「これは、本当か?」

東京都新宿区筑土八幡(当時/現在の本部は高田馬場)の合気道「養神館道場」を訪れたアメリカ大統領ジョン・F・ケネディの実弟ロバート・ケネディは、塩田の演武での強さを疑いました。

「では、私のボディーガードと手合せしてください」
 
塩田剛三(1915~1994)は、東京府四谷区(現・東京都新宿区四谷)出身の武道家で、新宿区立四谷第六小学校・旧制東京府立第六中学校(現・東京都立新宿高等学校)の卒業生です。

身長154cm/体重46kgと小柄な体格ながら、数々の伝説を残す「達人」です。


この時の様子は動画等でも残っていますが、身長190cm/体重100kgのボディーガードを、塩田はいとも簡単に押さえつけてしまいました。

ロバート・ケネディは、後に「自由の旗の下に」(日本回想録)の中で、下記の様に記しています。


「(私のボディーガードは)まるで蜘蛛がピンで張り付けられたように、苦もなく取り押さえられた」

「その後でボディーガードは『今朝は食事をしてこなかったものですから』と言ってはいたが、食事をしてきたら勝てたとは言わなかった」

1962年、今からちょうど50年前の出来事でした。


※ 文中、敬称略