久しぶりに4週連続で観劇することになりそうですが、その第1弾。


この時以来となる伊南希衣子さん出演舞台ですが、2つ前の出演舞台となるこれに出演されていた広瀬海人さん・山本篤士さんの姿も。
実は、劇団BLUESTAXI(以下ブルタクさん)主宰の青田ひできさんがその『センチメンタル・ソファー』を始めとしたDrama Collection公演の作演を担当されており(その他の団体向けの脚本提供等も多いようです)、またその縁で谷口優衣さんが以前のブルタク公演に出演されていたり等、色々関係が深いようですね。
今回もセンソファ関係者(というかマリエ・エンタープライズ関係者。笑)が客席にいらっしゃってたようで。
伊南さんも普段お世話になっている団体さんなんだとか。
公演会場は中野テアトルBONBONでした。
ポケットスクエア4劇場制覇はいつになることやら…笑

あらすじはこれといった物がどこにも書いてありません。
(前述のチラシ裏面に書かれているのも数行程度)
季節外れの台風による洪水被害で家を失った家族と、その被災地で物探しの活動をするボランティア団体(名前は「チーム真心」)の話なのですが、今回はちょっと登場人物を一人ずつ書き出してみて簡単に紹介してみようと思います。その方が何となく説明しやすいので…笑
(一部ダブルキャストですが今回はBチームの公演しか観ていません)
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<神崎俊介>(大川慶吾さん)
被災地に泥棒として忍び込んだところを見つかりそうになり、そこから成り行きでチーム真心に参加。東京生まれで自由奔放なお調子者。
<三田村あかり>(笠井渚さん)
俊介の彼女だが彼より年上。俊介の自由奔放さに振り回されている感がある。俊介と行動を共にしてチーム真心に参加。
<今野勝彦>(関和紀さん)
チーム真心の代表。講演会活動等もしており知名度は高いが団体の評価は悪い。本人もそれを自覚しており純粋な善意というより私利私欲にまみれた善意であることを認めている。
<岩井圭>(山本篤士さん)
チーム真心の中心メンバー。熊本での震災復興以降、今野の片腕的存在となる。被災復興に対する想いは人一倍強いがそれ故に自分の考えを貫いて地元民(特に後述の康夫)と意見が対立することも多々。極度のあがり症。
<杉村紗香>(矢吹凛さん)
岡山の洪水被害で家を失った際に岩井に世話になった事でチーム真心に参加。岩井の事を慕っている。元々引きこもりなので口数が少ない。
<西条亜希>(鈴木絵里加さん)
春に離婚したことがきっかけで自分探しの旅に出て、辿り着いた今回の被災地でチーム真心に参加。ただしチーム真心(特に今野)の存在は疑問に感じている。
<飯山美幸>(佐藤絵美里さん)
大学生。ボランティアが就活に有利と聞いてチーム真心に参加。
<草野純平>(A:高橋海圭さん、B:安田和史さん)
都内の飲食店でバイト中。彼女にフラれた事がきっかけでチーム真心に参加。
<国枝貴弘>(下出裕司さん)
洪水で家を失った国枝家の長男。貴弘自身は田舎を出て東京都町田市にオフィスを構える社長となったが事業が失敗?して自宅マンションを手放す危機に陥る。
<国枝美紀>(宮田彩子さん)
貴弘の妻。独立に失敗して苦悩する貴弘をそれでもなお支える良き妻。貴弘の実家との関係は極めて良好。
<国枝光子>(竹田愛里さん)
貴弘の母。72歳になって足腰が弱り物忘れも多くなったが物言いはハッキリしている。夫(貴弘の父。7年前に他界)が建てた築50年近くの家を洪水で失う事に。
<矢川伸一>(岡教寛さん)
貴弘の同級生。地元で建設業を営む。自身も洪水被害で家を失ったが前を向いて復興に取り組む。最終的に貴弘の実家の解体作業を手掛けることになる。体格が良く頭が大きいため工事用のヘルメットが綺麗に入らない。
<宮崎頼子>(新谷恵さん)
貴弘の姉。大阪のおばちゃんっぽいテンションが印象的。夫は仕事で各地を飛び回っているという設定で今回の話には出てこない。若い頃はチェッカーズの大ファンだった。
<宮崎康夫>(広瀬海人さん)
頼子の夫の弟。オールバックの髪形が特徴。町役場の職員として復興事業に取り組んでいる。良い人ではあるが頭が固いところがあり、チーム真心(特に岩井)と意見が対立することが多い。猫が大好き。
<小金井幸>(A:中垣内萌衣さん、B:伊南希衣子さん)
町役場の女性職員で康夫の部下。所属は「地域支援・防災課」らしい。隣町に比べて被害が少なくメディアにも取り上げられない自分たちの町の状況を憂い、facebookで情報発信したところチーム真心と知り合う。それ故に康夫よりもチーム真心の行動に理解を示す。今野の大ファン。
