数年前に関西に出張した際に、長らく障害者関係の仕事をされているAさんとエスカレーターに乗ったことがありました。
そのときの会話が、今でも忘れられません。
私「関西では、左側を空けることがマナーなのですよね?」
Aさん「いえ、それは違います。本来はどちらを空けるというのはないと思います」
私「関東では右空け、関西では左空けだと思っていましたが・・・」
Aさん「例えば、左片麻痺の人は左側の手すりにはつかまれません。だから、どうしても右側に立つしかないのです。それはマナー違反でしょうか?」
東京では、混雑したエスカレーターの前で、歩行しないで利用したい人たちが右側を空けて並んでいるというのは良くある光景です。
その中には、高齢者や子ども連れの人もいます。
そして、すぐ横に階段があるにも関わらず、エスカレーターの右側を歩いて登っていく人たちがいます。
あのときの会話以来、この光景に違和感を感じる様になりました。
もちろん、エスカレーターを歩いて登っていく人たちに悪意がないのはわかります。
しかし、やはり交通弱者よりも健常者に都合の良い慣習は、どうしてもマナーではなく悪習だと感じてしまいます。
段差の解消等のハード面のバリアフリーは、少しずつ進められている気はします。
次の段階として、文化や意識改革等のソフト面のバリアフリーを進める時期に来ているのではないでしょうか。
▼ 日本エレベーター協会はエスカレーター歩行禁止を呼びかけているのですが・・・