒にTPP反対運動をしていた仲で、農業の現況を実によく理解してる方です。

このような方が本音で声をあげれば日本の農政は変わるのではと思いました。




ついでに、11月開かれる第2回全国オーガニック給食フォーラムの案内もしっかりお願いいたしました。


お盆の最中でしたが、硲田淳一町長さんも待っていてくださって、2時間ほどあれこれ話しました。

頭のいい飲み込みの早い方でオーガニックの学校給食にも かなり関心を持って頂きました。



昭和35 私が高校2年生の時の日野農協新聞です。