全国各地で高校入試の合格発表が行われ

中学3年生の進路が続々と決まっています

 

入試シーズンは終わりにさしかかり

新しい年度が始まろうとしています

 

来年の高校入試に向けて学習を始めるみなさんに

私が数年前の春に作成した【3学年だより】を紹介します

 

アイソーポス(紀元前619年~紀元前564年ごろ)は

古代ギリシアの寓話(ぐうわ)作家

日本では「イソップ物語」の名前で知られています

 

寓話(ぐうわ)とは

『人間の生活になじみ深い出来事を見せ

 それによってさとすことを目的とした話』のことで

「アリとキリギリス」「ウサギとカメ」がその作品の一部です

これらの話は私たちの生活を送る上での教訓として

語り継がれています

 

では、「アリとキリギリス」を読んでみましょう。

 

イソップ物語「アリとキリギリス」


暑い夏の間、自分の体より大きなパンのかけらを背負って歩く働き者のアリがいました。

せっせとパンを運んでいると、

バイオリンを弾いていたキリギリスが、

「何をしているの?」とたずねてきました。

アリは「冬に備えて食べ物を運んでいるんだ」と

答えました。

それを聞いたキリギリスは

「こんな暑い日に働くなんてバカだなぁ」と

笑いました。

キリギリスは暑い夏の間、

昼も夜も働かず仲間と音楽会を開いては、

歌ったり踊ったりと毎日を過ごしていました。

 

やがて夏が終わり、冬が近づくと、

青々としていた草木が枯れ、葉が散っていきました。

冬の準備を何もしていなかったキリギリスは、

枯れ草のかげでお腹を空かせて凍えていましたが、

食べるものなどどこにもありません。

キリギリスは夏の間に

食べ物を運んでいたアリのことを思い出し、

食べ物を分けてもらいに行きました。

 

夏の間、ずっとバカにされていたアリは、

キリギリスの頼みを断りましたが、

気の毒に思えてきたので、

「ちゃんと働けばよかったのに。

同じようなことはしないでいいように準備をしようね。

パンをあげるよ」と言いました。

キリギリスは何度もお礼を言い、

アリを見習ってこれからは心を入れ替えて

まじめに働くことに決めました。

 

めでたし、めでたし。

 

 

現代版イソップ物語「AさんとBさん」

暑い夏の間、Aさんはコツコツと勉強をしていました。

メディア時間が1週間に20時間を超えているBさんが、

「何をしているの?」とたずねてきました。

Aさんは「入試に備えて勉強しているんだ」と答えました。

それを聞いたBさんは

「こんな暑い日に勉強するなんでバカだなぁ。

まだ夏じゃん」と笑いました。

Bさんは暑い夏の間、昼も夜もメディア三昧(ざんまい)。

仲間とオンラインゲームやSNS、

動画を見るなど毎日を楽しく過ごしていました。

週末には1日10時間を超え、

『オール(ナイト)』でゲームをすることもあります。

 

やがて夏が終わり、冬が近づくと、

三者面談がやってきました。

夏、秋、冬の準備を何もしていなかったBさんは、

実力テストで点数が伸びるどころか下がってしまい、

行きたい高校も見つかりません。

Bさんは、夏に勉強していたAさんを思い出し、

テストの点数を分けてもらおうとしました。

 

夏の間、ずっとバカにされていたAさんは、

「ちゃんと勉強しておけばよかったのに。

点数なんて上げられないよ。自業自得だよ」

と言いました。

Bさんは、Aさんを見習い、

心を入れ替えてまじめに勉強始めました。

気がつくと高校入試まで3か月を切っていました。

実力がつかないまま入試を迎えることになり、

焦りまくるBさん。さぁ、結果はいかに?

 

めでたくなし、めでたくなし。

 

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才能はあっても、いいかげんにやって

才能を伸ばせない人がいる一方、

才能はなくても、真面目で辛抱強い人は、

才能がある人に勝つことができるのです。

 

さぁ、あなたはAさんタイプとBさんタイプの

どちらの道を選ぶでしょうか?