本日めでたく38回目の誕生日を迎えました

自分にとって、この1年は人生最大の転機となりそうです。

全力で駆け抜けて行きたいと思います。




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先週末の土曜日は兵庫県の川西方面に、ゴルフコンペに行って来ました。前半は数ホール土砂降りに遭いましたが、最後は嘘のように晴れ間が出ていました。ドラコンを1つ取ることができました。





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日曜日は神戸ユニバー記念競技場まで「第42回兵庫県フェニックスラグビーフェスティバル」に行って来ました。

到着したころには関西学院大学vs青山学院大学(定期戦)の後半戦に突入していました。試合は50-7で関西学院大学が勝利しました。

お目当ての神戸製鋼コベルコスティーラーズvsクボタスピアーズ(プレシーズンマッチ)は14時にキックオフされました。

≪神戸製鋼24-17クボタ≫

先週の近鉄vsリコー(花園第2)に続き、今シーズン2試合目のTLプレシーズンマッチの観戦です。神戸製鋼、クボタともに応援している選手がいるので、楽しみにしていました。

試合内容はお互いにミスと反則が多く、それほど面白い試合ではありませんでした。開幕までまだ時間があり、お互いチームをビルドアップしている時期ということもあり仕方がないです。神戸製鋼は4本のトライ全てがラインアウトを起点としたもので、そのうち3本はそのままモールを押し込んだ形でした。クボタも終盤に2本トライを返しましたが、いずれもラインアウトモールを起点とした形でした。お互いの持ち味であるFWとBKが一体となった変幻自在のラグビーは本シーズンのお楽しみとしておきます。

そのな感じのゲームでしたが、個人に目を向けるとひときわ輝きを放っていたのが神戸製鋼のFL前川鐘平です。NZ留学を経て、いよいよオープンサイドフランカーとして覚醒の時を迎えようとしています。ディフェンスでの反応のスピード、攻守でのコンタクトの力強さ等々、別次元の出来でした。

同じくNZ留学を経験し、髪型がかっこよくなっていた山中亮平(12番で先発)のスキルフルなパスも魅力がありましたし、後半スタンドオフに回った正面健司も機能していました。応援しているFB田邊秀樹CTBトニシオ・バイフの2人も後半投入されましたが、BKにボールが回ってくる機会が少なく、少し消化不良でした。

一方、クボタは豪州留学、日本代表、怪我などで天理ボーイズたちがあまりメンバーにいませんでした。その中でゲームキャプテンを務めたHO立川直道はライウンアウトスローで苦労していました。終盤に爆発力を見せたWTBケイド・ポキ、神戸製鋼から移籍したSHアンダーソン・ネーサンも奮闘していました。シャークスから加入するFL/NO・8キーガン・ダニエルは超一流ですし、キャノンから加入のUBアイザエア・トエアヴァもコンディションとモチベーション次第では凄い選手なのでプレーを見るのが楽しみです。

~出番を待つトニシオくん(左下)~




帰ってから神戸南京町「新生公司」のチャーシューを食べました。豚にベレー帽をかぶせるセンスが大好きです。





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【日本代表、宿敵カナダに勝利!】

日本代表の北米遠征第1戦の相手はカナダ代表でした(PNCのアジアパシフィックカンファレンス)。カナダ代表はこれまでワールドカップの舞台を中心に死闘を繰り広げてきた因縁のライバルといえるチームです。アウェーというハンデを考慮すると一筋縄にはいかないと予想されました。

≪カナダ代表25-34日本代表≫

*開催日時:2014年6月7日(土)

*会場:スワンガードスタジアム(@バーナビー)

