行き過ぎた円高の阻止へ、日米欧の先進7か国(G7)が18日、電撃的な円売りの協調介入に踏み切った。

 これを受け、前日の為替市場で一時1ドル=76円25銭の戦後最高値をつけた円相場は、81~82円台に値下がりした。東京株式市場にも安心感が広がり、株価は大幅に上昇した。

 今回の協調介入は、東日本巨大地震に見舞われた日本を支援するG7の結束を示した形だ。高く評価できよう。

 協調介入にあたり、G7は財務相・中央銀行総裁会議の緊急電話会談で共同声明をまとめた。

 声明は「為替相場の過度な変動や無秩序な動きは、経済や金融の安定に悪影響を与える」と強調し、「日本からの要請に基づき、協調介入を実施する」と明記した。

 個別国の意向に沿った行動であることを明らかにするのは、G7として極めて異例だ。

 G7の協調介入は、ユーロ安を阻止する目的で2000年9月に実施して以来、約10年半ぶりだ。日本が昨年9月に円売り・ドル買い介入した時は単独介入で、米欧は同調しなかった。

 今回、米欧が協調介入に参加したのは、日本経済の現状に懸念を強めたからだろう。

 大震災と、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響が憂慮される中、円急騰が長期化すれば、自動車などの輸出産業の業績を悪化させ、日本経済がさらなる打撃を受ける恐れが強い。

 日本経済の低迷は、世界の為替相場や株式市場の混乱を招き、回復基調にある世界経済にも悪影響を及ぼしかねない。

 そうした事態を回避し、日本の震災復興と景気回復を支援することが、世界経済にとっても極めて重要とG7が判断した。

 円急騰の発端は、大震災後に円高進行を見込んだヘッジファンドなどの投機筋による思惑的な円買いだった。

 金融危機後、ヘッジファンドの規制強化を検討してきたG7としては、こうした行動を見逃すことができない事情もあろう。

 ただ、今後の為替相場は楽観できない。通貨当局による円高是正の決意を試すような投機筋の動きが予想されるためだ。政府・日銀は米欧との連携を深め、必要となれば、介入を継続すべきだ。

 協調介入に踏み切ったものの、大幅な円高修正を望む日本に対し、米欧がどの程度の円安水準を容認するかは不明だ。相場を注視しなければなるまい。

(2011年3月19日00時53分 読売新聞)

7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁は日本時間の18日午前、
東日本大震災の発生を受け、電話で臨時会合を開催した。
円高の急激な進行による日本経済への打撃が懸念される中、日米欧カナダのG7各国当局による
ドル買い/円売りの協調介入の実施に合意した。全文は以下の通り。

われわれG7の財務相・中央銀行総裁は、日本における最近の劇的な出来事を議論し、
われわれの日本の同僚から、現在の状況、当局がとった経済・金融面での対応についての
説明を受けた。

われわれは、こうした困難な時における日本の人々との連帯意識、必要とされるいかなる協力も
提供する用意があること、日本の経済と金融セクターの強靭さへの信認を表明する。

日本における悲劇的な出来事に関連した円相場の最近の動きへの対応として、日本当局からの
要請に基づき、米国、英国、カナダ当局及び欧州中央銀行(ECB)は、
2011年3月18日に、日本とともに為替市場における協調介入に参加する。
われわれが長らく述べてきたとおり、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び
金融の安定に対して悪影響を与える。われわれは、為替市場をよく注視し、適切に協力する。


(2011年3月18日 ロイター)

9時に日銀、
17時にEUと英国、
23時に米国とカナダも円売り介入したそうです爆弾


対ドル82円突破は確実と思われましたが、
17時と23時の介入効果は思いのほか小さく!?


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自衛隊が命がけで原発事故と戦ってるんだから、
日銀もヘッジファンドに負けるなグー