最近、勇気が出なくて。。

この週末、連休作って、久しぶりに1人で縦走に出たくて、候補地を色々考えたけど、天気などの関係で良いところが見つからず、直前までウジウジ。。

一人で雪だと怖いし、ボッチ遭難あり得んし。
しまいには、ネットで勇気の出し方とか調べる始末。
まぁでも、その言葉に押されて出発しましたよ。木曜23時に。
燕岳→常念岳→蝶ヶ岳の縦走

で、現地に3時くらいについて、仮眠して6時過ぎのバスに乗車。
8時前に歩き始めて、ひたすら登る。。
天気も良いし、気分も爽快になってきた!
ふぁー、来てよかったよー。
山頂手前で出会った人と写真を撮り合い、お話ししながら登る。
山頂付近はだいぶ雪。
山頂は絶景。
燕岳という山は、アルプスの中でも初心者向けで、この山だけに来る人も多い。
お話しした方たちも、ピストンだった。

縦走に行くのは私だけ。
早速ボッチ。
さぁ、急がねば、夕暮れになってしまう。
てくてくてくてく、良い天気。
小屋で、夏道を塞いで、冬道にしてます。と聞いたので、途中で冬道を選んだが、どうにも前に進めない。
行きつ戻りつ、進めない。
滑落しそうで、一歩が踏み出せない。
結構な時間をロスして、結局夏道を選んだら、トレースがあった。ちっ。

あ、前から人が。
話してみると、燕岳から大天井岳を往復して帰る途中とのこと。
目指す大天井岳で、2人組が泊まるようだとの情報をゲット。
一人宿泊は回避か?

夕暮れ迫ってきて、山頂直下。
またもや夏道封鎖。
冬道を探すも、途中からトレースもなくなり、進む道が分からない。
右や左や右往左往。
困った。
そーなんです。遭難です。
なんて、ギャグにもならない予感がよぎり。
しかし、山頂を目指せばいいのだ。
このまま登るのだ。
えいや、と岩をよじ登るも。。

タイムアウト。。

完全に真っ暗。

斜面にボッチ。
ひとりぼっちーえーん

登れると思った岩も、結局登れず。
戻る道も分からない。

遭難です。

ヘリか?
いや、呼んでも夜中には来るまい。

道を探すも、変な斜面に入り込んで、雪もあるし、ここで、滑って、し…。
マジで泣きそうながら、アイゼン装着。
冷静にな、冷静に。

あ、そうだ、ビバークしよう。
明るくなってから登ろう。
いや、下ろう。

どーしたもんじやろのー。
まずは、山岳会の大先輩に相談しよう。
名案があるかもー。
テルテル。
トゥルルルル〜。
トゥルルルル〜。
プチ。
あ、あの。
シーン。。。
ん?iphoneの画面を見ると真っ暗。
寒さで電池が死亡。

うむ。仕方なし。
ビバーク決定!
明るくなれば、道も見つかるさー。
で、テントを被る。

でもさ?
この斜面でさ?
火も使えないしさ。
今は風が止んでるけど、さっきみたいな突風みたいになったらさ?
夜明けまで10時間近く、耐えられる?

むーりー。りーむー。

よし。下ろう。
ヘッドランプはある。
予備電池もある。
アイゼンも履いてる。
即、滑落というほどの急斜面じゃない。
時間はたっぷりある。
一歩ずつ着実に下れば。道は見つかるかも。
そして、数時間歩けば燕の小屋に帰れるし、途中の平らなところにテントを張っても良いし。
現時点でビバークの判断は時期尚早だ。
そして、2コール鳴ったことによって、遭難かも?という事が、先輩の頭をよぎってるはず。
大丈夫。
助けは来る。
自分は出来ることをする。

そこから、ソロソロと下り始めると、見たことある地形。
あ、ここは歩いたかも。で、こっちはダメだった。
では、こっちは?
とするうちに、迷いはじめの起点に戻る。
そして、封鎖された夏道を発見!

まだ、斜面を横切っても雪崩れるような積雪じゃない。
こっちの道で大丈夫。
ロープを越えて歩く。歩き続ける。
と。。
小屋だー。小屋だよーん。
ついたよーん。
もう、小屋は冬期閉鎖しているが、小屋横にテント発見。
きっと、さっきの人が言ってた二人組に違いない。
冬期小屋(積雪期用に山小屋を解放している)も見るが、人が寝てたので遠慮して、最初に見つけたテントの横に自分のテントを張って、雪から水を作り、ご飯を食べて。
で、会の先輩に詳細をメールして(温かくなったら電池復活)、行程半ばながら、戻って下山する旨も書いて、就寝。
夜中風が強く、一度はテントが少し浮く。

