こちらは終戦を迎えました。。。期待が大きいシーズンだっただけに、残念過ぎる結果です。




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先週末も娘とゆっくりと過ごすことができました。土曜日はランチをしてからショッピングに出かけました。お出かけ前恒例の2ショット撮影。





もう一枚。





ファミレスでもらったドラエモンの塗り絵はちょっと早すぎましたが(笑)、子供用の椅子におとなしく座ってくれていました。最近は紙を与えるとベロベロなめて、たまに食べてしまうこともあるので注意が必要です(笑)。





周りに子供がいると気になってしかたがない娘。年上のお兄ちゃん、お姉ちゃんたちの動向をじっと観察しています。こういう時、とても賢そうに見えるのは親ばかでしょうか。





ショッピングでは冬用のダウンベスト、ベビーカーにかける冬用カバー、秋服など娘グッズを調達しました。女の子のベビー服は本当にかわいいです。



夜は両親と合流して実家の近くにある「万惣」さんに行きました。ここは5年連続ミシュランに輝いたお店です。これまで有名ラガーマンの方々もたくさん来店されています。





マスターに抱っこしてもらう娘。しばらく見つめあってました(笑)。





娘もかなり場馴れしてきた様子です。少し人見知りが始まりましたが、だいたい機嫌よくしていました。

サモア戦に備えて早めに帰宅しました。他のお客さんもみんな日本vsサモアに興味を持っておられました。





日曜日は2週連続花園ラグビー場に行きたかったのですが、娘の世話をしているうちに夕方になってしまいました。そんな休日もいいものです。あらためて生まれてきてくれた娘に感謝。





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【ラグビーワールドカップTV観戦記②】

9月18日に開幕したラグビーワールドカップ。決勝トーナメントをかけたプール戦は終盤を迎えています。まだまだ南ア、サモア撃破の余韻が残る日本代表は、今週末にアメリカとのプール最終戦に臨みます。既にワールドカップで2勝を達成して歴史を塗り替えている日本代表ですが、3勝目を勝ち取り決勝トーナメントに望みを繋ぎたいところです(サモアがスコットランドを破れば両者2勝2敗となり、日本が3勝した時点で決勝T進出決定。がんばれサモア!)。

先週末に行われたサモア戦を中心に、周回遅れではありますがプール戦前半の試合についても簡略版でレビューをまとめました。

以下、観戦記。

≪日本26-5サモア (プールB)≫ (詳細版)

*開催日時:2015年10月3日(土)

*会場:スタジアムMK(@ミルトンキーンズ)

*レフリー:クレイグ・ジュベール(南アフリカ協会)

〔得点内訳(日本)〕

*トライ:ペナルティトライ、WTB山田章仁

*コンバージョン:FB五郎丸歩×2

*ペナルティゴール:FB五郎丸歩×4

〔得点内訳(サモア)〕

*トライ:CTBポール・ペレス

〔試合経過(前半)〕

サモア代表WTBアレサナ・トゥイランギがリードするウォークライ(シヴァタウ)をじっと見つめ返すジャパン戦士たち。その表情がとても頼もしくみえた。

サモアのキックオフで試合開始。

前半2分、サモアのパワーウイングWTBアレサナ・トゥイランギがタッチライン際でWTB山田章仁をかわしたところをCTB立川理道がカバーしたものの、このコンタクトで立川が大きなダメージを受けることとなった(すぐに戦列復帰)。静かな立ち上がりでスタートしただけにサモアのフィジカルを最初に実感させられる場面となった。

前半4分、ファーストスクラムから連続攻撃を重ねた日本代表は7フェーズ目にHO堀江翔太からWTB山田章仁を走らせるグラバーキック。これが相手のFBティム・ナナイ=ウィリアムズの手に当たりタッチを割った。敵陣でのマイボールラインアウトはサモアLOフィロ・パウロにスチールを許したが、WTBアレサナ・トゥイランギがまっすぐに蹴り返したボールをWTB山田章仁が見事なキックカウンターで敵陣22m内に再侵入。このポイントから順目に攻めた日本は、4フェーズ目のラックから9-10-13-15と繋いでFB五郎丸歩がグランディング。見事な先制トライかと思われたが、直前に放たれたCTBマレ・サウのパスがスローフォワードと判定されノートライ(アシスタントレフリーはウェイン・バーンズさん)。直前にサモアのラインオフサイドがあったため、アドバンテージが採用された。

