土曜日は前日に引き続き、熊本から遊びに来ていた友達と酒場放浪をしました。昼過ぎに合流して1軒目はビアホール「ミュンヘン」で乾杯しました。ミュンヘン名物のから揚げを食べながら、サッポロ生ビールを飲みました。「サッポロ」ならではの良質なホップの味がたまりません。



2軒目は定番のたこ焼き屋さんに案内しました。子供の頃に近所で食べていたべちゃっとしたたこ焼きが懐かしいです(笑)。




2軒回ったところでちょうど2時前になったので、スポーツバーのHUBに移動して、ラグビー観戦に付き合ってもらいました。日本vsイタリアの応援です!ラグビー目当てで来られていた方は殆ど見かけませんでしたが、一番大きい画面の前で1人盛り上がっていました。結果は日本がテストマッチ10連勝となる歴史的勝利を納めました(詳細は下記)。世界ランキングも念願の10位に上昇しました。




お店の前でプレースキッカーの五郎丸選手の真似をしてみました。顔と手の角度が違いました(笑)。同時刻に行われていたカープ戦の速報もスマホでチェックしながら観戦していましたが、カープも見事に5連勝を飾りました!大型連敗の後に5連勝で魔の交流戦を締めくくることができました。




最高の気分で鶴橋に移動して、串焼きの「大門」に行きました。開店時間が5時だったのですが、4時半頃から並んで一巡目に入店することができました。お店の雰囲気がかなり大阪っぽいので、とても喜んでもらえました。マスターは決して怒っているわけではありません(笑)。1人13~15本は食べました。




大阪の串文化と言えば串カツ。最後は串カツ「七福神」に行ってお開きとしました。ここでは10本くらい食べました。



こんな感じでかなり栄養バランスの悪い一日となりましたが(笑)、仲の良い友達とお昼から飲み歩くのは楽しいものです。こんどは8月に熊本で一緒に飲み歩きたいと思います。




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【日本代表、イタリア代表を撃破!歴史的初勝利!】

まずは土曜日に行われた「リポビタンDチャレンジシリーズ」のイタリア戦から振り返ります。昨年の対ウェールズに続き、シックスネーションズのチームに勝利することができました。

≪日本代表26-23イタリア代表≫

*開催日時:2014年6月21日(土)

*会場:秩父宮ラグビー場

〔得点内訳(日本代表)〕

*トライ:WTB山田章仁CTBマレ・サウ

*コンバージョン:FB五郎丸歩×2

*ペナルティゴール:FB五郎丸歩×4

〔得点内訳(イタリア代表)〕

*トライ:ペナルティトライ、NO・8ロベルト・バルビエリ

*コンバージョン:SOルチアーノ・オルケラ×1、SOトンマーゾ・アラン×1

*ペナルティゴール:SOルチアーノ・オルケラ×3

〔試合経過:前半〕

6月のテストシリーズ最後の大一番を控えた秩父宮ラグビー場には、13816人(公式発表)のファンが詰めかけました。

この試合を担当するレフリーは、スーパーラグビーや世界のテストマッチでおなじみのヤコ・ペイパーでした。南アフリカ協会を代表する国際レフリーとしては、現在クレイグ・ジュヴェールに次ぐ存在です(昨年の日本vsNZを担当したスチュアート・ベリー、日本vsウェールズを担当したローレンス・ファンデルメルヴァも共に南アフリカ協会所属)。

イタリア代表は12番で先発予定だったCTBアンドレア・マージに代わりCTBゴンサロ・ガルシアへのレイトスクラッチがありました。

現在9連勝中の日本代表に対する期待感が高まる中、イタリアのキックオフで試合が開始されました。

イタリアはキックオフボールを自ら確保する好プレーでスタートしましたが、直後のラックで日本がカウンターラックを仕掛けてターンオーバーに成功すると、たまらずイタリアは倒れこみの反則を犯しました。この攻防を見て直観的に「今日は行けるな」と感じました。

