私が、病棟のシーツ交換を仕事にしているのは、定年退職後の暇つぶしではありません。

ましてや、銭儲けでもありません

わずかなお手当をもらって、充分満足しています。



日々感謝!

ピンと張られたシーツで、お部屋周りを綺麗に整理整頓していきます。

清潔、綺麗で快適なベッドで、病気の回復を祈っています。



患者さんにも、
「おはようございます」
「今日は、風が強いねー」
「少し、暖かくなったよ」
「目が活き活きしてきたね」


家族の写真を見ては、


「お孫さん、賢そう」

「お化粧して、白髪染めたら、別人だよねー」


患者さん、家族のそれぞれの想いが、伝わります。


今日、廊下で患者さん(51歳女性)から


彼女は、いつも、私の汗だくの仕事風景をじっと見てくれました。いつも、廊下で会うと、あいさつが返ってきました。

私は、患者さんと会うと、声をかけるようにしています。最近は、かなりの患者さんから声が返ってきますが、これがホントにうれしい。


今日、廊下で


「元気になりましたね。」


嬉しそうに


「あ〜う〜」


「そろそろ3ヶ月近いですね。」

「目が活き活き」

「いい感じ、もうじき退院かな?」


「はい」


「あー、そう。ご家族に早く会いたいねぇ」


「はい」


彼女が、私の腕を引っ張りました。

なにやら、退院の日を伝えたかったらしい。

私のスマホのカレンダーを指さして

3月11日


「そう〜、じゃあ、もうすぐだね。居なくなるのは寂しいけど、良かった良かった」


じっと涙を浮かべていました。


「じゃあ、来週のシーツ交換がもう一回ありますから、楽しみだね。」


「はい」


「家に帰ったら、髪の毛染めて、お化粧したら、別人だよ!」


笑って


「、、、、、」


まだ、会話がおぼつきません。

顔の表情は、入院当初から格段に豊かになりました。

彼女の話では、言葉が上手く出てこないそうです。しばらくは、ボディーランゲージになります。


簡単な仕事にも、生き甲斐です。

医者や看護師でなくても、患者さんを元気にすることはできますよ。