前半7分:日本FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 3-0 
(ラインオフサイド)

~80分を通じて体を張り続けたCTB立川理道(画像元:zimbio.com)~





自陣からもボールをキープしてフェーズを重ねた日本に対し、サモアが再びラインオフサイドの反則。日本はタッチキックからラインアウトをLOトンプソン・ルークに合わせてモールを形成。これに対しサモアLOケーン・トンプソンが横からアプローチして反則を取られた。

*前半11分:日本FB五郎丸歩がペナルティゴール失敗
(サモア5がモールに対するオフサイド)

FB五郎丸歩の能力からすると必ず決めて欲しいキックではあったが、この時点でゲームの主導権は日本が握っていた。

この直後サモアのドロップアウトを確保した日本だったがWTB山田章仁がライン背後に小さなキック。これを確保したサモアはFBティム・ナナイ=ウィリアムズが「待ってました」とばかりに入れ替わるようにカウンターラン。その後4フェーズ目にサモアにハンドリングエラーが起きて事なきを得た日本ではあったが、あまり好ましくないシチュエーションだった。

前半13分、日本はマイボールスクラムから8-10-12-10-11とループを交えて右展開。このラックからボールを持ち出したSH田中史朗はボックスキックを選択。サモアSHカーン・フォトゥアリイがうまく処理して、ボールを受けたFBティム・ナナイ=ウィリアムズが自陣深くからスペースを縫うようなランでゲインを図ったが、日本LOトンプソン・ルークナナイ=ウィリアムズをタッチに押し出す好守備を見せた。

15分、再び敵陣でマイボールラインアウトのチャンスを得た日本は、ラインアウトから2-4-8-12クラッシュ、ラックから9-1、ラックから9-2-9-15とボールを動かしたが、FB五郎丸歩が絡まれてノットリリースザボールの反則。これでチャンスが潰えたかと思われたが、直前にSH田中史朗とのループを決めたHO堀江翔太に対し、サモアNO・8ファイフィリ・レヴァヴェのショルダーチャージの反則が発覚。シンビンとなった。

ここで日本はペナルティゴールではなくタッチキック(→ラインアウト)を選択。ラインアウトをFLリーチ・マイケルに合わせた日本は低い姿勢のモールを形成。これに対しサモアはモールコラプシングの反則。前半17分、日本は再びタッチキック。今度はラインアウトをLOトンプソン・ルークに合わせてモールを形成しようとした日本だったが、ここは不運にもオブストラクションの反則となってしまった。敵陣に攻め込みながらも思うようにスコアが伸びない日本。嫌な空気が漂ったが、日本以上にフラストレーションがたまっていたサモアが再びラフプレーで自滅していくこととなった。

前半18分、サモアはマイボールラインアウトを起点にSHカーン・フォトゥアリイがボックスキック。キャッチ体制に入った日本WTB山田章仁に対し、サモアPRサカリア・タウラフォがエアタックル。シンビン処分となり、サモアは一時的に13人となった。

前半20分、日本は敵陣でのマイボールラインアウトから連続攻撃。相手ゴール前まで迫りながら16フェーズを重ねたが、ここはゴールを割れず。相手にオフサイドの反則があり、アドバンテージ採用。ここで日本は3点ではなく、数的優位を勘案して(トライを狙うため)スクラムを選択した。

前半23分:日本ペナルティトライ&ゴール成功 ⇒ 10-0
(スクラム)

PRサカリア・タウラフォをシンビンで欠くサモアは一時的にWTBアレサナ・トゥイランギを削ってPRヴィリアム・アファティアを投入。スクラムを7人で組む上にBKラインが1人少ないサモアに対し、日本は冷静にボールを動かせばトライを取りやすい状況にあった。そんな事を思わせた場面であったが、ここで日本が会心のスクラム。巨漢PRセンサス・ジョンストンに体重をかけられながらもPR稲垣啓太が驚異の筋力で耐えて凌ぎ、あとは8人が一塊となってスクラムを押し込んだ。クレイグ・ジュベール主審は迷わずペナルティトライ(認定トライ)を宣告(サモアのスクラムコラプシングが無ければ、日本がトライに至っていたという判断)。