前半4分:日本代表WTB山田章仁がトライ&ゴール成功 ⇒ 7-0
〔日本は自陣からの連続攻撃で敵陣に侵入すると、9-11を狙ったグラバーキック⇒イタリア15がインゴールで押さえて、ドロップアウト⇒ドロップアウトをキャッチした日本8が相手タックラーをかわしてゲイン⇒外側をサポートした14に繋いでトライ〕 NO・8ホラニ龍コリニアシが個人技で抜け出した場面でしたが、イタリアの外側のディフェンスが何故か不在という幸運な形でした。

前半8分:イタリアSOルチアーノ・オルケラがペナルティゴール成功 ⇒ 7-3
〔倒れこみ〕

前半13分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 10-3
〔倒れこみ〕 日本は敵陣22m内でのラインアウトモールを起点に連続攻撃。10フェーズ目にCTB田村優のグラバーキックを相手に押さえれるも、直前のアドバンテージが採用されました。

前半17分:イタリアがペナルティトライ&ゴール成功 ⇒ 10-10
〔イタリア8が日本陣内深くでのスクラムからサイドアタック⇒ラックから9⇒ラックから5⇒ラックから9-3⇒ラックから9-10-12-13⇒ラックから9-11と大外へ放ったパスを日本14がインテンショナルノックオン(TMO)⇒ペナルティトライ〕 最後から2番目のフェーズでイタリアCTBミケーレ・カンパニャーロの突破をよく防いだ日本代表でしたが、外側にオーバーラップを作ってしまいました。パスが通れば99%トライとなるシチュエーションで相手パスに反応した日本代表WTB山田章仁が、結果としてボールをはたいてしまいました。これでシンビンとなりました。

前半22分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 13-10
〔オフサイド〕

ここまで緊張感のあふれるシーソーゲームが続いていました。WTB山田章仁のシンビンで1人少なくなった日本代表でしたが、この時間帯を無失点どころか+3点で乗り切りました。途中イタリアCTBゴンサロ・ガルシアのグラバーキックが絶妙な位置に転がりピンチを迎えた日本代表でしたが、SH田中史朗がギリギリインゴールに転がり込むのを待って押さえる好守備で対応したプレーは大きかったです(キャリーバックで相手ボール5mスクラムとなることを阻止)。冷静かつ勇気のあるプレーでした。

32分には日本代表CTB田村優がラインブレイクで抜け出すビッグチャンスが訪れましたが、サポートプレーヤーの到達が遅れてノットリリースザボールとなってしまう惜しい場面がありました。

前半36分:イタリア代表SOルチアーノ・オルケラがペナルティゴール成功 ⇒ 13-13
〔モールオフサイド〕

*前半39分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール失敗
〔ノット10m〕

前半は13-13の同点で折り返しました。

日本が勝利するとしたら接戦を制する形になる可能性が高いことから、日本にとっては悪くない前半の結果でした。お互いハイプレッシャーな状況の中、ハンドリングミスが多く起きましたが、今シリーズ日本が自信を深めていたスクラムの安定もあり、いずれも致命的な状況にはなりませんでした。但し日本が9シェイプを中心にフェーズを重ねても、イタリアの堅牢なディフェンスは簡単に穴を作ってくれませんでした。また相手が2m級の選手を擁すラインアウトでも、予想通り日本は苦戦を強いられていました。

〔試合経過:後半〕

後半は日本代表のキックオフで開始。

後半43分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 16-13
〔ハンド〕 相手FKを得た日本はSH田中史朗のクイックリスタートを起点に果敢に連続攻撃。イタリアWTBジョヴァンバティスタ・ヴェンディッティがラックの中でハンドの反則を取られてシンビンとなりました。

後半48分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 19-13
〔ノックオンオフサイド〕 SO立川理道の信じられないようなノックオンの後のスクラムで、相手NO・8ロベルト・バルビエリに対して、日本代表SH田中史朗FLジャスティン・アイブスが好プレッシャーをかけてノックオンオフサイドを誘いました。

後半52分:イタリアSOルチアーノ・オルケラがペナルティゴール成功 ⇒ 19-16
〔スクラムコラプシング〕

後半に入って連続得点で6点差を付けた日本代表でしたが、イタリアもスクラムで意地を見せて再び3点差に迫りました。なかなか点差が開かないゲーム展開でしたが、この後日本代表の我慢強いアタックと勇気ある選択が結実し、最大得点差の10点差に広がりました。

