◎日光女峰山登拝

男体山、女峰山、太郎山の日光三山の一つ、女峰山へ登拝して来ました。


女峰山から臨む日光連山。1番左から男体山、大真名子山、小真名子山、帝釈山。帝釈山の裏から覗いてるのは太郎山。太郎山と小真名子山の間の奥に尖ってるのが白根山。


旧日光修験道の女峰山への登拝は今回歩いたルートがメインで、明治の廃仏毀釈以前は寂光寺と呼ばれた今の若子(じゃっこ)神社からも滝尾社まで行くルートを通って登拝したそうです。

若子神社から滝尾社までのルートは今は道がなくなってるそうですが、機会があったら調べてみたい。

他にお山内の修験ではなく当山派修験の袈裟頭(けさがしら、まとめ役)であった妙覚院(昭和以降に廃寺)は荒沢裏見の滝からの登拝でした。

ちなみに旧日光修験道の修行は三峯五禅頂(さんぶごぜんじょう)と言って、三峯とは春峯、夏峯、冬峯、五禅頂とは惣禅頂とか秋峯とも言いますが、女峰山へ登りそこから尾根沿いに帝釈山、専女山、小真名子山、大真名子山、志津から裏男体山から登り表男体から降り、いろは坂を下って山内へ戻るルートでした。

現在の日光修験では古峯ヶ原から中禅寺への旧日光修験の春峯ルートを秋峰修行として行っています。

今現在、山の修行と言えば登拝や縦走になってますが、そもそも修験道の修行「峯中修行」とは大行で宿(しゅく)を移しながら修験の行儀(柱源十界修行等)を修め山に籠るのが本来のスタイルでした。

昔の日光修験の春峯も40日は山から降りてこない。

個人の行でも窟や参籠所へ籠り拝所にて行法を修めるものでした。

さて、スタートの神橋から始めると拝所が以下

神橋→橋姫大明神→深沙王社→本宮神社→四本龍寺→児玉堂→教旻僧都の墓→産ノ宮→六体仏→開山堂→天神社→滝尾神社→行者堂(登拝口)

と登拝口に行くまでこれだけあるのでかなり時間が掛かる。

滝尾(たきのお)神社。

弘法大師開基の滝尾神社は旧日光修験道の中心地でした。

祭神は女峰山の神で滝尾大権現、本地阿弥陀如来、神名は田心姫命(たごりひめのみこと)なので女峰山登拝前は遠回りになりますが、ぜひご挨拶しておきたいところ。

ここから引き返して行者堂に向かいます。

行者堂。室町期の役行者が祀られてます。

この行者堂の裏が登拝口になりますが、ここから頂上までは「女峰のバカ尾根」と呼ばれるバカ尾根をバカみたいに登って行くだけで特段撮るとこもなし。

途中に金剛堂が三ヶ所。


女峰山は二千メーター付近になって漸くそのお姿を見せてくれる。さすが女帝の貫禄。

上の写真の真ん中辺りにあるのが唐沢小屋。


その唐沢小屋から最後の正念場である急斜面のザレ・ガレ場をほぼ四つん這いでヨジヨジして登る。

山頂の女峰社で当道秘法を奉修。

女峰山頂上からの日光連山の眺めが1番好きかな。ずっと見惚れてしまう(^_^)

しばし日光連山の景色を楽しんだ後は寂光寺(若子神社)へと長い長い笹藪道を下山。


若子(じゃっこ)神社。旧寂光寺

寂光の滝


ここから山内へ向かい常行堂→法華堂→大猷院→二荒山神社新宮→東照宮→光樹院稲荷→護摩堂→三仏堂と法楽しながら回って神橋を渡りゴール。

ゴールの神橋に着いた頃には既に暗くなってた(^^;;

登り始めと下山後に拝所が盛り沢山なので単なる登山ではなく登拝される方はこのルートがベストでしょう。


改めて考えると、眺望も見所もなく延々と笹藪が続く行者堂ルートや寂光寺ルート、荒沢ルートは己と向き合う禅頂道で行者向き、見所も満載で距離も短い霧降からのルートは登山を楽しむための登山家向きであるとしみじみと思いましたね。


即ち女峰山への道は信仰と修行の道であると。


去年は男体山登拝だけで他のお山を巡ることが出来なかったので、今年は行けるだけ行きたい。

南無帰命頂礼本尊聖者女峰大権現応用弁財天尊天悉地成就

合掌