「ヨガは柔軟性云々ではありません。身体の自然な弾力性に、呼吸と共に関わっていくことです。誰かの器械体操のような体勢を見ても、決して怖じ気づいてはいけません」マーク・ウィットウェル/和訳: 川原朋子



◎ ヨガビジネスは「コンプレックス商法」の最前線か?



この写真の表題

「ムリなく柔らかくなる体が硬い人のためのヨガ」

逆に言えばヨーガは体を柔らかくするためにあるような言い方でしょ?

まるで体を柔らかくすることが至上命題みたいに。

ヨーガの目的は身体を柔らかくすることではないんだが。

もうホントに常識過ぎて書くまでもないことだけど、人の劣等感を煽って金儲けするやり方を「コンプレックス商法」と言う。

もう少し目がパッチリしてれば、鼻がもう少し高ければ、唇がもう少し厚ければ、胸がもう少し大きければ、ウエストがもう少し細ければ、足が細ければ、足が長ければ等々

そんなお悩みをお持ちの方は

こちらの商品を!

こちらの講座を!

こちらの機材を!

こちらのサプリを!

食材を!

ってヤツ。

逆に言えば、あなたは太ってる!恥ずかしくないのか?あなたはブスだ!恥ずかしくないのか?あなたはペチャパイだ!恥ずかしくないのか?あなたは短足だ!恥ずかしくないのか?あなたはハゲだ!恥ずかしくないのか?あなたはチビだ!恥ずかしくないの?あなたは身体が堅い!恥ずかしくないのか?あなたは色が黒い!恥ずかしくないのか?等々

あなたの劣等感を刺激して羞恥心を抱かせてこれを買えば解決するぞと謳う。

いまヨガビジネスはコンプレックス商法の最前線なんじゃないかと思う。

しかも顔ヨガ指ヨガ骨盤ヨガ肩甲骨ヨガキッズヨガ等々、馬鹿の一つ覚えみたいに何にでもヨガを付ければいい風潮で枝葉末節ヨガが流行ることによって本来のヨーガの目的や真価が見えづらくなっている。

この雑誌の表題は

「体が硬いあなたは柔らかい人より劣ってるんだ。それで恥ずかしくないの?」

と言ってる。

「体が硬い人を救う10の壁ポーズ」

つまり体が硬いのは不幸のドン底にいる可哀想な人たちだから救ってあげると言ってるんだね。

じゃ逆に「体が柔らかい人のためのヨガ」ってある?ね?「体が柔らかい人を救う10の壁ポーズ」ってある?私はこれ必要だと思うんだけど?

ないでしょ?単純に劣等感を植え付けられないので儲からないから。

何もそれを批判するつもりはない。

あなたに人より劣っていて恥ずかしいと思わせればそれは「良い仕事」してると言える。

あなたをどん底まで劣等感の塊にすれば大成功だね。

それを企業努力と言うんです。

相手は商売でやってるんだから。

このコンプレックス商法は至る所にありますね。

テレビを付けてもネットを開いても街へ出てもコンプレックスを煽る広告で満ち溢れてますね。

でもこれらに企業広告に無防備であることはいつのまにか洗脳されてるってことになりますね。

そこかしこにある企業広告のキャッチコピーにさらされてると無意識に劣等感を刷り込まれる。

そもそも劣等感も優越感も根っ子は一緒なんだが、長くなるのでやめる。

この前も「美しい太陽礼拝をするには」的な講座があった。

この「美しい」とか「美し過ぎる」と謳うところがポイント。

つまりあなたの太陽礼拝は不完全で醜いからナンチャラ先生に教わって「美しい太陽礼拝」を出来るようにしましょう!ってこと。

しかし対義を取って「醜い太陽礼拝」って何でしょう?

よしんば「美しい」太陽礼拝が出来たとしよう。

それ、どーするの?誰かに

見て見てー!私の太陽礼拝、こーんなに美しいのよー!

って見せるの?なんのために?優越感に浸るため?それで出来ない人に劣等感を植え付けるの?誰かと競い合うの?スポーツじゃないんだよ?