後半59分:日本代表CTBマレ・サウがトライ&ゴール成功 ⇒ 26-16
〔ラインアウトから11フェーズの連続攻撃を継続した日本代表は、敵陣22m内に侵入したところで9が相手に捕まりラックアンプレアブル⇒敵陣での日本ボールスクラムから再開し、スクラムでのアドバンテージをもらいながら左展開⇒ボールを8-9-10-12-10-11とループを交えながらうまく左へ動かした日本代表でしたが、最後の10-11を狙ったパスが大きく浮いてしまいタッチ⇒先ほどのスクラムでの相手反則によるアドバンテージポイントに戻った日本代表は、なんとペナルティゴールではなく、スクラムを選択!⇒このスクラムから8がサイドアタック⇒ラックから6⇒ラックから14⇒ラックから9-6⇒ラックから9-3⇒ラックから9-10-13⇒ラックから9-14⇒ラックから9-10-15⇒ラックから9-5⇒ラックから9-3⇒ラックから9-12-10⇒ラックから15⇒ラックから9-2-11⇒ラックから6⇒ラックから9-2⇒ラックから1⇒ラックから9-10-12-13と繋ぎ、13がトライ〕 17フェーズに及びアタックを継続した日本代表が試合の流れを大きく引き寄せるトライを奪いました。フォワードを中心に我慢してボールをキープして、最後は最も決定力のあるCTBマレ・サウに繋ぎインゴールを陥れました。

10点のリードを許したイタリアは突破力のあるフィジアンFLマノワ・ヴォサワイを投入して猛反撃を開始しました。同じく交代で投入されたSHグリエルモ・パラッツァーニを中心にアタックのテンポを上げてくるあたり、流石はシックスネーションと思わせる迫力を感じさせました。しかし、SOルチアーノ・オルケラの精度の高いキックパスが通ればトライというピンチにWTB山田章仁が体を張ったディフェンスで相手のノックオンを誘うなど、日本も粘り強いディフェンスを見せていました。

しかし、ラスト7分を切ったところで、イタリア代表が遂にワンチャンスを決めて、3点差に迫りました。

後半74分:イタリアNO・8ロベルト・バルビエリがトライ&ゴール成功 ⇒ 26-23
〔日本代表12が自陣22m内からノータッチキック⇒イタリア代表が15-23と繋ぎカウンターラン⇒ラックから持ち出した11が密集をゲインして8へオフロードパス⇒キック直後のディフェンスが整っていなかった日本はイタリア8の独走を許してトライ〕 

残り5分。自陣で反則を犯しても即追いつかれるという緊張感あふれる状況でした。セオリー通り、キックオフを深めに蹴りこんだ日本に対し、イタリアは手堅く自陣22m内からタッチキックを選択しました。このラインアウトでイタリアが人数オーバーとなる幸運な反則を犯し、FKから日本はスクラムを選択しました。この土壇場のスクラムで日本が試合巧者ぶりを発揮!スクラムの組み直しで時間をうまく使い、最後は焦ったイタリアがロスタイムで遂にペナルティ。FB五郎丸歩がタッチに蹴りだして、対イタリア代表戦初勝利を飾りました!

最終スコア26-23で日本代表が勝利して、テストマッチ10連勝を飾りました。

対戦相手と実力差のあるアジア5か国対抗は別として、6月のウインドウマンスに行われたサモア、カナダ、アメリカ、イタリアに対する連勝は本当に価値あるものでした。確かにサモアは2軍編成でしたし、主力の多くが欧州でプレーするカナダとアメリカの準備不足、フィジーとサモアに敗れたイタリアが本調子では無かったという要素を指摘することはできます。それらを差し引いてもテストマッチでは勝利するという結果が最も重要で、念願のランキング10位にまで順位を押し上げることに成功しました(75.39ポイント)。これでまたティア1諸国とのマッチメイクにも追い風となり、強化の原動力となります。エディ・ジョーンズHCを中心としたコーチ陣と選手たちの努力を応援しています!