〔得点内訳(カナダ代表)〕

*トライ:CTBキアラン・ハーンFLジョン・ムーンライトWTBテイラー・パリス

*コンバージョン:FBジェームス・プリチャード×2

*ペナルティゴール:FBジェームズ・プリチャード×2

〔得点内訳(日本代表)〕

*トライ:WTB藤田慶和CTB田村優FLヘンドリック・ツイ

*コンバージョン:FB五郎丸歩×2

*ペナルティゴール:FB五郎丸歩×5

〔試合経過:前半〕

カナダ代表のキックオフで試合開始。

前半6分:カナダ代表CTBキアラン・ハーンがトライ&ゴール失敗 ⇒ 5-0
〔日本陣内でのカナダボールスクラムから9-10-11-15-14と繋ぎ、ゴール前まで大きくゲイン⇒カナダが連続攻撃でフェーズを重ねるも日本代表のディフェンスの圧力に22mライン外側まで押し返され、12フェーズ目に日本代表がターンオーバー⇒しかし、TOしたボールを自陣22m内で6-9-3-11と展開した日本代表は、11が持ち込んだラックで再びカナダにTOされる⇒カナダはラックから9-11-2⇒ラックから9-4⇒ラックから9-?⇒ラックから9-5⇒ラックから9-10-15-13と左展開してトライ〕 日本代表はせっかく粘り強いディフェンスで相手のボールをターンオーバーすることに成功しましたが、自陣22m内でのプレー判断を誤りました。確実にタッチに蹴りだして欲しい場面でした。

この後のキックオフ直後に敵陣でTOに成功した日本代表は、SH田中史朗が裏のスペースに狙い澄ましたキックを蹴り、チェイスしたWTB山田章仁のプレッシャーもあり、カナダがノックオン。敵陣5mスクラムのチャンスを得ました。

前半12分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 5-3
〔倒れこみ〕 敵陣5mスクラムでFKを得た日本代表がクイックリスタートから3フェーズ重ねたポイントでカナダが反則を犯しました。

前半14分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 5-6
〔ノットロールアウェイ〕 カナダのハイパントを日本代表FLリーチ・マイケルが滞空時間の長いジャンプでキャッチしたポイントでカナダが反則。40m超のPGをFB五郎丸歩がしっかりとゴールど真ん中に蹴りこみました。

前半17分:カナダ代表FBジェームス・プリチャードがペナルティゴール成功 ⇒ 8-6
〔危険なタックル〕 ラックから抜け出してきたカナダSHゴードン・マクローリーに対し、日本代表NO・8ホラニ龍コリニアシがショルダーチャージ。

前半27分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 8-9
〔ノットリリースザボール〕 日本代表が敵陣でのスクラムを起点に連続攻撃を継続しましたが、CTB田村優が高い姿勢でボールキャリーしたところをモールアンプレアブルに持ち込まれカナダボールスクラムとなりました。そのスクラムから2フェーズ目に日本代表CTBマレ・サウが相手ボールをジャッカルしてノットリリースに陥れました。

前半32分:カナダ代表FBジェームス・プリチャードがペナルティゴール成功 ⇒ 11-9
〔オフサイド〕 カナダ代表はスクラムを起点に連続攻撃。コンタクトエリアで食い込まれていた日本代表は、カナダ代表にゲインライン突破を続けて許してしまい、HO堀江翔太がラックオフサイド。このプレーでHO堀江翔太がシンビンとなりました(チームとしての反則の繰り返し)。

ここまで一進一退の攻防が続いていましたが、ここからカナダに流れが傾きました。この後のキックオフを深めに蹴りこんだ日本でしたが、カナダが日本陣10mライン付近までエリアを戻すタッチキックを蹴り、正スロワー不在のラインアウトに圧力をかけてきました。日本代表はFLリーチ・マイケルがスロワーを務めましたが、いきなりノットストレートとなってしまいました(直後のスクラムからNO・8ホラニ龍コリニアシに代わり、HO木津武士を一時投入)。

前半36分:カナダ代表FLジョン・ムーンライトがトライ&ゴール成功 ⇒ 18-9
〔マイボールスクラムをキープしたカナダはラックから7-11とブラインドサイドにボールを動かして11が自らのショートパントを確保⇒ラックから5-2⇒ラックから5-1⇒2フェーズはさんでラックから7が持ち出してトライ〕 1人少ない日本代表はカナダ代表のテンポに早いアタックにラックサイドの人数をそろえられずに失点をしてしまいました。

前半38分:カナダ代表WTBテイラー・パリスがトライ&ゴール成功 ⇒ 25-9
〔キックオフボールを確保したカナダ13がカウンターランからゲインして5-9-1-11と繋ぎ一気にトライ〕 最初にCTBキアラン・ハーンに大きくゲインされたことが日本代表には痛手でした。

