オリックスは選択を誤っているのだ
しかし、弱い球団として生きる道の選択を誤っているとしか思えないのが、オリックス。
なぜ楽天がファンの支持を集めるのか。
それは、未来に向かう明るい希望を、球団とファンが共有しているからなのだ。
オリックスにも、スタジアムがファンで埋まった黄金期はあった。
それは、神戸震災で暗く落ち込んだ市民が、スターへの階段を登りはじめたイチローに、優勝へ向かって戦い続ける球団に、明るい希望を託したからだ。
今のオリックスには、それがない。
ファンと球団が共有できるモノがないのだ。
ロイヤリティ不在が、オリックスの致命傷。
阪神が長く低迷していた時代にも、ファンの支持を集めえたのか?
ファンと球団の間に、ロイヤリティが存在していてからだ。
ロイヤリティ構築には長い年月がかかった。
その間、数多くのスター選手やドラマを作り上げ、絶対的存在としての阪神を作り上げた。
作り上げたのは球団でありファン、いわば共同作品。
しかし、オリックスにはそれがない。
神戸から大阪に本拠地を移したが、単に商圏人口が多いからという理由だけしか感じない。
大阪市民とともに歩む、新しい歴史を作り上げるというフィロソフィが感じられない。
ファンが、感情移入しがたい状態にあるのが、現在のオリックスなのだ。
楽天が、野村というスター監督を就任させた。
ファンが野村楽天を支持したのは、単に野村のぼやきが、うけただけではない。
野村が目指す球団の方向性、未来に共感したからだ。
清原のキャラクターに頼っているようじゃ、オリックス再生は永遠に無理だ。
まずは本業の野球で、未来像を示さなければならない。
しっかりした未来像さえ持っていれば、ファンは弱くても付いてくるのだ。
ファンが付く過程で、スター選手が生まれ、数々の語り継がれるドラマが生まれる。
そのドラマの蓄積が出来たとき、球団とファンの間にロイヤリティが生まれる。
オリックスは時間がかかろうとも、この過程を選択しなければならない。
場当たり的なカンフル剤ばかりに頼っていても、仕方あるまい。