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基本的には上記の設定で話が進むのですが、後半にかけての大きな流れとして貴弘が実家のタンスの中に現金300万円近くが隠してあることを光子から聞かされた話を思い出し、俊介にそれを探しだすように依頼します。(マンションを手放さないための苦肉の策)
そして探索当日、雨で実家の痛みが酷い中思い出の品が数々出てくるのですが、肝心のタンス預金が出てこないまま屋根が崩れ落ちてしまい、奥まで侵入していた俊介をかばったあかりが頭を怪我してしまいます。
俊介は何とかタンス預金が入っているはずの菓子缶を持ち出すのですが、中に入っていたのは頼子が集めていたチェッカーズのブロマイドだったという…。
(タンス預金はとっくの昔に銀行に預けていた)
という感じで、話自体は重めの内容なのですが個人的には面白かったです。
(面白いと書くと語弊がありそうな気もするので難しいですが)
パッと見の印象は「光と影」とでも言うんでしょうか。
ボランティアチームも最初は人の為に行動することの喜びを素直に表現しますが、その一方で感謝されない人に遭遇した時の憤りを感じて「無償でやってやってるのに」という本音が滲み出たりもします。
こういう表向きの良い部分だけでなく裏側の部分を見せてるのが上手いなと思いました。
観る方に色々考えさせる事にもなりますからね。
あと、こういう災害に見舞われる中で登場人物それぞれの思いが交錯するのですが、その辺が全然ゴチャゴチャせず非常にスッキリ感じられるのが印象的でした。
まぁ謎な部分が全然ないわけではないのですが…。
(口数が少ないこともあって特に紗香が顕著)
特にこういう表裏それぞれの面が打ち出される作品だったので、なおさら今野役の関さんの存在感が大きかったかなぁと思います。
迫力もそうですし、役の位置付けとして特に裏側の部分を強く印象付けていました。
パッと見は一番の嫌われ者的ポジションなのですが、その一方であの役が無ければ多分この話の重みも無くなっていただろうなと思わせるものでした。
そして伊南さん演じる小金井も凄く良かったです。
全般的に、伊南さんの小金井は非常にハキハキした印象で、復興に向けて健気に頑張る女性をとても魅力的に演じていました。純粋にいい子だなぁと思わせましたね。
(ちなみにAチーム中垣内さんの小金井はまた違う演出だったそうですが観てないので詳細は不明…)
あと、今野が出てきた時の舞い上がった仕草は特に可愛かった(*´꒳`*)
今野との握手を離さず今野がズッコケるシーンは結構お気に入りです。笑
明るく可愛いだけでなく、立ち振る舞いがしっかりしているという印象も受けました。
また、前述の登場人物は「ボランティアチーム」と「地元チーム」に大別出来るのですが、小金井はその両方の架け橋ともなるポジションなんですね。
チーム真心の活動に感謝を示しつつ、その一方で町の職員としての立場もあるという非常に複雑な立ち回りが必要になる役でした。
特にチーム真心が募集した古着(使えないものが大半なので町役場としては正直いらないもの)が送られてきた時の申し訳なさそうな表情が印象的。
そういう色々な感情を上手く表現できていたように思います。
そしてもう一点。
小金井が登場する場面は大きく4つだったのですが、その全てで何と衣装が異なってました。
基本的には町役場の職員なのでシャツとパンツ(チノパン)を基調としたシンプルな衣装なのですが、その上に羽織っているカーディガンorセーターの色が赤→紫→グレー→白と4変化。
他の登場人物はほとんど衣装替えがない中、4つも衣装替えがあるのは小金井だけでした。
(それに合わせて髪形も微妙に変化していました。彼女がtwitterで上げてくれるのに期待。笑)
個人的には最初の赤と最後の白がお気に入りでしたが、どれも似合っていてキュートな魅力に溢れていたように思います。
(※12/3追記:載せてくれました。笑)
衣装もそうですが彼女の色々な変化を観られたのが個人的に満足度高かったです。伊南 希衣子 (いなみ けいこ)@173_keiko
小金井 幸の4変化w
2018年12月03日 20:37
田舎の役所感でてますかね?
いろんな思いもあり、終盤につれてどんどん色をなくしてます…
衣装は流石にだけど、髪型の違いにも気づいてくれる人がいるのはなんか嬉しい乙女心w https://t.co/2MjpPS36oY
(ダンサーだった前回のさがぶさんはともかく、センソファの時も死んでる設定の役だったので変化は少なかった)
目が大きくて目力もあるので今回のような快活な女性は特に合ってたんじゃないかと思いますね。