前半は25-9とカナダが16点をリードして折り返しました。

前半32分までは思うようにはいかないまでも、一進一退の攻防を続けていた日本代表でしたが、HO堀江翔太のシンビン以降立て続けに2本トライを奪われてしまいました。特に2本目のWTBテイラー・ハリスのトライはもったいないトライでした。

〔試合経過:後半〕

日本代表のキックオフで後半開始。

後半41分:日本代表WTB藤田慶和がトライ&ゴール失敗 ⇒ 25-14
〔キックオフ直後にカナダがアクシデンタルオフサイド⇒日本代表が敵陣でのスクラムから8-9-10(ブレイク)-15-14トライ〕 SO立川理道がうまくギャップを突いて前に出て、カナダのDF網を崩しました。最後は右手一本でうまくグランディングしたWTB藤田慶和でしたが、相手にのしかかられて肩を負傷。無念の途中退場となりました。とても心配です。

後半55分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 25-17
〔スクラムヘッドアップ〕 後半に入ってスクラムは日本代表が優勢に組んでいました。

後半63分:日本代表CTB田村優がトライ&ゴール成功 ⇒ 25-24
〔カナダ21のダイレクトタッチキック⇒スクラムを選択した日本代表は20-9-12と繋ぎトライ〕 スクラムを起点にシンプルにオープンサイドにボールを動かした日本代表はCTB田村優がスコーンと抜けてトライ。カナダ代表の集中力が途切れた瞬間でした。

後半72分:日本代表FLヘンドリック・ツイがトライ&ゴール成功 ⇒ 25-31
〔カナダ代表がダイレクタッチキック⇒ラインアウトのタイミングが合わなかった日本は2が1の背中にボールを当てて確保⇒ラックから9-10-6⇒ラックから9-10⇒ラックから9-12-7⇒ラックから9-5⇒ラックから9-12-10-11⇒ラックから9-19⇒ラックから9-12-21と繋ぎ、21がブレイクしてそのままトライ〕 日本代表が粘り強くフェーズを重ねてカナダDFの穴を突きました。

後半75分、キックオフ直後、自陣からボールを回した日本代表でしたがCTBマレ・サウが絡まれてノットリリース。自陣22m内でカナダボールのラインアウトというピンチを迎えましたが、このラインアウトでLOジャスティン・アイブスが値千金のスチール!直後にFB五郎丸歩が敵陣に蹴り込んだボールも神がかり的な転がりでタッチを切るなど日本代表に流れが傾いていました。

後半88分:日本代表FB五郎丸歩がペナルティゴール成功 ⇒ 25-34
〔オフサイド〕 ロスタイムが異常に長かったのですが、最後は3点を追加した日本代表が勝利を確実なものにしました。

最終スコア25-34で日本代表が宿敵カナダ代表を敵地で下しました。

前後半で対照的な流れの試合となりました。前半はHO堀江翔太のシンビンをきっかけに日本代表が2連続でトライを奪われ、25-9で折り返しました。対照的に後半は日本代表がじわじわと点差を詰めた後、カナダ代表が2本のダイレクトタッチキックのミスで流れを失い、日本代表の逆転を許しました。

日本代表は今シーズン最もタフな相手に対し、後半ディフェンスを修正して、スクラムで圧倒し、取りきるべきところでしっかりとトライを取って、勝ちきった試合でした。本当に価値のある勝利です!

~持ち味のパスでアタックのテンポを生み出したSO立川理道(画像元:planetrugby.com)~





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【6月テストマッチ(WEEK1)結果①】

≪オールブラックス20-15イングランド≫ 

2015年ワールドカップの決勝カードと予想している両チームの対戦です。先週末にプレミアシップ決勝が開催された関係で、イングランド代表はノーサンプトン・セインツとサラセンズの選手たちを除く布陣を敷きました。なお、直前まで出場可否がゆれていたSHダニー・ケアは欠場し、代わりにSHベン・ヤングスが9番に入りました。対するオールブラックスはNO・8キアラン・リードなど一部の主力を欠くものの、ベストメンバーに近い布陣で臨みました。

*開催日時:2014年6月7日(土)

*会場:イーデンパーク(@オークランド)