次のキックオフ直後、サモアが怒涛の連続攻撃をしかけてきたが、日本代表は堅実なダブルタックルで大幅ゲインを許さず。フェーズを重ねられても我慢のディフェンスで耐え、相手が外にボールを動かしたと見るや、サモアWTBケン・ピシWTB松島幸太朗がドンピシャタックル。即座にFB五郎丸歩がジャッカルに入りターンオーバーに成功した(タッチキックで敵陣10mライン付近までエリア回復)。

前半ではあるが早くも焦りの見えるサモア。この時間帯、信じられないようなハンドリングエラーが散見された。

前半34分:日本FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 13-0
(ラインオフサイド)

前半35分、NO・8ホラニ龍コリニアシのビッグヒットで得たマイボールスクラムを起点とした連続攻撃はオブストラクションで潰えたが、日本の得点はこれだけでは終わらなかった。

前半40分:日本WTB山田章仁がトライ&ゴール成功 ⇒ 20-0
(日本11がサモアのドロップアウトを確保してラック→ラックから9-10-7→ラックから9-1→ラックから9-15-13ゲイン→ラックから9-10→ラックから9-6→ラックから3→ラックから9-10-11→ラックから9-2→ラックから7-?→ラックから9-4ゲイン→ラックから9-6→ラックから9-13→ラックから9-3-14トライ) 最後はWTB山田章仁がマッチアップしたWTBアレサナ・トゥイランギをターンでかわしてインゴールにダイブ。この試合のハイライトとなった「美しいトライ」だった。素晴らしい連続攻撃だったが、トライの2つ前のフェーズで相手タックラーを破壊したLOトンプソン・ルークのボールキャリーが特に効果的だった。

前半は20-0。日本が予想外の大量リードで折り返した。

~日本が徹底マークしたサモアSOトゥシ・ピシ(画像元:zimbio.com)~





〔試合経過(後半)〕

日本代表のキックオフで後半開始。

後半44分、日本代表はサモアPRサカリア・タウラフォがノックオンしたポイントでのマイボールスクラムで相手反則を取り、FB五郎丸歩の好タッチキックで敵陣22m内に侵入。日本がラインアウトモールを起点にボールを展開したところでサモアがラインオフサイドの反則を犯した。

後半47分:日本FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 23-0
(ラインオフサイド)

ひとまず日本代表は3トライ3ゴール(計21点)でも逆転を許さない「安全圏」に身を置いた。

ここでサモアはFL TJイオアネWTBアレサナ・トゥイランギの2人がアウト。FLジャック・ラムCTBレイ・リーロがイン(ポール・ペレスが左ウイングに移動)。スタンドで見守るマヌー・トゥイランギ(元イングランド代表のトゥイランギ兄弟末弟。不行跡があり現在は代表を外れている。)の浮かない表情がTV画面に映し出されていた。

後半48分、23点差が付いた直後のキックオフを競り合いの結果確保したサモアは、左ウイングにポジションを変えていたポール・ペレスのゲインをSHカーン・フォトゥアリイがサポートして、一気に日本陣深くまで前進した。ゴールまで5mのラックから順目に5フェーズ重ねたポイントからSOトゥシ・ピシがサイドチェンジ。スペースをすり抜ける得意のランだったが、日本代表NO・8ホラニ龍コリニアシがしっかりと読み切ってタックル。直後のラックでサモアがノックオンを犯した。ここで日本は自陣ゴール前でのスクラムをグイグイ押し込んでサモアの反則を誘発する。「スクラムで圧倒するということは、こんなにゲームを優位に進めることになるのか」というわかり易い場面となった(TV画面には日本のスクラムを指導してきたダルマゾの姿が映し出された)。

後半52分、日本代表は敵陣ラインアウトを起点に連続攻撃を重ねたが、4フェーズ目のラックからボールがこぼれたところにサモアLOケーン・トンプソンが身を挺してセービング。仕事師として知られる彼らしい渋いプレーだった。

