1 はじめに

 

 私は、78期司法修習生です。任官、任検も考えていましたが、結局弁護士になることにしました。任官、任検するのであれば、おとなしくしていた方がよいのかもしれませんが、特におとなしくしている必要もなくなったので、今の司法修習がどんな感じなのかお伝えしていきたいと思います。

 

 修習で役立つ本を取り上げているブログやnoteは多数見かけますが、少し古いものも多いので、最新版ということでお読みいただけたらと思います。

 今回は民事裁判編ということで、民事裁判修習に役立つ本を紹介していきます。

 

2 要件事実に関する本

 民事裁判修習では、要件事実と事実認定を主として行うことになります。

 

 まずは要件事実で役立つ本を紹介します。

 

 

 

 一番読むべきは、紛争類型別の要件事実だと思います。主要な紛争類型について、よくまとまっていますし、修習中何度も見返すことで、要件事実を自分のものにできると思います。

 各章の末にはブロックダイヤグラムもついていて、抗弁や再抗弁も立体的に漏れなく理解することができます。

 

 とはいえ民法全体の網羅的な理解が前提になりますので、民法の知識に不安がある人は、後で紹介する初心者向けの本がおすすめです。

 

 通称「新問研」(しんもんけん)と呼ばれる本です。こちらも法研修所が作っている本ですが、類型別の要件事実よりも初歩的な内容になっています。分量もさほど多くないので、要件事実に不安がある人はこの本から始めるのもおすすめです。

 

 

 これも司法研修所が作っている、いわゆる白表紙です。「民事判決起案の手引」というタイトルからわかるように、これは判決書を起案する裁判官向けの本ではあります。

 

 しかし要件事実との関係では、後ろに付録で事実摘示記載例集というのがついていて、これが要件事実の勉強にとても役立ちます。事実摘示記載例集では、請求原因、抗弁、再抗弁などについて、抽象的な法律要件をどのように摘示すればいいのかが記載されています。

 

 要件事実の起案では、抽象的な法律要件の理解を前提に、具体的な事実を摘示することが要求されています。ですので、抽象的な法律要件を理解できたら、この本で事実の摘示の仕方を覚えるのがおすすめの勉強法です。

 

※抽象的な法律要件

 売買契約に基づく代金支払請求権→①売買契約の成立

※具体的な事実摘示

 原告は、被告との間で、令和7年2月8日、本件土地を代金800万円で売った。

 

 起案では、この具体的な事実摘示が要求されるので、事実摘示の仕方を覚えるのがとても有効です。

 

 正攻法とは言えませんが、丸暗記が得意な人は、事実摘示記載例集の丸暗記してしまうのもおすすめの勉強法です。本来は、具体的事案から、法律効果を発生させるためには何が最小限の事実かを考えながら起案すべきですが、大半の修習生はこんなハイレベルなことはできません。事実摘示記載例集通りに起案するだけでも、それなりの成績はとれると思います。

 

 

 
 

 

  この本も要件事実の総論部分から抑えられる本になっています。読み物としてもわかりやすいですし、要件事実論30講のように学者が書いているわけではないので、そこまで堅苦しさなく読み進められると思います。予備試験やロースクールの期末試験の対策などで、岡口基一著の本を使っていた人は、相性がいいかもしれません。

 

その他、よく目にするものを紹介しておきます。

 

 

 

 

 

 

 

2 事実認定

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