試合内容ですが、日本にとっては理想的なアタックができなかったかもしれませんが、イタリアの強みである近場の攻防とスクラムで十分に対抗しました。特に8人が一体となって組むスクラムは美しいの一言でした。フロントロー3人はスクラムだけでなくフィールドプレーでも活躍が光りました。今後、ラインアウトの整備とアンストラクチャーでのディフェンスを整備すれば、強豪国とも安定した戦いができるはずです。

イタリア代表は終盤の猛攻こそ迫力を感じさせましたが、パシフィックアイランド遠征で連敗してきた不調を引きずっていました。自信をもっているスクラムで思わぬ抵抗を受けたことにより、ゲームプランにも狂いが生じたように感じました。高温多湿な日本でフィットネス面でも誤算が生じたかもしれません。シックスネーションズも含めると9連敗となってしまったイタリア代表。この状況を打破する為には、イタリアラグビー界のカリスマNO・8セルジオ・パリセ主将を中心にもう一度まとまる必要があります。イタリアにも巻き返しを期待したいです。


~イタリアFLマノワ・ヴォサワイにダブルタックルに入るFB五郎丸歩FLリーチ・マイケル(画像元:smh.com.au)~





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【6月テストマッチ(WEEK3)結果①】

6月のテストマッチは最終週が終わりました。北半球勢は束の間のオフシーズンに入ります。対する南半球勢はスーパーラグビーが大詰めに向かい、その後、ザ・ラグビーチャンピオンシップへと繋がります。

≪オールブラックス36-13イングランド代表≫

*開催日時:2014年6月21日(土)

*会場:ワイカトスタジアム(@ハミルトン)

〔得点内訳(オールブラックス)〕

*トライ:WTBジュリアン・サヴェア×3、SHアーロン・スミス×2

*コンバージョン:SOアーロン・クルーデン×3、SOボーデン・バレット×1

*ペナルティゴール:SOアーロン・クルーデン×1

〔得点内訳(イングランド代表)〕

*トライ:WTBマーランド・ヤード

*コンバージョン:SOフレディ・バーンズ×1

*ペナルティゴール:SOフレディ・バーンズ×2

〔試合経過:前半〕

ハカは第2戦に続きカパオパンゴでした

イングランドのキックオフで試合開始。そのキックオフでいきなりノット10mのミス。オールブラックスボールのセンタースクラムとなりました。

*前半2分:イングランドSOフレディ・バーンズがペナルティゴール失敗
〔センタースクラムから球出しを試みたオールブラックス8に対しイングランド7が絡みノックオン⇒オールブラックス7がこぼれ球を確保するも、イングランド7が絡んでノットリリースザボール〕 脳震盪で欠場が続いてたオールブラックスNO・8キアラン・リードにとっては試合勘が戻りきる前のミスだったかもしれません。

前半3分:オールブラックスWTBジュリアン・サヴェアがトライ&ゴール失敗 ⇒ -0
〔イングランド15が自ら22m内に持ち込んだボールをダイレクトタッチキック⇒オールブラックスは敵陣22m内でのラインアウトから2-4モール⇒モールから9-12-14-9-15-11トライ〕 CTBマア・ノヌーからWTBコーリー・ジェーンへのパスが乱れましたが、WTBコーリー・ジェーンがうまく拾ってSHアーロン・スミスに繋ぎ、結果としてループのような形になりました。大外でオーバーラップができて、WTBジュリアン・サヴェアがインゴールに飛び込みました。

前半7分:イングランドSOフレディ・バーンズがペナルティゴール成功 ⇒ -3
〔ラックオフサイド〕 イングランドが敵陣ラインアウトモ-ルから9-13と繋ぎ、CTBマヌー・ツイランギが縦クラッシュしたポイントで、オールブラックスSHアーロン・スミスがラックオフサイドを犯しました。