〔得点内訳(オールブラックス)〕

*トライ:CTBコンラッド・スミス

*ペナルティゴール:SOアーロン・クルーデン×5

〔得点内訳(イングランド)〕

*ペナルティゴール:SOフレディ・バーンズ×4、SOダニー・シプリアーニ×1

〔試合経過:前半〕

イングランドのキックオフで試合開始。

前半2分:イングランドSOフレディ・バーンズがペナルティゴール成功 ⇒ 0-3
〔妨害プレー〕 イングランドFLクリス・ロブショウがピック&ゴーでラックの上を乗り越えてゲインし、サポートにFLジェームズ・ハスケルが付きましたが、そのFLジェームズ・ハスケルのジャージをオールブラックスCTBマア・ノヌーが後方から掴みプレーを妨害しました。

前半8分:オールブラックスSOアーロン・クルーデンがペナルティゴール成功 ⇒ 3-3
〔オフサイド〕 オールブラックスSHアーロン・スミスのボックスキックをイングランドWTBジョニー・メイが処理しそこないノックオン。オールブラックスが敵陣22mライン付近でのマイボールスクラムからの連続攻撃でWTBベン・スミスWTBコーリー・ジェーンのゲインなどで相手ゴールに迫りましたが、最後はFLリッチー・マコウがノックオン。直前のオフサイドのアドバンテージが採用されました。

前半10分、イングランドはハーフウェイ付近でのイーブンボールの競り合いを制し、6-9-11と繋いで、WTBジョニー・メイがゲイン。そのポイントから3フェーズ目のラックから9-2-10-6-7-12と繋ぎゴール前まで前進し、さらに4フェーズ目のラックから9-15-8-11と繋いでインゴールに達しましたが、直前のFBマイク・ブラウンのボールタッチでノックオンがあったと判定されました。

前半13分、対するオールブラックスは、イングランドWTBジョニー・メイFBマイク・ブラウンが重なり、キック処理に失敗した(ノックオン)ポイントでのスクラムから、9-10-13-15-11と左展開し、WTBコーリー・ジェーンが前方スペースへ蹴りこんだボールにFBイズラエル・ダグが走りこむも、イングランドCTBマヌー・トゥイランギが一足早く戻り切り、インゴールでボールを押さえました。

序盤から双方に惜しい場面が続きました。

前半19分:イングランドSOフレディ・バーンズがペナルティゴール成功 ⇒ 3-6
〔ノットロールアウェイ〕 イングランドがハイパントを起点に敵陣に攻め込んだ直後のラックでオールブラックスのノットロールアウェイ。

前半21分:イングランドSOフレディ・バーンズがペナルティゴール成功 ⇒ 3-9
〔スクラムでアングルの反則〕

前半23分:オールブラックスSOアーロン・クルーデンがペナルティゴール ⇒ 6-9
〔ラックオフサイド〕

前半37分:オールブラックスSOアーロン・クルーデンがペナルティゴール ⇒ 9-9
〔倒れこみ〕 ボールを持ち込んだイングランドLOジョー・ローンチベリーに対し、オールブラックスHOダン・コールズPRオーウェン・フランクスでドンピシャのダブルタックル。一気にカウンターラックをかけて、イングランドの倒れこみの反則を誘いました。

後半39分、イーブンボールを確保したイングランドは13-15-7と繋ぎビッグゲイン。敵陣深くまで攻め込むも、いったんスローダウンさせられるとオールブラックスのディフェンスを崩すには至りませんでした。アタックが膠着した6フェーズ目のラックを起点にSOフレディー・バーンズがドロップゴールを狙いましたが失敗に終わりました。

前半は9-9と同点で折り返しました。

序盤からお互いにアグレッシブに攻め合う展開が続きましたが、トライには繋がりませんでした。中盤からエリアを意識した固い戦い方になったこともあり、こう着状態が続きました。両チームともにディフェンスはタイトで、自陣深くまで相手にゲインを許すことはあっても、そこから簡単には崩れない印象を抱かせました。

~正確なプレースキックでクロスゲームに持ち込んだイングランドSOフレディ・バーンズ(画像元:zimbio.com)~




〔試合経過:後半〕

オールブラックスのキックオフで後半開始。

後半開始からオールブラックスが敵陣で試合を進めましたが、ハンドリングミスや反則でチャンスを逸す場面が続きました。前半からオールブラックスにしては珍しく、ハイボール処理にてこずる場面が散見されました。

