今日の夕日、見た?
最高のグラデーションだった。
お茶の先生のお宅が、マンションの6階で、帰りしばらく見てた。
若いころ、よく行っていたBarで、たまに頼んでいた、テキーラサンセットそのものだった。
味はもちろん、私はグラスの中で出来るグラデーションを見たくって、マスターに
「夕日」ちょうだい。などと言って頼んでた。
テキーラサンライズもあって、微妙に色が違う。それは「朝日」と頼んでいた。
朝日は全体的に赤っぽく、夕日はオレンジっぽい。
Barのマスターは私にとって魔術師だった。
最後に注ぐ液体で、夕日や朝日のグラデーションが完成する。
飲むのがもったいないくらい見事だった。
でも、早く飲まないと、グラデーションがなくなってしまう・・・
あっという間に沈んでしまう夕日と一緒だったんだ。

綺麗な夕日に感動していたのに、
思考は、今は無いBarに飛んでいた。
プリンスやジャニスのかかっていた、若者がDJを奪い合っていたBar。
みんなのたまり場になっていたBar。
誰かの誕生日には、マリリンモンローがジョン・F・ケネディに歌ったという本物の声のハッピイバースデーをマスターがかけてくれたBar。


今日はお酒の事考えたくないくらい二日酔いだったのに。
秋って、誰でもちょっとセンチメンタルになって、昔の事思い出す瞬間ってあるよね。