後半54分、今度は日本に好ディフェンス。日本陣10mライン付近からサモアがラインアウトを起点にアタック。5フェーズ目、ラックにボールを持ち込んだLOケーン・トンプソンに対し日本代表NO・8ホラニ龍コリニアシが絡み、さらにイーブンボールにFLリーチ・マイケルが飛び込んでキープした。この後、日本代表が敵陣深くにボールを蹴りこみ、サモアがポール・ペレスのカウンターランを起点にハーフウェイ付近までエリアを戻した。この一連のアタックでサモアCTBレイ・リーロの足が日本WTB山田章仁の頭に入るアクシデントが起こった(担架で運び出された山田に代わりヘスケスがイン)。

後半57分、日本は敵陣22mラインを跨いだポイントでのマイボールスクラムから左展開。PR稲垣啓太が低い姿勢でボールキャリーしたところにサモアFLオフィサ・トレヴィラヌスがハイタックルの反則を犯した。23点差ということを考えるとタッチキックからトライを狙う判断も考えられたが、直前のサモアの鋭いキックカウンターを見せつけられた日本としては、保守的な判断をせざるを得なかったのかもしれない(この時間帯から日本のフィットネスも低下)。

後半58分:日本FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 26-0
(ハイタックル) 

これでサモアが4トライを挙げても、ゴールを全て成功させない限り逆転されなくなった。

しかしこの直後、サモアが自陣ゴール前から95mを切り返しす見事なアタックを見せた。

後半63分:サモアポール・ペレスがトライ&ゴール失敗 ⇒ 26-5
(敵陣での相手ボールスクラム直後のラックで日本7がターンオーバー→日本は7-2-6と繋ぎゴール前まで前進→このラックで再びサモアがターンオーバーして左展開し13がハーフウェイまで前進→ラックから9-10-8-23-14-23→ラックから9-6→ラックから9-16→ラックから9-19→ラックから9-18→ラックから9-10-14-15-13トライ) FLマイケル・ブロードハーストの見事なターンオーバーでチャンスを掴んだ日本だったが、FLリーチ・マイケルがゲインしたポイントにSH田中史朗の到達が遅れたことが悔やまれる場面だった。試合途中からウイングに回り、「水を得た魚」のようにキレが戻ったポール・ペレスが大きくゲイン。最後もやはりポール・ペレスに繋いでこの試合のサモア初トライとなった。セブンズ仕込みの見事なランニングスキルを披露した。

この時点でラスト15分。点差は21点。日本としては立て続けに反撃のトライを許すことだけは避けたかった。自陣深くから無理攻めしてきたサモアからボールを奪った日本は堅実にラックを連取。テリトリー、ポゼッションを支配しながらシンプルなプレーに徹していた。後半69分には日本の連続攻撃に対しサモアが倒れこみの反則。日本はここでもタッチキックではなくペナルティゴールを選択した。日本の選手達の足が止まりつつあった時間帯ではあったが、NO・8アマナキ・レレイマフィWTBカーン・ヘスケスといったフレッシュな選手が投入されていた状況を考えれば、冒険して欲しかった場面である。

*後半69分:日本FB五郎丸歩がペナルティゴール失敗
(倒れこみ)

ラスト10分、フィットネスがきつくなりイージーなミスが出始めた日本だったが、テリトリー/ポゼッションは支配していた為、危なげなく時間が経過した。

81分、FB五郎丸歩がボールを蹴りだして試合終了。

~サモアを苦しめた日本のダブルタックル(画像元:zimbio.com)~





日本はここまで大きく負け越していたサモア相手に、ワールドカップの舞台で大差(21点差)での勝利を挙げるという快挙を成し遂げた。勝因はいくつも挙げられる。①スクラムを中心にセットプレーを支配したこと、②低い姿勢のボールキャリー、③徹底したダブルタックル、④ディシプリンなどなど。①~③に共通するのが姿勢の低さである。この「低さ」だけでいくつの反則を誘発したか。エディー・ジョーンズのもと行われてきたハードトレーニングの成果である。