後半54分、オールブラックスはFBイズラエル・ダグに代えてボーデン・バレットをフルバック、PRオーウェン・フランクスに代えてPRチャーリー・ファウムイナを投入しました。ここまでアーロン・クルーデンが精彩を欠いていたので、ボーデン・バレットをスタンドオフで投入するかと思いましたが、ダグとの交代でフルバックに入りました。

後半55分、オールブラックスは敵陣10mライン付近でのスクラムを起点に8-9から、SHアーロン・スミスが裏のスペースにショートパント。チェイスしたNO・8ジェローム・カイノがゴールライン手前で惜しくもボールを掴み損ね、トライとはなりませんでした。

後半57分、イングランドは自陣5mスクラムからNO・8ベン・モーガンがサイドアタックでゲイン、続くフェーズでCTBカイル・イーストモンドがビッグゲインを見せ、外側をサポートしたCTBマヌー・トゥイランギにパスを試みましたが、このパスが流れてしまいアタックが停滞してしまいました(直後に被TO)。このパスが通っていればイングランドにとってはビッグチャンスでした。

後半60分、オールブラックスはCTBマア・ノヌーに代えて、注目の初キャップCTBマラカイ・フェキトアを投入しました。ここも同じアウトサイドセンターのCTBコンラッド・スミスとの交代ではなく、CTBマア・ノヌーとの交代でした。

後半に入ってからここまでお互いスコアレス。イージーなハンドリングミスでスクラムの多い試合展開となっていました。

後半63分:イングランドSOフレディ・バーンズがペナルティゴール成功 ⇒ 9-12
〔ホールディング〕 スクラムを起点にブランドサイドでボールを受けたイングランドWTBジョニー・メイが裏のスペースに蹴りこみ、オールブラックスFBボーデン・バレットが処理しそこなったボールを自ら確保。その直後のラックでオールブラックスのタックラーがWTBジョニー・メイを離さずにホールディングとなりました。

後半67分:オールブラックスSOアーロン・クルーデンがペナルティゴール成功 ⇒ 12-12
〔オフサイド〕

後半70分:オールブラックスSOアーロン・クルーデンがペナルティゴール成功 ⇒ 15-12
〔ノットロールアウェイ〕 オールブラックスLOブロディ・レタリックが自陣10mラインとハーフウェイラインの中間でのラックで相手のノックオンボールを確保し、独走。敵陣22mラインを越えたあたりでイングランドWTBマーランド・ヤードに捕まるも、直後のラックでヤードがノットロールアウェイの反則(シンビン)。

後半73分:イングランドSOダニー・シプリアーニがペナルティゴール成功 ⇒ 15-15
〔オフザゲート〕 直前に投入されたイングランドSOダニー・シプリアーニがパスダミーを交えながらギャップを突く素晴らしいランニングでゲイン。直後のラックでオールブラックスのオフザゲートがありました。

久しぶりの代表招集に燃えるイングランドSOダニー・シプリアーニの1プレーで同点に追いついたイングランド。このままドロー決着かと思われましたが、最後にドラマが待っていました。

後半75分、オールブラックスHOケヴィン・メアラムが敵陣10mライン付近で相手ボールに絡み、ノットリリースザボールの反則に陥れる好プレー。ここでオールブラックスSOアーロン・クルーデンはショットを選ばずに、なんとクイックリスタ-トを選択!ボールを10-22-20と繋ぎ、FLヴィクター・ヴィトが一気に敵陣ゴール前まで前進。さらにラックサイドを連続して攻め、WTBベン・スミスがインゴールに飛び込むも、TMO判定の結果ノートライとなりました(1つ前のフェーズでラックアンプレアブル⇒オールブラックスボールの5mスクラム)。

後半77分:オールブラックスCTBコンラッド・スミスがトライ&ゴール失敗 ⇒ 20-15
〔敵陣5mスクラムから8がサイドアタック⇒ラックから20がピック&ゴー⇒ラックからブラインドサイドに21-14-13と繋ぎ、13がインゴールに飛び込んでトライ〕 ちょうどシンビンでウイングを1枚欠くイングランドにとっては痛恨の1プレーとなりました。

