思想的に多大なる影響を受け、憲法、及びそれにまつわる社会問題を見るときに根本となる指針を与えてくれたのが阪本昌成教授。

私が江戸型リバタリアンを自称するのも集産主義全般に対する反論の根拠となる思想も阪本教授によるところが大きい。

思えば江戸時代、「法の支配」に基づいて庶民たちの「自生的秩序」を重んじ「自由な経済活動」を保障するため「商人たちの独占」を禁じ「環境保護」を課題とした。

現在で云えば幕府は「小さな政府」に甘んじることによってそれを可能とした。

しかし「小さな政府」ではあっても武力によって「秩序維持」を保っていた。

「地方分権」制であってもそれによって成り立っていた。

それが仇となり海外勢力から援助を受けた「地方」が国家転覆を企み、その勢力が勝利した。

そのあとに待っていたものとは「統制」の一言。

我々が学ばなければならないのはそこにこそあるのではなかろうか。

我が国において、我々人間の持つ「理性によって社会を作り変える」(設計主義的合理主義)といった傲慢な思想がここに始まる。

そんな「致命的な思いあがり」に鉄槌を降す思想こそ「法の支配」に他ならないと思う。



そんな「法の支配」を教えてくれた阪本教授の著書がコチラ⬇


憲法理論〈1〉/成文堂

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上記の三冊はその書名通り憲法の「理論」について詳説されている。

重厚な内容でページ数も相当で読み応え充分だがスラスラ読めてしまう。

もっと軽く憲法そのものについて書かれたものでは↓

憲法〈1〉国制クラシック/有信堂高文社

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憲法〈2〉基本権クラシック/有信堂高文社

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「法の支配」や「自由」というものについて書かれた名著がこちら↓

法の支配―オーストリア学派の自由論と国家論/勁草書房

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阪本教授ご自身がハイエクの信奉者を自称されているので古典的自由主義がその基調にある。

私がハイエクに傾倒したのもその影響である。

なので左翼的憲法解釈が主流になってる現在、これから司法試験に挑まれる方には当然オススメは出来ない。

しかし、「憲法理論1~3」は現在の憲法解釈に満足出来ない、或は納得出来ない方は是非読んでいただきたいと思う。

憲法についてまったく知らないと云う方にも「憲法1、2」は安心して読める内容となっている。

現在の憲法学からすると異端視されているが、私はむしろ阪本憲法学がオーソドックスであると思う。