安静室でしばらく過ごした
時計も携帯もないし
今何時なんだろうと思いながら
ひとりぼっちで
ずーっと大地のことを考えていた
外来のすぐそばにある安静室
外来診察の呼び出し音や
今さっき大地が生まれた内診台で
診察が始まった音が聞こえる
私がお産してるあいだ
診察が止まってたんだろうな
先生が二人がかりで
大地を取り出してくれたんだ
そんなことを考えていたら
ドアがノックされて
女医先生が様子を見に来てくれた
『大丈夫?』
先生の顔をみたら
まず大地のことを聞いていた
この先生が大地の異常を
一番最初に見つけてくれたから
『赤ちゃんは?』
『赤ちゃん、やっぱり口元の病気でしたか?』
先生ははっきりと答えてくれなかった
『..お鼻が大きい子だったよ』
聞いちゃダメなのかなって思った
その後は
破水にびっくりしたとか
息子は高位破水で誘発だったとか
話してた
旦那を呼んで欲しいと頼んだけど
もう少ししてからね
と言われるだけだった。
そして最後に
『今回の選択は間違ってなかったと思うよ。きっと赤ちゃんもわかってくれてるから』
って私の手を握ってから
診察に戻った
女医先生が出て行って
少し眠った気がする
またドアがノックされる音で目覚めたら院長先生が来てくれた
私の様子を見て
『大丈夫ですか?少し大変なお産でしたね』
と話はじめた。
院長先生によると
・破水から始まって胎盤が先に剥がれてしまった為に出血が多かった
・その為に赤ちゃんが子宮と癒着してしまってなかなか出てこなかった
・これ以上出血が続くと母体が危険だと判断し、旦那に了承を得た上で赤ちゃんを出すために器具で引っ張らざるをえなかった
・左頬からあごにかけて少し形態がくずれてしまった
とのこと
院長先生は赤ちゃんをキレイにだしてあげられなかったことと辛いお産になってしまったことを何度も謝ってくれた
それから赤ちゃんに会うかどうかの話
赤ちゃんの顔がキレイに出せなかったことや、私の精神状態を考慮した上で
『私の妻が同じ状況なら今回は会わずに送るように言うと思う....』
と言われた