最終スコア20-15でオールブラックスが勝利しました。

全体の印象としてオールブラックスは50%以下の出来でしたが、イーデンパークでの不敗神話を守りました。全体にハンドリングミス(キック処理含む)が続出した試合でしたが、それ以上にアタックをリードするべきSOアーロン・クルーデンの試合勘が戻っていない印象を受けました。それでも最後の最後に、ペナルティの笛の後、一瞬足が止まったイングランドを見逃さずにアグレッシブな判断をしたクルーデンが勝ち越しトライの起点を作りました。後半投入されたFLヴィクター・ヴィトが効果的なランで勝ち越しトライに貢献しました。2戦目に向けてどこまでチーム全体の調子を上げていけるか注目です。

対するイングランドはベストメンバーではない上に、準備不足も心配されましたが、オールブラックス相手に地力を発揮しました。CTBマヌー・トゥイランギWTBジョニー・メイFLクリス・ロブショウを始め危険なランナー達がビッグゲインを見せる場面も多く見られましたが、最後の仕留めの部分の精度が不十分でした。スタンドオフでSOオーウェン・ファレルの代役を務めたSOフレディー・バーンズは落ち着いたプレーぶりと正確なプレースキックで接戦の立役者となりました。イングランド側から見れば、このようなオールブラックスが不調なときに叩いておくべき試合であったと言えます。

~オールブラックス初キャップを飾ったCTBマラカイ・フェキトア(画像元:zimbio.com)~





≪ワラビーズ50-23フランス代表≫

こちらはJスポーツで放送されたオーストラリア代表ワラビーズvsフランス代表レ・ブルーの1戦。南半球のライバルであるオールブラックス、スプリングボクスに比べて、選手層で少し劣ると言われているワラビーズ。ユーアン・マッケンジーHC就任2シーズン目ということもあり、まだまだ新戦力の見極めを行っている段階というのが実情です。対するフランス代表も2012年から指揮を執るフィリップ・サンタンドレHCのもと、未だ本格的な覚醒が見られません。

*開催日時:2014年6月7日(土)

*会場:サンコープスタジアム(@ブリスベン)

〔得点内訳(ワラビーズ)〕

*トライ:FBイズラエル・フォラウWTBアダム・アシュリー=クーパーFLマイケル・フーパーCTBマット・トゥームアWTBニック・カミンズCTBカートリー・ビールWTBパット・マッケーブ

*コンバージョン:SOバーナード・フォーリー×6

*ペナルティゴール:SOバーナード・フォーリー×1

〔得点内訳(フランス代表)〕

*トライ:SHモルガン・パラペナルティトライ

*コンバージョン:SOフレデリック・ミシャラク×2

*ペナルティゴール:SOフレデリック・ミシャラク×1

*ドロップゴール:SOフレデリック・ミシャラク×1

〔試合経過:前半〕

ワラビーズのキックオフで試合開始。

前半2分:ワラビーズSOバーナード・フォーリーがペナルティゴール成功 ⇒ 3-0
〔オフサイド〕 ターンオーバーから連続攻撃を継続したワラビーズはFBイズラエル・フォラウのゲインなどでチャンスを作りました。

前半4分:フランスSOフレデリック・ミシャラクがドロップゴール成功 ⇒ 3-3
キックオフボールを確保したフランスがそのままフェーズを重ねて、敵陣に攻め込みました。

試合開始早々のコンタクトで負傷したワラビーズ主将HOスティーブン・モーアがここで退場(左ひざの手術が必要で今シーズン中の復帰は不可)。代わりにHOタタフ・ポロタナウが投入されました。

*前半11分:ワラビーズSOバーナード・フォーリーがペナルティゴール失敗 
〔スクラムコラプシング〕

前半18分:ワラビーズFBイズラエル・フォラウがトライ&ゴール成功 ⇒ 10-3
〔フランス代表の反則⇒ワラビーズがタッチキック⇒ラインアウトを4に合わせてモール⇒ラックから9-10⇒ラックから6⇒ラックから9-8-1-15と左展開して、15がトライ〕 最後はNO・8ウィクリフ・パールーからPRジェームズ・スリッパーへループ気味に繋ぎ、さらに横に移動しながらボールを受けたFBイズラエル・フォラウが自分の間合いで勝負して3人を振り切ってトライしました。