あーん。迂闊にビバークしなくてよかったよー。
ビバークしてたら、吹き飛ばされてたカモー。
良い判断でしたよー。ハルコー。

風はビュービューで、起きてもテントから出られない。
(軽くなると飛んでしまうから)
出るときは、テントを畳むとき。

メールチェック。
先輩から返信アリ。

少々心配しました。
下山ですか?本日は天気がいいと思ったのですが。

ん?
いやいやいやいやー。
心が折れたっつーの!
遭難だっつーの!
九死に一生だっつーの!
もー、帰るのー。
出発しなきゃいけない時間もとっくに過ぎてるっつーのー。
布団でぬくぬく寝たいのー。

心が折れました。
下山します。
でも、ご飯食べてちょっと考えます。

と返信。

テントを畳んで準備して、ザックを置いて大天井岳の山頂を拝みに行く。片道10分ほど。
下山だけなので、のびのび好天の写真を撮り、荷物を取りに戻ろうとすると、前方から人が。
私が行く予定だった方から来たらしい。

道、どうでしたー?
わたしねー、縦走しようと思ってたんだけど、戻るんですよー。テヘー。

え?なんで?
こんなに天気がいいのに。
『もったいない』

ぎゃふ!
遭難だっつーのわたし。
元気だけど遭難者よ。
もう下山するのよ。

実際には、えーまーねーなんて言いながら。
荷物を回収して、来た道を。
もど、もどる。もどる。のよ?

でもさ、風は強いが天気が良いのは間違いない。
ちょっとさ、行ってみてはどうかしらね?
ハルコさん。
次のお山まで歩いてさ。
時間見て、下山して、ちょっとお高いタクシー呼んだら良いんじゃない?
いやいや、予定出発時間2時間も遅れてるしさ。
ひとりぼっち怖いって、もうやめようって思ったじゃない?
まーでもさー。
次の山までよ。そしたら昼前だしさ、同じ道を歩くのもどうよ?

などと説得され(誰に?)
戻らない方向に歩き始める。

ばか?

いやーでもさー。
天気がいいよー。
サイコーウインク

するとよ。
思ったより早く次の小屋に到着。
ここに泊まるのもねー。

下山?
それよりさー、荷物背負って山頂に行ってみてさー、時間見て進むか下山か決めればー?

しっかしこれがまた急でさ、ヘトヘトで。
山頂に着いたのが1時間オーバー。
無理だよ、また真っ暗ボッチだよ。
むーりだよー。

しかし、なんかフト行ける気がして。
進み始める。
真っ暗になっても、最後は危険箇所はないはずた。なんちゃって。

ばか?

そっからが、思ったよりアップダウンがあり、マヂムリ。
苦しくて吐きそうだし、お腹は空くし。
何度後悔したことか。
ケモノの足あととかあって、熊じゃないでしょうねー。

次の小屋前で、太陽が沈む。
でも、山に隠れただけだから、まだ日没じゃないぞ。
がんばれー。がんばれハルコー。
自分を励まし、ガツガツ進む。

そして。
あまりに美しい夕暮れの景色に息をのむ。

あー、どうしても、どうしても、やめようとしなかったのは、この景色をわたしに見せるためかー。
あー、なんて美しいんだろう。
もう、圧倒されて、降参って感じ。
辛くてしんどかったけど、きて良かった。
ほんとーに良かった。

さあ、最後の一踏ん張り!

なんと、時間が歪んだのか?
真っ暗直後に小屋に到着。
思ったより、早く着いたー。
奇跡か?

今日は、冬期小屋に泊まろうと決心して、中を覗くと3人・2人組の5人が中に。
混ぜてもらって、ちょっとお話しして、就寝。
あったかいしー、安全だしー、天国かしらん?

夜も満天の星空と地上の星。
あ、流れ星おねがい

朝は、ご夫婦と朝日を見に行く。
小屋から2〜3分。
空が赤くなってきたけど、雲が一生懸命太陽を隠す。
なんやねん。
でも、正面の穂高が雪をかぶって、カッコイイ!惚れる!
ダンナさんが、また聞き上手なので喋りすぎて、ちょっとダッシュで上高地へ下山。

最後は小走りで、バスのチケット売り場へ。
12:40のバス、まだ空きがありますよー。
それ乗りたいデス!

上高地→新島々(バス)
新島々→松本(アルピコ電車)
松本→穂高(JR大糸線)

愛車を回収。

食べログで見つけた駅近の蕎麦屋が大盛りで、しかも、今まで食べた中で、一番美味しかった!!
温泉にも入り、無事帰宅。

起こる全ては、きっと良いこと爆笑