前半8分:オールブラックスWTBジュリアン・サヴェアがトライ&ゴール成功 ⇒ 12-3
〔キックオフボールを確保したイングランド5をタッチに押し出す⇒オールブラックスは敵陣ラインアウトから2-8-9-7-10ブレイク-11トライ〕 1本目と同じラインアウトからの左展開1発で取り切りました。FLリッチー・マコウを経由してSOアーロン・クルーデンにボールが渡り、相手の両センターの間をブレイクしました。最後は大外への飛ばしパスがワンバウンドしましたが、雨でスリッピーな状況にも関わらずWTBジュリアン・サヴェアがうまくボールを捕球し、内に切れ込んでインゴールに達しました。

前半13分、相手の反則(スクラムコラプシング)で敵陣に侵入したオールブラックスは、三度ラインアウトからチャンスを掴みました。ラインアウトをNO・8キアラン・リードに合わせたオールブラックスはモールから7-9-12-10-15-11と繋ぎ、WTBジュリアン・サヴェアが早くもハットトリック達成かと思われましたが、直前のFBベン・スミスのパスが惜しくもスローフォワードとなりました。トライにこそなりませんでしたが、相手のディフェンスにシステム上の不備を発見するや否や、徹底的にその部分を突くオールブラックスの厳しさを感じさせる攻撃でした。

前半17分:オールブラックスSOアーロン・クルーデンがペナルティゴール成功 ⇒ 15-3
〔ハンド〕 敵陣での相手ボールラインアウトをスチールしたオールブラックスはPRオーウェン・フランクスのクラッシュを皮切りに6フェーズに渡り順目に近場をアタック。LOブロディ・レタリックがピック&ゴーでゴール前に前進したポイントでイングランドがたまらずハンドを犯しました。コンタクトエリアでオールブラックスがことごとく食い込みまくっていました。

前半19分:イングランドSOフレディ・バーンズがペナルティゴール成功 ⇒ 15-6
〔オフザゲート〕 

前半21分にはイングランドNO・8ビリー・ヴニポラがオールブラックスSHアーロン・スミスに対しハイタックルでシンビンとなりました。この反則を機にタッチキックで敵陣に侵入したオールブラックスは、ラインアウトから2-4-9-2とブラインドサイドのHOダン・コールズにボールを戻すサインプレーを選択し、タッチライン際をビッグゲイン。最後は内側をサポートしたSHアーロン・スミスへのリターンパスが通らずにタッチに出るという惜しい場面でした。ウェリントンやハリケーンズでは度々見られるHOダン・コールズの豪快なランプレーですが、オールブラックスでも持ち味を発揮した場面でした。

前半26分:オールブラックスSHアーロン・スミスがトライ&ゴール成功 ⇒ 22-6
〔イングランド10のダイレクトタッチキック⇒オールブラックス敵陣10mライン付近でのラインアウトから2-4-9-11⇒ラックから9-10-13⇒ラックから9-8-15-14(ゲイン)-9トライ〕 大外でボールを受けたWTBコーリー・ジェーンが瞬間的に内側にステップを切り、マッチアップしたイングランドWTBマーランド・ヤードを置き去りにしたプレーが見事でした。このシリーズ2戦は出来が悪かったコーリー・ジェーンでしたが、この試合では随所にセンス溢れるプレーを見せて、アタックの潤滑油となっていました。

前半33分:オールブラックスSHアーロン・スミスがトライ&ゴール成功 ⇒ 29-6
〔敵陣22mライン付近でのラインアウトから2-8-9-10-13⇒ラックから9-10-12-15-9と繋いでトライ〕 直前のオールブラックスの連続攻撃でボールを持ち込んだFBベン・スミスに対してイングランドFLトム・ウッドがうまく絡みターンオーバーに成功しましたが、自陣深くからのタッチキックでは22mライン付近まで戻すのが精いっぱいでした。なかなか自陣から脱出できないイングランド代表は、まるで蟻地獄に陥ったような状況でした。ここもイングランドは大外のディフェンスに難がありました。オールブラックスFBベン・スミスがいとも簡単に相手のSOフレディ・バーンズをかわし、内側に切れ込みながらスペースを切り裂き、SHアーロン・スミスに繋ぎました。

