一流と呼ばれる人にはおしゃべりな人が殆ど、という話題から始まる章。確かに僕の知り合いの中で考えても、尊敬できるくらい頭がいい人はみんな「おしゃべり」だった。それは無駄口が多い、とかではなくて、しっかり説得力を持った内容の話をすることが出来る人。これ、という専門分野の話をわかりやすく出来るという人。大事なことはこれ、ときちんと要点をまとめて話すことが出来る人。
高校時代なんかは学校の教師の授業が、分かりにくいどころかさっぱり分からなかったので、友人に「補習」をして貰っていた。彼の話は要点を抑えていて、長くても聞いても苦にならなかった。自分で理解した内容を僕に分かるように噛み砕き、意図的に分かりやすく解説してくれた。僕の記憶の中にいる教師の理想像の一人は、彼だ。
おしゃべりな人というのは、情報量の多さに負けずにそれを処理し、分類し、分析し、自分の持つ「話題」に転換できる人のことを指すのだろう。脳は結びつける能力を持っている、というのが前回の話。結びつけた情報をどう人に伝えるか、伝えてもらうか、が今回の話。
糸井・池谷両氏の取っている「対談」という形式の企画は、そこに参加する人同士のコミュニケーションの如何によって出来・不出来が決まるだろう。そういう意味では糸井さんの持っている「相手の持っている情報を引っ張り出す」能力は実に対談向きだと言える(問題は糸井さん本人が「おしゃべり」だということか)。
難しい話を聞いて「真っ白」になる。誰しも一度は経験したことがあるのではなかろうか。真っ白にならないためにはどうするか?「ついていこうとする」ことが大事だ、と糸井さんは言う。おいおい、と思いつつも確かにそうだ。真っ白からいかに早く立ち直り、脳をリフレッシュして「再起動」しなければコミュニケーション不全に陥るだけなのだから。
糸井さんのように、気の利いた質問を出して相手の持っている情報をどんどん引っ張り出そうとするのは難しい。簡単そうに言っているが、それこそ結び付ける力がしっかり働いていなければ「質問」が出来ない。でも分かりにくい話を聞いているときに「もう一度説明してください」「今のところ、もう少しだけ分かりやすくお願いします」くらいは言えるかもしれない。
そうすることで「どうにかして話についていくぞ」という意思表示が出来ればいい。聞く姿勢を見せている人を目の前にして、邪険に断る人はそうはいない(はず)だ。そうしてしっかり情報を入力できれば、次の出力に繋がるというものである。
目指せ、ディスコミュニケーション防止。