サモアにとっては悪夢のような結果となった。サモアはこれまで同様フィジカルで日本を圧倒し、相手が疲れたところでトライを重ねる予定だったはず。しかし、思うようにいかないプレーの連続に冷静さを欠き、反則を繰り返して自滅してしまった。反則の内容もコンタクト局面でのグレーゾーンを狙った(日本にとって)嫌らしいものは少なく、ラフプレーと単純なラインオフサイドが主であった。プレビューに記したようにブレイクダウン周辺でしつこいプレーができるFLジャック・ラムをスターターで起用しなかったことは、サモアにとって明らかに裏目となっていた。個々の選手のキャリアを見ると一流選手が揃うサモア。アピアでオールブラックスを苦しめたようにポテンシャルは誰もが認めるチームである。最終戦となるスコットランド戦はもう一度モチベーションを立て直して日本を援護して欲しい。なお、試合後サモアチームから日本チームFB五郎丸歩に対しMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)が進呈された。相手チームから認められたMOM、五郎丸にとって最高の勲章となった。


~日本ラグビー界の顔となった五郎丸歩(画像元:zimbio.com)~





≪フランス32-10イタリア (プールD)≫

9月19日、トゥイッケナムで行われたプールDの1戦。プールDはアイルランドとフランスが2強、そこにイタリアがどこまで食い込めるかが焦点となっていた。10月11日に予定されているアイルランドとのプール最終戦までは負けられないフランスが、危なげなくイタリアを下した。

序盤からフランスがコンタクト局面で優勢に立ち、SOフレデリック・ミシャラクのブーツで3点を刻みながら順調に点差を広げていった。15-3で前半終了。初戦の緊張感からか、フランスの手堅いゲーム運びが印象に残った。対するイタリアはペナルティが多め。

後半に入り硬さが取れたフランスに見せ場が到来。後半43分、フランスWTBノア・ナカイタシが自陣からビッグゲイン、さらにサポートしたHOギエム・ギラドがゴール前まで前進。3フェーズ目のラックから9-10-3と繋ぎトライ(22-3)。最後はSOフレデリック・ミシャラクが右足アウトにかけたグラバーキックにPRラバ・スリマニが反応してグランディングした。後半53分、イタリアもWTBジョバンヴァティスタ・ヴェンディッティのトライで一旦点差を詰めはしたが(25-10)、後半69分に敵陣ゴール前でピック&ゴーを繰り返したフランスがダメ押しトライを加えて逃げ切った(32-10)。

フランスは前半の40分間こそ硬さが見られたが、後半は積極的なアタックを繰り出した。前回大会に続き主将を務めるFLティエリー・デュソトワールが要所でターンオーバーするなど存在感は際立っていた。対するイタリアは大黒柱のNO・8セルジオ・パリセを欠いたのが痛かった。シックスネーションズではホームゲームでフランスに土を付けることもあるイタリアだが、さすがワールドカップの舞台では世界ランキング通りの実力差が出た印象である。


~2003年大会から出場しているベテランSOフレデリック・ミシャラク(画像元:zimbio.com)~





≪オーストラリア28-13フィジー (プールA)≫

9月23日、ミレニアムスタジアム(@カーディフ)で行われた1戦。開幕ゲームで地元イングランド相手に好ゲームを見せたフィジーが、強豪オーストラリア代表ワラビーズにチャレンジした。

この試合が初戦だったワラビーズは立ち上がりから再三にわたり敵陣22m内に侵入したものの、ハンドリングエラーが続きなかなかトライを奪えず。それでも前半26分、31分とラインアウトモールから手堅くトライを重ねて、リードを保ったまま前半を折り返した。ワラビーズはマイケル・フーパーデヴィッド・ポーコックを併用する布陣で臨んだが、両者ともに持ち味を発揮。特にここのところ本職ではないナンバーエイトで起用されているポーコックは得意のブレイクダウン周辺の仕事だけでなく、ボールキャリアとしての存在感も光っていた。対するフィジーはワラビーズのアタックに対して大崩れすることはなかったが、ペナルティの数が多く、そのまま失点に繋がっていた。スクラムでは健闘を見せたが、モールへの対応はうまく行ってなかった。

後半43分、ワラビーズは敵陣でのラインアウトを起点にワイドに連続攻撃を重ね、最後はPRセコペ・ケプがトライ(25-3)。ようやくボールを大きく動かしたワラビーズらしいアタックからトライを奪った。このままじりじりとワンサイドゲームに傾くかと思われたが、PGで3点を返したフィジーに、後半59分待望のトライが生まれた(25-13)。敵陣深くでのラインアウトモールからボールを大きく右に展開し、折り返しのフェーズでボールを受けたSOベン・ボラボラが相手両ロックの間をすり抜けるようにしてインゴールに到達する見事なトライであった。しかし、後半69分にはこれまでフィジーが健闘していたスクラム戦でワラビーズが相手を粉砕。この時点で12点差となりゲームが引き締まっていたこともあり、ワラビーズは4トライ目(ボーナスP)を狙わずSOバーナード・フォーリーのブーツで安全圏となる15点差に広げた。ゲームはこのまま終了。

