エリコの仕事が もう終わる頃かな
彼女は仕事を上がると 駐車場まで10分ほど歩く
今晩は寒いだろうなと思ったので
「お疲れさま 寒くないかな」と送っておいた
メールを送ってから、1時間が過ぎた頃
「寒い(泣く)」と、返ってきた
電話を鳴らすと、エリコの第一声は 「脚が寒いよー」だった
「スカートの中に頭を突っ込んで、両頬で太ももを温めようか」と言ったら
『特に寒いのは、スカートから出ている部分だよーー』と、言い返された(笑)
「そうか じゃあ、ふくらはぎに抱きついて温めるよ」
『そんなことしたら、歩けないよー』と、言い返される
エリコの話し声の後ろで 彼女の足音が聞こえた
「聞こえる足音からして寒そうだな 足音さえも愛しく思うよ」と、言うと
しばしの無言の後
『そんなふうに言われたの初めて』と、言われた
エリコが車に戻ってからも すこしだけおしゃべりをした
何気ない話でも話していると、エリコを好きな気持ちが脈打つ
「KISSしたいな」と言っても、
エリコは くすっと笑うだけでなにも言わない
「エリコはKISSしたいと思わないの?」と、訊くと
『したくないわけじゃないよ(?)』と、素直ではない返事
「あ、やっぱりね。そんな言い方をする方に、9割かけてた」と、言うと
『えー 1割は、したくないと思っていると、思ってたの?』と、
まったく素直でない自分を棚に上げた返事が来た。
言葉にするのは恥ずかしいんだろうな