前半23分:ワラビーズWTBアダム・アシュリー=クーパーがトライ&ゴール失敗 ⇒ 15-3
〔自陣10mラインとハーフウェイラインの間でのラインアウトから16-5-9-12-10⇒ラックから9-12⇒ラックから9-14⇒ラックから9-5⇒ラックから9-10-12-13⇒ラックから9-10(仏4のハイタックルでアドバン)⇒ラックから9-10(グラバーキック)-11⇒ラックから13⇒ラックから4-3⇒ラックから9-1⇒ラックから9-10⇒ラックから9-12-14トライ〕 最後のフェーズではワラビーズSHニック・ホワイトからHOタタフ・ポロタナウへのパスをフランスCTBガエル・フィクーがインターセプトしかけましたが、前に弾いてノックオン。その弾いたボールをワラビーズCTBマット・トゥームアがダイレクトにキャッチして、WTBアダム・アシュリー=クーパーへと繋ぎました。SOバーナード・フォーリーが積極的に自らボールを持って勝負に行っていました。

前半26分:フランスSOフレデリック・ミシャラクがペナルティゴール成功 ⇒ 15-6
〔キックオフ直後にオブストラクション〕 

*前半29分:ワラビーズSHニック・ホワイトがペナルティゴール失敗 
〔スクラムコラプシング〕 ロングレンジのPGだったのでSHニック・ホワイトが蹴りました。

前半32分:ワラビーズFLマイケル・フーパーがトライ&ゴール成功 ⇒ 22-6
〔敵陣22mライン付近でのラインアウトから16-5-9-10-11⇒ラックから9-10-15⇒9-4⇒ラックから9-10-12-5-13-7と繋いでトライ〕 フランス代表が思い切って前に詰めるディフェンスを見せましたが、ワラビーズCTBマット・トゥームアのクイックハンズパスとCTBテヴィタ・クリンドラニのタップパスが通りました。ワラビーズの両センターがスキルを見せました。

ワラビーズにとっては自分たちのイージーな反則で3点を取られ(前半26分)、自らのペナルティゴールを失敗していた直後だけに(前半29分)、大きく流れを引き寄せるトライとなりました。

前半36分:フランスSOフレデリック・ミシャラクがペナルティゴール成功 ⇒ 22-9
〔オフサイド〕

前半38分:ワラビーズCTBマット・トゥームアがトライ&ゴール成功 ⇒ 29-9
〔フランス9のダイレクトタッチキックのミスに対し、ワラビーズはクイックスローインから10-14-10-14とパス交換を交えゲイン⇒ラックから9-1⇒ラック9-12⇒ラック9-7⇒ラック9-13⇒ラック9-1-3⇒ラック9-8⇒ラック9-1-15⇒ラック9-10-5と繋ぎ、5がゲイン⇒ワワビーズ5を捕まえたポイントでフランスがTOに成功するも、ゴールを背にした9-11の繋ぎでミス⇒インゴールに転がるボールをフランス11が押さえることができず、ワラビーズ12が押さえてトライ(TMO)〕 この試合が代表デビュー戦だったWTBフェリックス・ルブリス痛恨のミスとなってしまいました。

前半は29-9とワラビーズが20点をリードして折り返しました。

ワラビーズはエリアマネージメントに成功し、チャンスではBKの変幻自在のアタックでフランスのディフェンスを崩しました。ブレイクダウンでの圧力が少なかったこともあり、SHニック・ホワイトも非常にプレーし易い状況であったと思われます。

対するフランスは序盤こそSOフレデリック・ミシャラクの独創的なパスなどでアタックの可能性を感じさせましたが、中盤以降敵陣に入れず、攻撃機会に恵まれませんでした。終了間際の失トライは痛い失点となってしまいました。

~この日も別次元のプレーを連発したFBイズラエル・フォラウ(画像元:zimbio.com)~




〔試合経過:後半〕

フランスのキックオフで後半開始。

後半53分、ワラビーズはFBイズラエル・フォラウのハイパントキャッチから9-10-12-13-14と繋ぎ、WTBアダム・アシュリー=クーパーがラインブレイク。さらにサポートのWTBニック・カミンズに繋いでゴール前まで前進しました。そのポイントから2フェーズラックサイドを攻めたワラビーズはWTBアダム・アシュリー=クーパーがインゴールにグランディングしたものの、シラケるほど長いTMOの結果ノートライと判定されました。