前半はオールブラックスが一方的な展開で、29-6と23点差を付けて折り返しました。

オールブラックスは過去2戦と比べてHB団の動きがよく、速くワイドに展開するアタックで、イングランドの弱点である大外のディフェンスを突いてトライを重ねました。過去2戦は復帰直後ということもあり試合勘が鈍っていたSOアーロン・クルーデンですが、持ち味である積極的な仕掛けが戻っていました。又、SHアーロン・スミスも得意の長くて速いパスとサポートプレーで2トライを記録する活躍でした。70%以上のテリトリーを支配したオールブラックスが殆どの時間を敵陣でのアタックに費やした前半でした。

イングランドは立ち上がりこそいい入り方をしたのですが、テリトリーの支配ができず、ラインアウトを起点としたアタックでディフェンスの穴を突かれました。ノヌーフェキトアというオールブラックスのパワフルなセンターに対して、身長170cm台のCTBカイル・イーストモンドでは食い込まれる場面が目立ちました。ファーストチョイスである大型センターのCTBビリー・トゥエルブトゥリーズの不在が響きました。突破力を買われているWTBマーランド・ヤードも淡白なディフェンスで相手に翻弄される場面が目立ちました。FBマイク・ブラウンSOフレディ・バーンズのダイレクトタッチキックもそれぞれ致命傷となりました。

~3戦目にして本来の閃きが戻ってきたSOアーロン・クルーデン(画像元:zimbio.com)~





〔試合経過:後半〕

オールブラックスのキックオフで後半開始。

前半で試合が決まってしまったような状況でしたが、後半先に得点したのはイングランドでした。この得点のおかげで試合が壊れずに、攻守の切り替えのめまぐるしい緊張感のある後半戦となりました。

後半42分:イングランドWTBマーランド・ヤードがトライ&ゴール成功 ⇒ 29-13
〔敵陣でのラインアウトから2-5-9-8⇒ラックから9-4-9(ゲイン)-13(ゲイン)⇒ラックから11が持ち出してトライ〕 イングランドはラインアウトからの1次攻撃でNO・8ビリー・ヴニポラがクラッシュする自分たちの形が出ました。続くフェーズでボールを受けたLOジョー・ローンチベリーがうまくオフロードで繋ぎ、SHベン・ヤングスCTBマヌー・ツイランギのゲインを導きました。最後はここまでディフェンスでは精彩を欠いていたWTBマーランド・ヤードがラックサイドを突いてインゴールに飛び込みました。

さらに流れに乗るイングランドは後半45分、敵陣でのラインアウトモールを押し込み、9-11と繋いでインゴ-ルに達したものの、オールブラックスWTBコーリー・ジェーンがグランディングを阻止する攻守備で対抗しました。鉄壁のディフェンスでイングランドに追加得点を与えなかったオールブラックスは後半50分にCTBマア・ノヌーの好タッチキックで敵陣深くまでエリアを回復して流れを一旦断ち切りました。この攻防で光ったのがボールを持ち込んだイングランドHOディラン・ハートリーを抱え込みながら味方側にひねり倒しターンオーバーに持ち込んだオールブラックスFLジェローム・カイノのプレーでした。シリーズを通してフィジカル面で健在をアピールしています。

後半55分にはオールブラックスが敵陣での連続攻撃でイングランドの反則(ホールディング)を受けましたが、ペナルティゴールは狙わずタッチキックを選択しました。この判断はトライには繋がりませんでしたが、16点差以上の余裕を感じさせる試合運びでした。

後半60分を過ぎたあたりから再びイングランドが猛攻を加えましたが、途中投入のCTBルーサー・バレルに敵陣深くでのチャンスフェーズでノックオンと被ターンオーバーがありトライには至りませんでした。対するオールブラックスは途中交代でHOケヴィン・メアラムが投入されてから、ラインアウトのタイミングが合わずに、2度のウェストオブタイムとスチールを許すなど、ポゼッションを確保できていませんでした。

結局、後半はイングランドがポゼッション/テリトリー共に支配してよく攻めましたが、トライを奪えず。80分経過後も果敢にトライを奪いに行ったイングランドでしたが、ターンオーバーからオールブラックスに駄目押しのトライを奪われて試合終了となりました。