「男を上げるヨガ」

なんて講座もありましたね。

つまり、おい、そこのデブ、オマエは男として劣ってるんだ!恥ずかしくないのか?そんな醜い今のままで良いのか?そんな体が硬くてはオンナにモテないぞ!ナンチャラ先生みたいになりたくないか?ヨガをやって男を上げよーぜ!

って言ってるんだねψ(`∇´)ψケケケ

開脚前屈でペタっと出来ればモテモテの人生なのか?

だったら私は今頃モテモテだが…(T-T)

じゃ対義を取って「男を下げる」ってどう言うことよ?


先ずヨーガ経典のなかのどの部分に「美しくなければならない」と書いてあるんでしょうか?

どこに「身体が柔らかくなければならない」と書いてあるのでしょうか?

痩せてないとダメ、ジャンプバック・スルーが出来ないとダメ、バッタパドマアーサナが出来ないとダメ等々と書いてありますか?

なにそれをやれば男が上がるとか女があがるとかどこにも書いてないと思うが、私が見逃してるだけか?

ってかそれが目的?

そもそもあなたのヨーガをやる目的は?

痩せたいならライザップ行けば良いし、綺麗になりたいならエステに整形に、体幹を鍛えたいなら体幹トレーニング、筋肉つけたいなら筋トレ、美しく動きたいならダンスにバレエに、身体を柔らかくしたいならストレッチすれば良いだけでしょ?

どれもヨーガでなければならない理由はない。

え?スタイルの良いモデルとか女優がやってる?

彼女たちは日頃からの食事制限、ウェイトトレーニング、有酸素運動等々、血の滲むような努力の賜物としてあのスタイルを維持してるんですよ。

その上でヨーガをやってるんです。

だからスタイルが良いんです。

それか元々スタイルが良いんです(^_^)

私が批判してるのはコンプレックス商法に煽られてヨガをやること。

それは本来のヨーガの目的から大きく外れてる。

なんでもそうだが、商業化されると本来の目的から大きく逸脱した弊害が起こる。

コンプレックス克服のためにヨーガを始めたら更なるコンプレックスを生み出しちゃった、なんてことに。

ヨーガをやることで新たな葛藤を生み出したんじゃしゃーないでしょ。

コンプレックスは人と比較して成り立つんだから。

たしかに人は何らかのコンプレックスを持っている。

しかしそれで生きて行けないってことがあろうか?

日常生活に支障をきたすほどのことだろうか?

もっと言えばあなたの鼻が低いことで、胸が小さいことで、太ってることで、身長が低いことで、体が硬いことで、人に迷惑を掛けてるのだろうか?

え?デブが嫌いな人がいる?それはその人の課題であってあなたの課題ではない。

え?ブスって言われる?それはあなたをブスと思う人たちの課題であってあなたの課題ではない。

彼氏が巨乳のほうが良いって言ってる?別れろ。

ヨーガに限らずこのコンプレックス商法に振り回されるのはやめたほうが良いですね。

企業の金儲けのためにあなたの人生があるのではないのだから。

企業は本来無用の劣等感をあなたに植え付け、商品を買わせ、講座を受けさせ、儲けている。

それが企業の仕事なんだから。

そしてヨーガのためにあなたの人生があるのではない。

あなたの人生のためにヨガがある。

そこを履き違えないようにしたほうが良いですね。

そもそもコンプレックスの正体はそれをコンプレックスだと思うあなたのマインド(心)にある。

そのマインドに振り回されないようにするのがヨーガの目的だ。

さて、あなたがヨーガをする目的は?



「ヨーガの目的は、生命が持つ無条件の状態へと人々を導き、人々が自分自身の生命を大切に思えるように導くことにあります。心に影響されない生命体を手に入れることにあるのです。」byマーク・ウィットウェル

{858C7CAA-30F6-4929-B260-55F95529A0B2}

↑ハートオブヨガ提唱者マーク・ウィットウェル