ワラビーズは初戦ということもあり硬さも見られたが、終わってみれば安定した試合運びで勝利を手にした。注目のFBイズラエル・フォラウは再三のゲインを見せていたが、フィジーも粘りのディフェンスでよく対応していた。手足が長く身体能力の高いフィジアンならではのディフェンスも見られた。今やフィジーの中心選手として欠かせない「元軍人」LOレオネ・ナカラワはラインアウトを始め、ボールを持てば得意のオフロードパスを繰り出すなど、この試合でも存分に楽しませてくれた。

なお、この試合マッチアップした両チームの10番、SOバーナード・フォーリーSOベン・ボラボラは共にワラタスに所属する選手だった(ボラボラは来季からNZに渡りクルセイダーズに加入)。またワラビーズ13番のCTBテヴィタ・クリンドラニとフィジー11番のWTBネマニ・ナドロは従兄弟どうしである。さらにフィジーの1番PRキャンピージ・マアフの兄PRサレシ・マアフは元ワラビーズである(彼らは豪州育ち、父親がキャンピージのファン)。

WTBネマニ・ナドロ(右)とSHウィル・ゲニアのマッチアップ(画像元:zimbio.com)~





≪アルゼンチン54-9ジョージア (プールC)≫

9月25日にグロスターで行われた1戦。重量FW擁するジョージアがどこまでアルゼンチン代表ロス・プーマス相手に対抗できるかが焦点だった。

ジョージアはファーストスクラムで組み勝つなど序盤から強みを全面に押し出した。対するロス・プーマスはドロップゴールで先制した後(3-0)、FW真っ向勝負ではなく細かいパス回しでジョージアを翻弄し、前半9分にこの試合初トライを記録した(8-0)。この後、お互いにペナルティゴールで3点を刻みあい、14-9とロス・プーマスリードで前半を折り返した。ジョージアは戦前の期待通りスクラム戦で優位に立ち、コンタクト局面でもロス・プーマスのボールキャリアをチョークタックルで仕留めるなど自慢の腕力を大いに見せつけた。

後半も暫く競った状態が続くと予想されたが、後半44分ジョージアに思わぬ落とし穴が待っていた。チームの中心である「ゴルゴジラ」ことNO・8マムカ・ゴルゴゼをシンビンで失ったジョージアは大いに浮足立った。ここを見逃さなかったロス・プーマスの集中力はさすが。後半46分にSHトマス・クベッリ(ゴール前スクラムを起点に8-9)、後半48分にWTBフアン・イモフ(キックオフ直後自陣からボールを繋ぎトライ)、後半52分にWTBサンチャゴ・コルデロ(ラインアウトから一発で取りきる)が立て続けにトライを重ねてリードを広げた(35-9)。まさに「鬼の居ぬ間に・・・」という状況であった。ロス・プーマスは前半苦労したスクラムを改善させるなど、柔軟な修正能力を発揮して最終スコア54-9でジョージアに大勝した。

南半球4か国対抗でもまれているロス・プーマスの底力を垣間見たゲームであった。前半はジョージアの強みをまともに受ける場面も見られたが、ターニングポイントとなった相手主将のシンビンを見逃さなかった。普段オールブラックスやスプリングボクスにやられていることをジョージア相手に爆発させたようなゲームだった。

~プーマスのダイナモ、SHトマス・クベッリ(画像元:zimbio.com)~




≪イングランド25-28ウェールズ (プールA)≫

日本vs南アフリカに続いて、ここまでの大会ベストマッチと言える名勝負。イングランドは開幕戦でフィジーを破り、ウェールズも初戦でウルグアイに大勝してこの試合を迎えた。開催国イングランド、オーストラリア、ウェールズの三つ巴の戦いが予想されたプールAの中では、早くもサバイバルマッチと言える大一番だった(この試合に負けたチームがプール戦を突破するためには、後に控える「ワラビーズ戦での勝利」が必須となる)。