後半81分:オールブラックスWTBジュリアン・サヴェアがトライ&ゴール成功 ⇒ 36-13
〔ロスタイムに入り、イングランド5が持ち込んだボールをオールブラックス5がターンオーバー⇒オールブラックスは数フェーズ自陣でボールキープした後のラックから21-15-14と繋ぎ、14がブラインドサイドを突破⇒最後は内側をサポートした11に繋ぎトライ〕 お互い陣形の崩れた状況でしたが、ブラインドサイドにバックスリー3人を配置したオールブラックスは、WTBコーリー・ジェーンが見事な突破で抜け出し、WTBジュリアン・サヴェアのハットトリックをお膳立てしました。

最終スコア36-13でオールブラックスがスタインラガーシリーズ全勝を飾りました。

オールブラックスは前半だけで4トライの猛攻を見せて試合を決めました。後半に入り、ディフェンスを修正したイングランド相手になかなかトライを奪えない時間帯が続きましたが、ディフェンス面で相手をわずか1トライに押さえたことは一定の成果だと評価されています。シリーズ3戦を通じて主力が徐々に調子を上げて、3戦目の前半に爆発した印象です。そんな中、シリーズ3戦を通じて安定した活躍を見せた選手としては、FBベン・スミスを筆頭にWTBジュリアン・サヴェアHOダン・コールズ、PRオーウェン・フランクスの4人を挙げたいと思います。

イングランドは激闘のプレミアシップが終了した直後ということで、3戦通じてベストメンバーを組むことができませんでした。リザーブ含めもっともメンバーが揃った第2戦に一番チャンスがありましたが、わずか1点及びませんでした。この試合は前半からBKのディフェンス組織が機能せずに失点を積み重ねましたが、後半修正できたことから尾を引くものではないと思われます。最終戦を欠場したSOオーウェン・ファレルSHダニー・ケアCTBビリー・トゥエルブトゥリーズをはじめ、スコッドに入っていなかったPRダン・コールPRアレックス・コルビジエロHOトム・ヤングスといった実力者達が控えていることを考えると、選手層でも世界トップクラスにいます。11月のテストシリーズ、来年の2~3月に行われるシックスネーションズに向けてまだまだ伸びる要素の多いチームだと思っています。

~ディフェンスに課題はあるものの、後半は効果的なゲインを連発したWTBマーランド・ヤード(画像元:zimbio.com)~




FBベン・スミスは今シリーズ最も活躍した1人(画像元:zimbio.com)~




~オールブラックス初先発を家族と共に祝うCTBマラカイ・フェキトア(画像元:zimbio.com)~





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【海外ラグビー情報】

≪FLリッチー・マコウ、肋骨骨折で全治3~4週間≫

オールブラックスのFLリッチー・マコウがイングランドとのテストシリーズ第2戦(@ウェリントン)で肋骨を骨折していたことが分かりました。全治3~4週間ということで、NZカンファレンス間のサバイバルマッチを控えているクルセイダーズにとって痛手となりました。

≪FLジョージ・ホワイトロック、パナソニックワイルドナイツ入り正式発表≫

カンタベリー(ITM杯)、クルセイダーズで活躍してきたFLジョージ・ホワイトロックのパナソニックワイルドナイツ入りが正式に発表されました(1年契約)。ロビー・ディーンズHC就任により、カンタベリー色がいっそう濃くなっていくであろうパナソニックですが、「ミスターカンタベリー」ともいえる最もタフな選手を獲得しました。

FLジョージ・ホワイトロックは御馴染みホワイトロック4兄弟の長男で、過去5シーズンの間、カンタベリー州代表(ITM杯)のキャプテンを務めてきたブラインドサイドフランカーです。リーダーシップはもちろん、ラグビーに対するプロフェッショナルな姿勢も尊敬されており、「骨休め」的に来日するスター選手とは一線を画する存在です。南アフリカ人選手に比べ、評価が分かれることの多い来日NZ人選手達ですが、彼は骨惜しみなくプレーしてくれる選手であると思います。