後半55分:ワラビーズWTBニック・カミンズがトライ&ゴール成功 ⇒ 36-9
〔敵陣ラインアウトから16-5-9-10⇒ラックから9-20⇒ラックから9-1⇒ラックから9-6⇒ラックから9-18⇒ラックから9-10-12-14-15-11トライ〕 4フェーズ順目にラックサイドを攻めてからBK展開。綺麗なパスワーク(特に12-14の内返しのパス)でフランスを崩し切りました。

後半67分:ワラビーズCTBカートリー・ビールがトライ&ゴール成功 ⇒ 43-9
〔ワラビーズ11がハイパントキャッチ⇒ラックから16-21⇒ラックから20-10-22-13と繋ぎラインブレイク⇒サポートに付いた22がトライ〕 CTBテヴィタ・クリンドラニのラインブレイクで勝負ありでした。

この時点でフランス代表の足は完全に止まっていました。

後半70分:ワラビーズWTBパット・マッケーブがトライ&ゴール成功 ⇒ 50-9
〔キックオフボールをワラビーズ15がスーパーキャッチ⇒ラックから21-4⇒ラックから21-20⇒ラックから21-10-22-15と繋ぎ、15がラインブレイク⇒サポートに付いた23がトライ〕 FBイズラエル・フォラウ得意のハイボールキャッチに始まり、彼のラインブレイクで崩したアタックでした。

ここまではワラビーズが一方的な戦いで点差を広げましたが、終盤にフランスが2本のトライを返し、プライドを見せました。

後半72分:フランスSHモルガン・パラがトライ&ゴール成功 ⇒ 50-16
〔キックオフ直後にターンオーバーに成功したフランスはラックから18が持ち出してゲイン⇒ララックから17がピック&ゴー⇒ラックから持ち出した21がパスダミーを交えながらインゴールに達しトライ〕 途中交代のプロップ2人のゲインからのトライでした。特にPRラバ・スリマニはいつもフィールドプレーでも目立つ選手です。

後半81分:フランスがペナルティトライ&ゴール成功 ⇒ 50-23
〔敵陣5mスクラムを押し込み認定トライ〕 戦前からフランス側が優位と思われていたスクラムですが、最後の最後に強みを発揮してプライドを保ちました。ワラビーズにとっては第2戦に向けて大きな心理的負担となりそうです。

最終スコア50-23でワラビーズが大勝しました。

ワラビーズの中心選手の顔ぶれはレッズからワラタス/ブランビーズ中心に移行しましたが、スーパーラグビーでの好調ぶりをテストマッチの舞台でも存分に発揮しました。ファーストファイブエイス(10番)のバーナード・フォーリーが積極的に縦に勝負し、セカンドファイブエイス(12番)のマット・トゥームアがうまくゲームをコントロールした印象です。ブレイクダウンでの圧力も少なかったことからSHニック・ホワイトもストレスなく実力を出し切れました。バックスリーも決め手十分なFBイズラエル・フォラウ、機転の利くWTBアダム・アシュリー=クーパーがよく得点に絡みました。FW勢も海外サイトで第1週の優秀選手に選ばれたPRジェームズ・スリッパー、第2戦からキャプテンを務めるFLマイケル・フーパーの奮闘が目立ちました。

対するフランス代表は立ち上がりの連続攻撃で期待感を抱かせましたが、その後敵陣でのアタック機会に恵まれませんでした。自陣での戦いで体力を消耗し、後半の早い段階でガス欠となった印象です。長いシーズンを終えて、北半球から南半球への長距離移動をしてきたことを考慮すると、仕方がない部分もあります。攻守に世界屈指のCTBウェスレイ・フォファナの近辺が何度もラインブレイクされたシーンは衝撃でした。しかし、第2戦は間違いなく点差が縮まると予想します。

~フランスのスクラムを支えるPRトマ・ドミンゴ(左)とPRニコラ・マス(画像元:zimbio.com)~