次の「プリンス・オブ・ウェールズ」となるウィリアムズ王子はウェールズ代表、弟ヘンリー王子はイングランド代表を応援した。




9月26日。舞台はもちろんトゥイッケナム。8万人を超える観客が見守る中、前半から主導権を握ったのは地元イングランドだった。お互い3点を刻みあって9-6とイングランドがリードして迎えた前半26分、この試合初となるトライがイングランドに生まれた。敵陣ラインアウトを起点に左展開。ブラインドウイングのWTBアンソニー・ワトソンからFBマイク・ブラウンへのパスが乱れたものの、ブラウンがうまく足でトラップして粘り強くキープ。このラックからSHベン・ヤングスがブラインドサイドに持ち出して、最後はWTBジョニー・メイがタッチ際を走りきってインゴールに到達した(16-6)。対するウェールズも終了間際にCTBスコット・ウィリアムズのラインブレイクで敵陣に攻め込み、イングランドのラインオフサイドを誘発。3点を返して1トライ1ゴール圏内の7点ビハインドで前半を折り返した。両軍選手達の集中力がすさまじく、あっという間の40分間だった。

後半に入っても両者ともにハイパントを多用する保守的なゲームメイクに徹したが、ハンドリングエラーの少ない引き締まった展開が続いた。双方のキッカーもここまでノーミスで3点を刻み続け、後半50分を過ぎてスコアは22-15と依然イングランドが7点をリードしていた。後半58分、ウェールズSOダン・ビガーが難しい角度のペナルティゴールを成功させ4点差に迫ったものの(22-18)、WTBハラム・アモス(肩)、FBリーアム・ウィリアムズ(脳震盪)が次々とグランドを去る悪夢のような展開となり、リザーブのスクラムハーフSHロイド・ウィリアムズを左ウイングに配置する緊急体制となった。そんな状況の中、後半68分イングランドが再びペナルティゴールで7点差に戻した際には(25-18)、正直「ウェールズもここまでか・・・」と思わされた。

運命のラスト10分、ここに誰もが想像できなかったドラマが用意されていた。後半70分、ウェールズは敵陣ラインアウトを起点に連続攻撃。イングランド守備網の圧力を受けながらポイントを徐々に下げられるウェールズ。しかし8フェーズ目に左ウイングに入っていたロイド・ウィリアムズが左タッチライン際から中央へ転がしたグラバーキックにSHガレス・デーヴィスが反応してトライ(25-25)。ここまでトライの香りのしなかったウェールズがスクラムハーフ2人で局面を打開した瞬間だった。これで同点。場内がざわつく中、さらに後半74分ウェールズPRゲスィン・ジェンキンズが相手ボールキャリアに絡みノットリリース。50m弱の距離があったものの、既にゾーンに入っていたSOダン・ビガーには全く問題なし。遂にウェールズが勝ち越しに成功した(25-28)。ラスト3分、敵陣深くでイングランドがラインアウトのチャンスを掴み、FLクリス・ロブショウに合わせてモールを形成。しかし、モールが形成された瞬間、ウェールズFW陣が一塊となりモールに襲い掛かり、そのまま一気にタッチへ。根性のモールディフェンスを見せた。最後はこの日精密機械と化していたウェールズSOダン・ビガーがボールを蹴りだすなり、ようやく感情を爆発させながらガッツポーズ!しびれるような80分の死闘はウェールズに軍配があがった。

満身創痍の中、逆転勝利をあげたウェールズ。相手に主導権を握られながらも、僅差で食らいつけた要因にダン・ビガーのキックと個々のタックルが挙げられる。お手本のようなロータックルを連発したFLダン・リディエイトを中心に、自陣ゴールラインを背負っても崩れなかったディフェンスの勝利である。キッカーを務めたダン・ビガーは体を小刻みに震わせる独特のルーティーンを経て、完璧なキックを成功させ続けた。大会直前に離脱したFBリー・ハーフペニー(北半球最高のプレースキッカー)の代役というプレッシャーを見事にはねのけた1戦であった。


~ウェールズを勝利に導いたSOダン・ビガーの右足(画像元:zimbio.com)~














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*今日の一曲⇒★★★★★
Average White Band 
"I'm The One"
1976